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【実体験】公務員を退職した時の実際の流れはどんな感じ?

こんにちは。

公務員を退職して、現在エンジニアとして働いている、motoです。


公務員から転職しようか迷っている。
Webで調べても一般の会社の事例は出てくるけど、公務員だと違うのでは?実際、公務員を退職するのってどういった流れなのか知りたい。

今回は、そんな疑問を持たれてる方に向けて僕がどのような流れで前職を退職したかを書いていきます。

僕自身も、どんな流れで手続きを進めればいいのか全く分からず悩んでいましたので、

こんな感じだったのか〜。と参考にして頂ければ嬉しいです。


退職願の提出


希望する退職日の1ヶ月半前に退職願を作成

転職活動の結果、無事内定を獲得した僕は、退職願の作成に取り掛かりました。

僕が実際に提出した退職願

内容は、本当に簡単なものでした。

僕の場合は、リクナビNEXTの退職願の正しい書き方と円満退職のポイントを参考に作成したのですが、こちらの例と違う点としては、

  • 会社の代表者ではなく、勤めていた省庁の代表者を書くこと。

この1点のみです。

リンク先のフォーマットと全く同じ文で、100均で購入した便箋にボールペンの手書きで作成しました。

しかし、この退職願だけをいきなり上司に渡しても、

「なんで退職したいんだ?」と確認され、理由を聞かれるのは明らかです。

なので、上司に説明して納得してもらうために、自分自身の気持ちを整理して、もう一部、上記の退職願に

  • これまでの感謝の気持ち

  • 次の仕事をしたい理由

  • 年度途中のお願いになってしまったのでその謝罪

この3点を追記した退職願を追加で作成しました。

こちらは、ワープロソフトを使って作成し、ボリュームとしてはA4用紙1枚に収まりました。

封筒には入れず、クリアファイルに入れ、そのまま提出しました。

就業時間後、退職願を提出

退職の意志を伝えると決めた日は、お昼にも時間がありましたが、就業時間後に伝えると決めていました。

お昼に伝えても午後も仕事があるし、気まずいと思ったので。

就業時間後、課長に相談し、場所を移動してもらって2人になってもらいました。

作成した退職願を提出し、退職を申し出たのですが...やはり緊張しました。  

率直に


他にしたい仕事が見つかりました。もう内定を頂いているので12月末で退職させて頂きたいです。

と伝えると、


それってどんな仕事なの?


と聞かれたので、


ITエンジニアの仕事です。
転職するために、就業時間後にプログラミングを勉強していました。

と答えると、


まさか、IT業界に興味があったなんて。想像もつかなかったよ。

と驚いた表情をしていました。  

課長は、少し間を置いてから


突然のことで、ビックリしているけど…もう意志は固いんだよね?

と聞かれたので、


はい、辞めることに後悔はありません。

と答えると、


じゃあ…分かりました。

と答えて頂き、引き止めはありませんでした。
課長は突然の申し出で困惑していましたが、誠実に僕の申し出を聞いてくれました。

ポイント
退職を申し出る場面は、自分の明確な意思を伝える一番重要な場面です。
緊張のせいで言葉に詰まるなどして、説得力に欠ける申し出になってしまうと、そんな様子を見て上司は心配になって引き止めてくるかと思います。
しっかり準備して退職の意志を伝えるようにしましょう。

退職願を作成し上司に提出したが…

上記で作成した退職願ですが、実際にこの書類が所属官庁の長まで決裁が回るわけではありません。

後ほど、人事課から「辞職願」(こちらが正式な届け出になる)を作成して、提出するように指示があります。

こちら側で作成した退職願は、あくまでも意思表示の一つに過ぎないのです。

じゃあ、退職願なんか作る必要ないじゃん。と思うかもしれませんが、口頭だけで退職の意志を伝えるのはなかな難しくないですか?

結果的に説明が長くなってしまい、何がしたいのかをうまく伝えることが出来ず、心配されて引き止めにも遭うかもしれません。

明確な意志を伝えるため、手続きをスムーズに進めるためにも、面倒くさくても退職願は作成する方が良いのではないでしょうか。

支署幹部、同僚に退職の理由を説明


支署幹部に説明

退職する意志を所属の課長に伝えた翌日、支署の幹部に退職の意志を改めて説明することになりました。(当時、僕は地方の出先機関に所属していました。)

絶対に納得させられるような説明をすると心に決め、当日の朝を迎えました。

支署長室に案内され、支署幹部への説明を10分ほど行いました。

  • 辞める理由は人間関係の悩みではないのか

  • いつから転職活動をしていたのか

  • 次の職場の内定はいつ貰ったのか

  • やりたい仕事の内容はなにか

とったことを聞かれ、全てに誠実に答えました。

一連の説明が終わった後に、

ん〜、でも、もう意志は固いんでしょ?

と質問され、僕は、

はい。後悔は有りません!

と答えると、幹部の方々は、

なら分かった。ホントは辞めてほしくないけど、仕方ないね。頑張ってよ!

