浴室バッドコミュニケーション

左太郎「どうも。」
右衛門「ああ、こんばんは。」
左「いつぶりですかな?」
右「いや、初めましてですね。」
左「そういわれてみれば確かに。」


右「で、今日はどうだったんですか。」
左「ええ、実はサウナに行きましてね。●●●というところなんです
けれども。」
右「おぉ、名前は知っていますが行ったことはありませんね。」
左「あなたもサウナがお好きで?」
右「一般人と比べれば、という注釈付きですが好きですね。」
左「なるほど。わかります、その気持ち。」

左「そこでですね、まず洗体して、お風呂につかった後でサウナに入ったんですね。」
右「お湯につかるのがこだわりなのですか。」
左「そうですね、汗腺が開くといいますし、何より気持ちがいいです
から。」
右「同感です。」
左「で、時勢的に同時に入れる人数を制限していたんですよ。8人。」
右「ふむ。」
左「なのでサウナに入るのを待つ人たちが並んでいたんですね。ただサウナ室と水風呂の距離が近いので、その列が水風呂の前まで伸びていることが結構頻繁にあったんですね。」
右「距離が近いのはいいですね。」
左「それは間違いない。で、その通路に椅子が並べてあったんです。」
右「休憩用ですか。」
左「私もそう思っていました。それで二周目に行こうとなった時、サウナ室のそばに立っている人とその椅子に座っている人がいたんですよ。私は座っている人は休憩していると思ったから立っている人の後ろに並んだんです。そしたら…」
右「そしたら?」
左「座っている人が『並んでるよ』って言ったんです。それで咄嗟に『あ、すいません』って言ってその人の後ろに並び直したんです。」
右「ふむ、その人は休憩していたのではなかったんですね。」
左「そうなのです。ただ並び直した後にいやな気持になってしまって…」
右「なぜですか?あなたも素直に従ったし、その人もただ声をかけただけでしょう。」
左「そうなんですけどね、ただ、立っている人の後ろにつくという何の意味もないリスクを冒した自分の浅はかさ、公衆の面前で注意された羞恥心、そそしていきなりため口を使ってきたその人物へのちょっとした不満、そういったものがないまぜになって不快になってしまったのですよ。」
右「なるほど…難儀な性格ですね。」
左「ただ、そのあとに当該人物が水風呂に頭から入っていたのでどうでもよくなりました。」
右「あぁ、そういうタイプの人でしたか。であれば気に病む必要はありませんな。」
左「よく考えたら、二リットルの水を持ち込んで飲んでいたので、だいぶイキってるタイプの人種でしたね。」
右「あなた急に豹変しましたね。」

右「それで言うと、サウナ室でべらべら喋るタイプの人種は全く品がないし、だいたいツーブロックですね。」
左「全く同感です。そういえば待機アピールマナー違反人もツーブロックでした。」
右「やはり…。ああいった連中はなぜ一人で行動できないのか、理解に苦しみますな。友人と語らいたいなら別の場所ですればよいでしょう。」
左「えぇ。自明に”弱い”ですね。」

左「おや、そろそろですね。」
右「もうそんな時間ですか。」
左「ではそろそろ。」
右「ですな。」
左「あ、最後に。」
右「なんでしょう?」
左「ロビーで見た鉄腕ダッシュが面白かったのと、帰りに車道の右車線のさらに右端を、歩道にいる知り合いに怒鳴りながら歩いてる人がいました。驚きました。」
右「心配ですね、いろいろと。」
左「では、今度こそ。」
右「ええ、さようなら。」

---セッションは終了しました---

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