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2020/01/07 オーバカナル福岡

AUX BACCHANALES (オーバカナル) というカフェをご存知の方は多いと思う。
東京に4店舗、京都・大阪・福岡に各1店舗。
ざっくり言うと、「まんまパリ雰囲気のカフェ」なのだが、その「まんま具合」が半端ない。

第1号店は原宿、90年代初頭だったか、パリ好きの先輩格みたいな友人に初めて連れて行ってもらった時は、その「異国感」にガツンと衝撃を受けた。

その頃はまだ未踏の地だったフランスを旅するようになると、オーバカナルがいかに「本場っぽい」かをしみじみ感じた。

少し古臭くて地味な内装。
薄暗い照明。
サヴィニャックのポスター。
BGMはフランスのラジオ放送。
外はテラス席。
バゲットの皮がパリパリしたサンドイッチは変な味付けはしておらずバターにシンプルな具材のみ。皿に素っ気なくコロンと乗っかって出てくる。
スタッフは付かず離れず。
……その他いろいろ。

原宿の1号店はビル自体が無くなってしまったので今はもう無いが、違う場所にポツポツ増えて、たまに無性に行きたくなる欲求を満たしてくれる。
高輪店は品川税務署の斜向かいで、e-taxになるまでは確定申告書を提出した後ここでランチを食べるのが毎年の儀式だった。

さて、私の実家は九州の離島。
本日、帰省を終えて東京へ戻る。まず経由地の福岡へ上陸した。
東京行きの飛行機に乗るまで少し時間があるときは、このオーバカナル福岡店に必ず寄ることにしている。
実家の田舎食も2~3日は楽しいのだが、さすがに1週間も続くと飽きる。
で、無性に垢抜けたものが食べたくなるのだ。

福岡店は、天神の大丸デパート内の広場の一角にある。
東京の店舗との圧倒的な違いは、ウナギの寝床みたいに細長い店の作りだけではない。その客層だ。
東京だと、なんとなくスノッブやらアンニュイやらを気取ったいイケ好かない客がけっこういる。
そういう人々が発するオーラはなんか気持ち悪い。

でも、福岡店の客は本当にフツーのおじさんおばさんオネエさん達だ。
みな一斉に博多弁で喋る。
なんか、そのムードがすごくいいのだ。
そもそもカフェなんてそんなものだ。
パリのカフェだってだってその辺の住人たちが集うのだから。
東京のスノッブやアンニュイみたいに、カフェで気取ってるのは、なんか滑稽だと思うのだ。

そんなことを考えながら、昼間っからシャンパンをぐいっと飲む。
隣のテーブルのジイさんから「いい飲みっぷりやねー」と褒められた。

元気が出た。さあ、これから東京へ帰ろう。

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