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やっぱり人間は考える葦である

COVID19の重症例を自ら経験した医療従事者の方の投稿(↓)に触れて思ったこと。昨年から考えていたことのひとつのまとめとして。

皆様、遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。 年末に「COVID19」に感染し、三途の河の手前で生還しました。 感染源はまだはっきりしませんが、年末の診察時の感染かと思います。その点は、この職業を選択した段階で覚悟を決めてお...

Posted by 辻 直樹 on Thursday, January 7, 2021
この感染症の恐ろしさは「ロシアンルーレット」という部分でしょう

この言葉にいろいろと凝縮されているように思った。

COVID19はその人の体質的な「弱み(とくに生活習慣病といわれるような)」を急速に悪化させるケースがあり、それが通常の風邪やインフルエンザと比較して厄介な点のひとつだと聞く。でもロシアンルーレット的だから、そうした患者さんは全体からみればマイノリティとなる。

では、少数なら目をつぶっていいのか。

他方で経済的・精神的に被害を受ける人がいる。そこでもやはり、以前から抱えていた「弱み」に運悪く直撃して、急速に状況が悪化するケースがある。経済的・精神的と一括りにいっても「弱み」の抱え方は千差万別。だからそれぞれの困難は、それぞれにマイノリティとなる。

それも、少数なら目をつぶっていいのか。

いろんな人が指摘しているように、いま直面している困難は以前から存在した「弱み」が表面化したものだろう。弾の数が急増して分かりやすくなっただけで、ロシアンルーレット的な状況はいまに始まったことではない。

そして、体質であれ経済や精神の状態であれ、抱えている「弱み」は人それぞれ、ばらばらだ。だから誰しもが困難のなかでは孤独なマイノリティとなる。

COVID禍で問われているのは、ずっと前から変わらないこと。それぞれに孤独なそれぞれの「弱み」を見捨てない思いやりと、互いの困難を共に乗り越えるための知性。パスカルが今の世界をみたら「やっぱり人間は考える葦である」とでも言うかもしれない。

タイトルへの返答として、昨年からの状況にうまく対応してきた国のひとつ、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相の簡素かつ的確な言葉を最後に。

Be Kind.

最初に紹介した投稿は医療現場の現況を記したもので、ここで書いた内容とは質的にまったく違うものです。それはそれで別途お読みください。

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