と快く応援してくれました。

当時のことは今でも鮮明に記憶に残っていて、快く応援の言葉を掛けていただいたことに本当に感謝しています。
転職を決意してから誰にも言っていなかった気持ちがそこで一気に解放され、体がスッと楽になったことを覚えています。

同僚に説明

幹部に説明した翌日には、今働いている職場の同僚に朝ミーティングを行った際に、少し時間を貰い、退職の意志を説明しました。

皆さんかなりビックリされていたのが印象に残っています。しかし、

”そんなの絶対無理だよ”
とか
"公務員を辞めるくらいなのに民間で成功するわけない"

などと言った言葉は受けることはありませんでした。むしろ、

"よく決意したね!"
とか
"そんな決断できるなんて羨ましいよ!"

といった応援の言葉を掛けていただけました。
否定されることも覚悟していたので、ホッとしたのと同時に、残りの期間の仕事を、この人達に迷惑がかからないように全うしよう!という気持ちになりました。

余談なんですが、
「現在の仕事の他に〜」 といった語り出しだったので、
ある同僚の人は、
あ!副業してたんだなこいつ!と一瞬思ったみたいです(笑)

退職願提出編 まとめ

幹部説明をした際に、


もう少し早く言ってくれればなぁ…

と言われたんですが、これは人事異動の兼ね合いもあるので、僕が退職する年末には人員配置が間に合わないことを意味していたのでしょう。

なので、退職をする時期と、退職の意志を申し出るタイミングはある程度考えたほうが良いとは思います。

自分が退職してから人員配置がなければその分の仕事は同僚にしてもらうことになるので、迷惑を掛けたくない。という人は2ヶ月〜3ヶ月前に退職の意志を相談すれば良いと思います。

しかし、そうも言ってられないのが現実ですよね。内定先の入社時期の兼ね合いもあるし、キリの良い時期まで待てない場合がほとんどだと思います。

そうなった時に考えてほしいのが、

現実的には、職場は、自分が居なければ、居ないなりの仕事をする。

ということです。自分自身が一大プロジェクトを率いている場合等を除けば、大体はそうです。

公務員から転職をすると決意したことは並大抵のことではありません。

自分が居なくなった後のことばかりを気にするのではなく、あくまでも今の自分の意志を尊重するようにしてくださいね。

退職手続きで提出した書類

退職する意志を伝えてからは怒涛の日々でした。

書類提出などの作業をしている時に、ふと上司から


まだ相談されて1週間しか経っていないのか。もっと長い時間が過ぎた気がするよ。

と言われたくらい、目まぐるしく日々が過ぎていきました。

ここからは、退職の意向を伝えてから各種書類を提出するまでの話をします。

提出する書類は各機関によって違うかもしれませんが、参考になる点はあるかと思います!

辞職願の提出

先ほど少し触れたのですが、退職願を提出するだけで公務員の退職手続きは始まりません。

正式な届出として、”辞職願”を作成し、決裁を回すように言われます。

辞職願と言っても、人事課がフォームを用意してくれています。

例に習って書けばいいだけで、自分自身の退職理由等は書かなくても良かったので楽に作成することが出来ます。

ですが、この辞職願が所属の長まで決裁が終わってからでないと他の退職手続きをする各担当係からの連絡も来ません。

言ってみれば当然なのですが、

所属の長が「辞職してもいいよ。」とハンコを押す前に、各担当係から退職関係の書類の案内は出来ないのです。

なので真っ先に作成し、提出する書類となります。

在職中に再就職の約束をした場合の届出

国家公務員法第106条の23第1項では、

(任命権者への届出) 第百六条の二十三 職員(退職手当通算予定職員を除く。)は、離職後に営利企業等の地位に就くことを約束した場合には、速やかに、政令で定めるところにより、任命権者に政令で定める事項を届け出なければならない。

e-Gov法令検索 国家公務員法

と規定されています。

速やかって言ってもどのくらいなのか?と言うと、

一般的には内定を貰ってから1週間以内と言われています。

詳しくは、内閣官房のHPのPDFを見てください。

こちらのPDFは丁寧に、図も使って説明されています。

在職中に再就職の約束をした場合の届出は、人事課に提出する書類で、上記の通り国家公務員法で提出が義務付けられている書類です。(提出しなければ罰則もあります。こういった規定が公務員からの転職を億劫にさせている原因でもあるのですが…)

こちらは、僕の場合は退職を申し出た後に、人事課から総務担当者経由で提出を促されました。

1週間に間に合わなければだめなのか。。。(・_・;)

と考える方も居るかも知れませんが、1週間という期間はあくまでも目安です。

実際に提出する際には、人事課がよしなにしてくれますので安心していいと思いますよ。

各担当係の書類を提出

辞職願の所属の長の決裁が終了すると、各担当係から連絡が来て、〇〇○○の書類を作成していつまでに提出してください〜という案内が来ます。

僕の場合だと以下の3つの係から案内が来ました。


給与係


退職手当関係の申請書類を作成しました。併せて、退職手当から住民税を控除するかも決定しました。

注意点なのですが、退職手当から住民税を控除するかどうかは、次の職場の担当者と話して決定したほうが良いです。

実際僕も、今の会社に確認したところ、住民税は退職手当から控除してくださいと案内されたので、確認することをオススメします。


共済係


共済組合を脱退するために退職届を作成しました。
こちらも決まったフォームが用意されています。(一番始めに出した退職願とは何も関係がない書類です。)

