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採用コンサルタントと考える「転職活動の準備」#5元面接官のはちさんに聞いてみた 転職 × 家族 編

今回は所帯を持った求職者が気になるであろう質問に答えていただきました。


質問1.転職を考える際、家族とどのような点について話をしておく必要があるでしょうか?

はちさんの回答

一つひとつ段階を踏んでいくことです。

「転職をしようかなと思っている」という話を家族内でしても、最初はそこまで本格的な議論にならないことが多いと思います。考えられる理由は2つ。

1つは、思いを話しただけのレベルでは現実味がないからです。すなわちイメージができないので議論のしようがないということです。

2つ目は、「転職をする」=「今よりも何かが良くなる」という相手の「思い込み」が働くことが多いからです。これは、転職について具体的な言葉でコミュニケーションが取られていない段階でよく起こります。

そのため、本格的に話をするには、転職先のイメージを添えて伝える必要があります。

「こんな転職先をイメージしている」ということを伝えて初めて話し合いが始まります。

内定をもらった後に、転職の話を切り出すといったことはせず、進捗に合わせて段階的に話し合いましょう。

◎主な論点は3つ
家族との話し合いが始まると、主な論点は以下の3つとなります。

収入の変化:今よりも給料が上がるのか、下がるのか?
住居の変化:勤務地は今の場所から通えるのか、引っ越しも必要なのか?
仕事の変化:これまでの経験を活かせる仕事なのか、新しいチャレンジになるのか?

変化への抵抗があるのは脳のはたらき上やむを得ません。

さらに家族ですから、何かしらの影響を受けることになるため、相手の選択に不安や心配があって当然です。

「生活費どうすんの~?」
「え!?引っ越すの?」
「そんな新しい仕事なんて大丈夫なの?」

こうした言い合いに終始せず、お互いに相手に敬意を持ち、落ち着いて話したいですね。

家族の懸念や不安についてしっかり話し合えれば、妥協点が見つかり、相手の思いを尊重した結論になっていきます。
重要なことは、家族の小さな懸念や不安であっても真摯に向き合い話し合うということです。
話し合いを放棄したり、感情的に処理したりするのは避けましょう。

転職はエネルギーも使いますし、勇気も必要です。

家族の賛同や承認を得る過程を踏めないのであれば、それを押し切ってまで新しい環境を目指す必要はないかと思います。

一番近くで見ている人が強く抵抗するということは、あながち間違っていないのだと思います。

転職が前向きな選択なのであれば、家族と一緒に前向きに進めたいですね。
新しいチャレンジに「自分も家族も、ワクワクドキドキする」そんな選択にしていきましょう。


質問2.都市部から地方への転職を検討している場合、家族への負担を減らすために意識した方がいいことはありますか?

はちさんの回答

①金銭的な負担について
地方への転職の場合、移住者向けの各種支援制度は活用したいですね。
自治体により、色々な支援策が設けられています(もちろん、特に支援策を設けていない自治体もあります)

(参考)一般社団法人 移住・交流推進機構
https://www.iju-join.jp/feature_exp/shienseido.html

☆モトムットでも、筑後地域の各自治体の支援制度をイラストで分かりやすく紹介しています!→詳しくはこちら

とはいえ、支援内容だけを見て安易に飛びつかないよう審査基準や支援内容は精査しましょう。なぜそういう支援を行う必要があるのか、その背景もあるわけです。
自分は支援施策の対象にならないということもありますし、支援以上の出費や苦労もありえます。

実際にその土地へ行ってみて四季を感じてみたり、朝・昼・晩を過ごしてみたりしてほしいですね。行ってみて初めて分かることは多いため、まずは家族帯同で一度は行ってほしいです。

②心理的な負担について
Uターンは心理的な負担軽減となりやすいですね。

町の構造や生活環境を知っていること
町の産業や仕事を知っていること
頼れる親族、旧知の仲間がいること

こういった内容は家族全員がその町に溶け込んでいくハードルを下げてくれます。

心理的な負担は人により異なりますし、優先順位によっても変化するでしょう。
サーフィンであったり山登りであったり、趣味に没頭できさえすれば多少のストレスは平気だという方は没頭できる環境を一番に求めるでしょう。
そういう意味では、上記のような型にはまった考えだけではなく、自分及び家族の志向や感性に合った選択をされても心理的負担の軽減は図れるでしょう。

③生活的な負担について
(給与のアップダウンや家賃の高低は直接的な要素なので今回は掘り下げません)
生活インフラへの期待値は人により違いはあるでしょうが、こちらが現在の環境より快適になることは生活面での負担軽減につながるでしょう。

学校・病院・スーパー・公園や娯楽施設・頼れる親族の家など、生活範囲に必要と思われる施設があることは負担の軽減になります。
引っ越しが発生する場合は、このあたりも意識しておいてほしいです。

質問の「家族の負担軽減」についてまとめると、
「自分の家族は、そもそもどんなことが負担になるのか?」を知ることが一番重要です。

・学校の環境に馴染めるかどうか
・いざというときにかかれる病院は近くにあるのか
・困ったときに頼れる人はいるのか
・徒歩圏内にスーパーはあるのか
・子供が安心して遊べるような公園が近くにあるのか
・近所付き合いなどを含めた住環境や治安はどうなのか
・会社や職場は近いのか

家族により負担となる要因は違ってきますから、その点を明らかにしてほしいです。
負担の内容が明らかになれば、そのあたりに配慮した選択を取っていけば良いわけです。

今より快適な暮らしができるよう、家族内でしっかり話し合うことが大事ですね。


◾️ 筆者プロフィール

はちさん
早稲田大学卒業後、紆余曲折を経て大手人材会社に入社。
約20年のキャリアを通じて、九州地区をはじめ都内の企業・自治体の採用支援に携わる。
担当業種は多岐に渡り、社長1名の会社から従業員数4万人を超えるグローバルな大手上場企業まで幅広い規模の企業を担当。
採用責任者時代は、年間1,000名を超える採用活動でのスキーム設計・フロント業務・事務作業・面談面接・研修といった採用活動の全工程を一気通貫して経験。
行ったり来たり考えた結果、採用活動支援と人材育成を行う会社を設立。

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