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絵師を名乗る詐欺師に騙されないために

納期をすぎても納品ぜす、先払いで振り込まれた金を返さないイラストレーターが何度も被害を訴えられたのを皮切りにVTuberから納期を守らない絵師の悩みが増えてきているのを観測しています。
最近だと納期のだいぶあとに納品されたイラストのクオリティがファンアートより劣るとかありました。
そんなのは一部の絵師だけなのはその通りなのですが、その一部の被害者がとても多いのが問題です。
なぜ被害者が多くなるのかと、私が小さいゲームの会社にいた経験から対策を紹介します。

詐欺の手口について


こういう絵師はそもそも最初からスケジュールを守る気が無いので来た依頼をすべて受けつけます。
なので半年とか1年とかは平気で遅れますし、もっとひどい場合は最初から納品する気がないので何も着手しないです。
スケジュールを守ってくれる絵師は返信する前に今受けている仕事の予定を確認し、無理そうなら断るということをします。
そうなると必然的に納期を守らない絵師の方が仕事を取っていくという状況になってしまいます。
そして依頼者の我慢が限界を迎え、別の絵師にかなり厳しいスケジュールで依頼せざるを得なくなるという事態になります。
先払いで結構な金額を支払っているので予算もなくスケジュールも短いというクリエイターにとってクソみたいなクライアントが誕生します。

わざとでなくてもスケジュール管理が壊滅している絵師が一度破綻した結果遅れることに慣れすぎてしまい、今回も納期破っても問題ないだとうとたかをくくった結果、案の定トラブルになるパターンも多くあります。

最近絵師に何の恨みがあってとかいう人いるんですけどこんなの恨まれて当然です。

対策について


これはもう事前にどれだけ調べるかにもよります。
基本的には過去のポストやSNSをすべてチェックするのが理想ですがそれはとんでもなく時間がかかりますのでfrom:(アカウント名)で要点を確認するといいでしょう。
観点についてはとりあえず以下を確認するのがいいと思います。
1.時間にルーズでないか
2.過去にトラブルになっていないか
3.SNSの発言はまともか

1.時間にルーズでないか


そもそも時間にルーズな絵師は騙すつもりがなくても納期が遅れる可能性が高いです。
どうやって判断するかについてですが、納品などで検索してみて深夜帯が多いと危険です。
会社に納品する場合は営業時間内が常識ですのでまともな絵師は生活リズムも会社に合わせている人が多いです。
もちろん兼業の絵師だったりVTuber向けに仕事をしているともっと遅い時間に納品する場合もあるのでどういうクライアントから仕事もらっているかはチェックが必要です。

そういうのがない場合はファンサイトなどの投稿時間を調べてゴールデンタイムでない時間に投稿していたりすると危険かもしれません。
あと10月に水着のイラストをアップロードしているとか季節ものが時期外れだと怪しいです。

2.過去にトラブルになっていないか


過去にトラブルを起こしている絵師は危険なのは当たり前なのですが、先方都合で着手したのにキャンセルされ支払ってもらえないとかトラブルになってないかも確認します。
一度だけならそういう悪質なクライアントがいるのも事実なのですが、何度も巻き込まれているとそもそもその絵師に問題がある可能性が高くなります。
僕の知る限りではラフの提出期限が過ぎていても体調を崩したとか身内に不幸があったとか言い訳を重ね、新しい期限を設定しつつ引き伸ばし続けるといったことをして、ついにキャンセルを言われた瞬間にすぐ描けるようなアタリとか大ラフを送りつけて不当なキャンセルと主張してくる絵師がいました。
SNSは一方の発言だけが見えるのですべて信じるのは危険です。

また絵で評価されない絵師は同情をあつめることで承認欲求を満たしやすくなりますので、トラブルがなくてもあったと嘘をつきます。
そういった虚言癖のある絵師を避ける意味でも何度もトラブルに遭遇している絵師は避けたほうが無難です。

3.SNSの発言はまともか


プロ意識の高い絵師はSNSを自分の宣伝のために使っているのでネガティブな発言とかしないのですが、そうでない絵師は危険です。
ネガティブな発言をしないというのは自分に仕事をくれるクライアントやファンに向けたサービスです。
そういうプロ意識がない絵師は納期についてもルーズなので危険です。

というかユーザー目線ゲームのホームページから絵師の名前調べてXにたどり着いたらめちゃくちゃネガティブ発言繰り返していたとかいう状況になったら嫌すぎるので納期とか関係なくネガティブな発言している絵師は使わない方がいいです。
クリエイターがネガティブな発言をするなというのは定期的にXに流れてきますが、ほとんどの場合仕事を受けるならそうした方がいいという文脈で語られています。
それが汲み取れずに噛みついてるクリエイターはそもそも他人の意図を汲み取る力が不足しているのでトラブルになりやすいです。
不満があるなら普段使ってるSNSでなく捨て垢のnoteに書くとかすればいいんです。
そういった噛みつきをしていないかは「ネガティブ発言」で検索して調べてみるといいと思います。

またネガティブな発言が多いというのはメンタルに欠陥がある可能性が高いので納期が守られなかったり著しくクオリティの低いものが納品されたりとかします。

ツイ消しが多い場合も同樣に危険です。
to:(アカウント名)で検索するとその人へのリプライが検索でき、ツイ消ししたツイートに対するリプも表示されるのでよくチェックするといいでしょう。

