もとみず(別名もっち)

東北で言語理論を学んでいる大学院生です。

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  • 読書会・勉強会のすすめβ

    専門書や学術論文を扱う、学びのための「読書会」について、その内容や進め方を紹介します。(※あくまで個人的体験に基づいて書いた記事であり、必ずしも一般性が保証されているわけではありません)

最近の記事

樹形図は別に大したことないという話【統語論】

大学で「言語学概論」や「英語学概論」といった授業を受けると、まあまあの確率で姿を現す分野に「(生成文法)統語論」というのがあります。統語論は「単語を組み合わせて句や文を作るときの結びつき方に関する研究」を行う分野で、ざっくり言ってしまうと文構造を専門に扱う研究領域です。 これが存外厄介な分野で、少なくない人が、所見では統語論に苦手意識を持ってたりするんじゃないかと想像します。恐らくその理由の1つが「樹形図(tree diagram)」です。樹形図っていうのは、こういうのです

    • 久野暲の機能的構文論をぜひ読んで欲しいという話

      twitterでまつーらとしお先生が「言語学な人々」というアドベントカレンダー企画(https://adventar.org/calendars/6885)を発起し呼びかけているのを見かけたのが11月21日の出来事。錚々たる面々に圧倒されつつも、せっかくなので、と参加させて頂きました。 とは言ったは良いものの、はてさて何を書けばいいのやら。悩んだ末、たどり着いた結論は「そうだ、久野暲の布教をしよう」でした。 久野暲先生は、機能的構文論(Functional Syntax)

      • 読書会・勉強会のすすめβ(5)―「持続可能な読書会」に向けての雑記

        これまでの記事では、読書会の形式、予習のコツ、本選定などをはじめとした発足時の注意点についてまとめてきました。これらの内容は、どちらかというと僕の中では確固たるものとして、それなりに確信を持って書いた内容です。 一方、読書会に参加したり運営したりする経験の中で、未だに解決法が見えない課題や困難もあります。その中心は「読書会を無理なく、健全に維持し運営し続けることの困難」にあります。この記事では、一連の記事の締めくくりとしてこうした問題について検討してみます。中には、明確な答

        • 読書会・勉強会のすすめβ(4)―メンターの有無、参加者と本の難易度

          第2回の記事と第3回の記事を通して、読書会の主要な2つのパート(「当日のディスカッション」と「事前の予習」)について詳しく解説をしてきました。これらの記事は実際に読書会を走らせるときのtipsについて紹介したものです。今回は、読書会を発足する場合のポイントについて紹介します。具体的には ・参加者の特性 ・本の難易度 という2つの観点から、読書会のマネジメントにおける留意点をいくつか挙げて検討していきます。特に、「読書会で取り上げる本」と「読書会の進め方」の選択にかかわるポ

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          読書会・勉強会のすすめβ(3)―予習のポイント

          第1回の記事では読書会の概要と意義について、第2回の記事では読書会の進め方の詳細についてそれぞれ紹介してきました。第3弾となる今回の記事では、読書会の主要なパートの1つである「事前の予習」にフォーカスして、充実した予習に必要なポイントをいくつか挙げていきたいと思います。そのポイントは ①論理関係の整理 ②専門用語の確認 ③引用文献の確認 ④内容の批判的検討 の4点です。 ①論理関係の把握読書会の予習と言うからには、当然、題材とする文献を事前に読んで内容を把握しておくこと

          読書会・勉強会のすすめβ(3)―予習のポイント

          読書会・勉強会のすすめβ(2)―読書会の流れと形式

          前回の記事では、読書会の説明とメリットについて簡単に説明しました。加えて、読書会が「事前の予習」と「当日の議論」という2つのパートに分かれていることも紹介しました。今回は、この2つのパートについてもう少し詳しくまとめてみたいと思います。特に「当日の議論」の進め方にいくつかの種類がある、ということが今回の記事のポイントです! 議論の形式をまず決めるべし!前回の記事で紹介した通り、読書会は「事前の予習」と「当日の議論」の2部構成になっています。読書会では、参加者が集まる当日は最

          読書会・勉強会のすすめβ(2)―読書会の流れと形式

          読書会・勉強会のすすめβ (1)―読書会って何?

          読書と読書会「読書会」や「勉強会」、あるいは「自主ゼミ」ということばを聞いたことがあるでしょうか。もしかすると「読書会」ということばはあまり馴染みがないかもしれません。一方で、学生時代に「定期テスト対策のため」と銘打って友人と集まって課題に取り組む勉強会をしたことがある人もいるかもしれません。 一般に「読書会」(または一部の「自主ゼミ」)と言われるのは「複数の人が集まって、同じ本について感想を言い合ったり、内容について議論する場」のことです。「読書会」ということばの響きから

          読書会・勉強会のすすめβ (1)―読書会って何?