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MOTOR-HEART BOOKS にて売れた本

bookshop travelers様にてオートバイにまつわる本を販売し始めて早や2年。この活動を通して色んな本や人と出会うきっかけになった。
ここいらで、自分の棚から巣立った本の中で、印象深いものを振り返ってみる。
どんな本なのか、雰囲気を掴みやすいように印象深い一節を添えておこうと思う。


◾️漫画
キリン 東本昌平
-若くしてその走りに出会ったものは語り継ぐ 。あえて語り継ぐ。なぜなら地平の彼方を走る銀馬が蜃気楼でないことを知っているからだ 。

オートバイ漫画の金字塔。バイク乗りのバイブルと言ってもよい漫画。全39巻のうち、第一章の1-4巻を販売。SUZUKI・GSX1100S-KATANAを駆り、ポルシェとの高速道路での非合法レースに挑む38歳のバイク乗り「キリン」を描いた1章・POINT OF NO-RETURN
峠の走り屋の少年・マサキの青春と、色々なバイクに乗る人、乗るのをやめた人、乗り始めた人、乗り続ける人を描いた2章・THE HORIZONTAL GRAYS
1章のKATANAを受け継いだ若き「キリン」と巨大暴走族・ガルーダの破滅を描いた3章・RUN THE HAZARDカワサキが産んだ伝説のバイク、マッハとZ1を駆る二人の「キリン」が不思議な世界を舞台に破茶滅茶な走りを繰り広げ、大切な何かに気づく4章・WONDNR NET WANDER

そのほかにも、登場人物の過去の話が随所に差し込まれる形態を取る。バイクや自動車の描写は全て緻密で疾走感が凄まじい。作者・東本昌平のバイクに対する哲学と、「カッコイイ」が詰まった漫画。




◾️小説
ラストラン 角野栄子
-その時、体のおくに隠れていた遠い過去から小さな泡がゆっくり浮き上がってきて、ふっとはじけた。

▶︎解説
74歳の女性「イコさん」は「残された人生でやっておきたいこと」の一つ バイクツーリングに出かける。遠い昔に死別した母の5歳の時の幽霊「ふーちゃん」と一緒に旅をし、様々な心残りを持った幽霊たちとの出会い別れを描いた小説。
作者は「魔女の宅急便」を手がけた角野栄子氏。優しく温かみのある文章が魅力の1冊。

 

キノの旅(角川つばさ文庫版) 時雨沢恵一
-僕はキノさ。キノって名前の男、それだけかな。そして旅をしている。

▶︎解説
旅人のキノと、言葉を喋るオートバイのエルメスが文化も風習も独自の価値観を持つ、様々な都市国家を旅していく話。イソップ寓話のような要素を持った作品。
角川つばさ文庫版は漢字にふりがなをふり、残虐な描写を減らしたバージョンのもの。バイクに興味のない方にも、お子様や読書初心者の方にもオススメの1冊。




◾️ノンフィクション

ポップ吉村の伝説 冨樫ヨーコ
-挑戦してやり遂げた時の喜びに勝るものは無い

▶︎解説
バイクのチューニングという概念を確立し、バイク用集合管マフラーを発明した伝説のメカニック・吉村秀雄の伝記。
ホンダからの部品供給停止、アメリカでの会社乗っ取り、自社工場の火災による全身やけどなど数々の困難に立ち向かい、栄光を勝ち取る物語。
「自分が先頭に立ってやる」「困難に対して決してあきらめない」「理不尽に屈しない」ということのと大切さを教えてくれる一冊に仕上がっている。


風よ、鈴鹿へ  島田紳助
-泣けるでぇ

▶︎解説
芸人の島田紳助とベテランレーサーの千石清一が「チーム・シンスケ」を結成し、鈴鹿8時間耐久レースに出場する為にスポンサー集めやマシンの手配など、方々を駆け回る話。
手探りで1からレース活動をする中で手に入れたものは何なのか。危険で儲かるわけではないのに、バイクレースの世界がなぜそこまで人を惹きつけるのか、言葉では説明できない理由が少しだけ理解できるかもしれない1冊。



左腕からの贈り物   福井勝一
-今自分はまたライダーになったんだ
ここまでまた戻って来たんだ

▶︎解説
事故で左腕の自由を失った筆者が、大型バイクの免許取得のために奔走する話。
諦めなければ負けではない、周りを動かし、やりたい事を叶えることができるのではないか。そんな、前向きになることができる1冊。



バ・イ・ク  柳家小三治
-オートバイの乗り方というのは一つしかない。フワッと乗ってることだ。いい位置を探して乗ってること。

▶︎解説
作者のオートバイに乗るまでの話と、落語家のオートバイ集団・転倒蟲での愉快な北海道ツーリングの話を中心に、柳家小三治氏のオートバイライフとその魅力をまとめた一冊。
噺家らしい飄々とした文体ながらも、ぐいぐいと迫り読ませる文章も魅力。

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