変態発言が多い絵師はむしろ信用できるので気にしなくていいです。

その他確認事項

あとはこういうのも確認しておくと不幸がないです。
・Skebの締め切り厳守率が100%か
→あの絵師にとんでもなく有利なシステムで100%ないとか終わってる。少なくとも95%以上はないと危険です。締め切り厳守率高い人が隠すメリットは皆無なので表示されていない場合も危険。
平均返答日数なども隠していると危険です。
・PSD形式で納品を求める場合PhotoShopを解約していないか
→クリスタとかibisとかで描いていても納品がPSDの場合はPhotoShopで開いて確認するのが当然です。
以前クリスタで書いた絵をpsdで納品された時に崩れていてトラブルになりました。
値上げなどあり解約してる絵師もいてトラブルになりそうです。
・コミケは落としてないか
→コミケ落とす絵師は自己管理できてない
・過去にXで凍結されて2代目以降のアカウントになっていないか
→凍結を回避するためにアカウトを作り直す事がXの規約違反なのでいつ凍結するかわからない。やり取りがDMの場合は急に連絡が取れなくなるリスクがあります。
・絵柄のクセが強い
→途中でバックレられた時に引き継ぐ人を探すのが難しい。あと絵柄が原因で避けられることもあるので無難な絵柄がいいです。

あとはブラックリスト共有しておくのがいいです。
自分がいた会社は他社と情報を共有していましたし、流通の人から情報を聞いたりもしたことがあります。
他の会社にいる知人と個人的に共有していたりもしました。

個人でやっている人なら以前その人に依頼していた人に連絡とってみるといいと思います。
納期をひどく遅らせる絵師は恨まれているので教えてくれたりします。

依頼直前の注意事項

さて、そこまで確認してやっと依頼を行うのですが、見積もり依頼のメールを複数人に送って一番返信が早かった人に頼むのがいいと思います。
仕事のできる絵師であればすぐに回答できなくても受け取ったと返信してくれるはずです。
一度に依頼を送るのは失礼ではありません。
社会人であれば一つの案件に競合がいるというのは当たり前の状況ですのでそれに怒る絵師は精神的に幼い可能性があります。
リスクが避けられたと思って気にしなくて問題ないです。
最初のうちは心苦しいかもしれないですが、スケジュールや予算などの都合で断られたりする事も多く、個人であったり規模の小さい会社だとそもそも受けてもらえないので返信をまってから別の絵師に依頼メールを送ると時間を無駄にします。
そのために私のいた会社では問題なさそうな絵師リストをあらかじめ作成していました。

また見積書を作ってもらったり契約締結をしっかり行うというのもフィルターになります。
基本的な事務作業ができない絵師は納期も守れないですし、20時ごろに請求送ってきて今日中に振り込んでほしいとか言ってきたりしてトラブルになります。
あとそんな絵師が確定申告できてるわけないので脱税している可能性があります。
書類の提出をしたくない絵師には依頼するのをやめましょう。
求めたものが提出されずにキャンセルするのはクリエイター都合のキャンセルです。

先払いは絶対にやめましょう、持ち逃げされます。

あと予算がある程度あるならイラスト制作会社に依頼してしまうのが一番いいです。
納期やクオリティについて不安はまったくなく、著作権はすべて譲渡になるので今後の心配ごともありません。
VTuberだとLive2Dまでやってくれる会社もあるので全部任せられます。

まとめ


絵師は特権意識があるので無条件に敬意を払えという態度をとりますが、依頼をする側からすれば敬意を払えるクリエイターとは決められた納期までに要件通りのものを納品してくれるクリエイターです。
納期を遅らせたり、ばっくれるような絵師を非難することはあっても敬意を払うことは絶対にありません。

クライアントはもっと納期に対して厳しくなる必要があります。
絵師は社会不適合者だから遅れるのが当然という雰囲気は私のいた会社でもありました。
そもそもSkebで依頼をするのでも無い限りは絵を依頼するのは絵師のためではなく、エンドユーザーのためです。
絵師の納期が遅れたことが原因でスケジュールが破綻して延期になったり出すものが出せないと一番迷惑を被るのはエンドユーザーですので、楽しみにしている人のために、納期をまもらない絵師には厳しい態度を取る必要があります。

ゲームを買ってくれるほとんどは社会人か学生です。
社会人であれば仕事の納期を遅らせるというのはできないので必死に残業しますし、学生も提出日を遅らせると成績が下がるので必死です。
そうして休みにゲームをしたり、VTuberの配信を見て英気を養うのです。
でも、その絵を描いているのが納期を全然守らない絵師だったら嫌すぎます。
楽しみにしていたゲームが延期になる、推しのVTuberが納期トラブルに巻き込まれる……
そういった事でユーザーが嫌な現実を見てしまうことは、コンテンツを提供する側からしたら絶対に避けるべきです。

だから納期を守らない絵師には絶対に依頼するべきではありません。
そのために注意するべき絵師を調べるための方法を共有しました。
当たり前にやってる事しか書いてないので目新しい情報がないよって方もいるとは思います。
それでも漏れて納期を守らない絵師にあたってしまうこともあるのが悩ましい。

願わくばすべての納期を守らない絵師が失業しますように。

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