あとは団体保険などの解約手続きで提出した書類が何枚かあった感じです。


宿舎担当


当時僕は、公務員宿舎に入居していたので、こちらの案内がありました。

宿舎を担当していた管理人さんと話をして、退去日を決定。

宿舎費の引去りは給与から行っていたので、退職する月の宿舎費は当月分の給与から引去りますと案内がありました。

月の途中での退去になるので、引去りで余分に引き落としされた金額については差額を還付してもらうため、引去り分を還付請求する書類を作成し提出しました。

後は、退去に関する原状回復の確認作業や、諸々の宿舎関係の書類を作成し提出しました。

支給品の返却


書類提出とは違いますが、支給品が合った場合は、こちらも返却の必要があります。

名札や制服など、人によって様々かと思います。


退職手続きで提出した書類 まとめ

公務員を辞めるために特別提出しなければならない書類は、

  • 辞職願

  • 在職中に再就職の約束をした場合の届出

この2点ではないでしょうか。(国家公務員の場合です。)

その他の書類については一般の企業を辞める際にも必要になってくるものだと思います。

どんな書類を提出するのか全く分からないという方も居たかもしれませんが、

こちらの記事で少しでも実際の提出書類を把握することが出来て貰えれば嬉しいです。

約一ヶ月の年休消化

退職関係の書類を提出した後、年休消化をさせていただきました。

ここからは、僕自身の年休消化はどうだったのかを書いていきます。

「退職するから長期に渡って休むのは悪いな…」と考えている方も居るかも知れませんが、僕自身は、やることをきっちりやっていれば堂々と休んで良いと考えています。

年休消化出来ないくらい忙しい職場であれば別ですけど、そんな忙しい時期に退職時期を指定するのはあまり好ましくないですね。

もし退職を考えているなら、少し仕事が落ち着いてからにしましょう。

退職関係の手続きを出来るだけスムーズに行えるように、退職時期は考慮したほうが良いです。

逆に、


退職するまでは休みはもらわずに最後まで仕事したい!!

という考えも素晴らしいと思いますので人それぞれでしょう。

僕自身の年休は日数にして約20日ほどありましたのが、その殆どを消化させていただきました。

あまりにも長い休暇なので、旅行にでも行こうかと考えてもいましたが、そうも言ってられないのが現実です。

次の職場では未経験で採用していただくので、出来るだけ知識を定着させていち早く戦力になれるように休み期間中にも勉強の毎日でした。

次の職場で必要な知識の習得

主に行った学習内容としては、

  • プログラミングスクールで学習した内容の復習

  • 新たな言語を学習するために追加で教材を購入し学習

以上の2点です。

プログラミングスクールで学習した内容は現在の職場でも活用していますので、やはり、得た知識は復習し、定着しておくことが大事だと実感しています。

しかし、プログラミングスクールで学習できる内容は限定的なものなので、あくまでも、IT業界へのさわり程度と考えておくことが良いと思います。

僕がプログラミングスクールで学習した言語とは別の言語を学ぶために教材を購入し、学習に取り組みました。

プログラミングの学習は、ノートパソコン1台あれば何処に居たって出来るので、僕はよくカフェで勉強していました。

引っ越し作業

次の職場が東京の会社のため、当時地方に居た僕は引っ越しすることになりました。

引っ越し作業自体を少しでも楽にするために、不要な物はハードオフなどの買い取り業者にどんどん持って行きました。

また、少しでも費用を安く済ませるために引っ越しの一括見積もりサイトで有名な、引越し侍を利用しました。

一括見積もりサイトは、登録するとそのすぐ1分後くらいには山のような電話で大変なことになりますが、複数会社に見積もりを取ることが出来る(間髪入れず、沢山見積もり依頼の電話がかかってくるから)ので結果的に安く引っ越しを済ますことが出来ました。

僕の場合は、実際に見積もりを取ったのは5社で、

価格差にして、なんと、約15万円の差が出る結果となりました!苦笑

もはや引っ越しは複数の会社に見積もりを取るのは必須かと思います。

その点、引越し侍は簡単に複数の会社に見積もりをすることが可能になりますので使わない手は無いでしょう。

利用するにあたってのアドバイスとしては、

家具の量はきっちりと把握してからサイトに登録するのが良いと思います。

家具の量を把握しないまま引越し業者との電話になると、見積り金額も曖昧な金額になってしまいます。なおかつ、あの家具ってどのくらい有ったっけ?と思い出している間に次の電話が掛かってきます。(都合が悪ければ電話に出れないこともあるとは思いますが。)

僕自身も見積もり依頼の多さにビックリしましたが、約15万円の価格差はかなり嬉しいものでした。

依頼した引っ越し業者さんは、引っ越し作業自体もそつなくこなしてくれて満足しています。利用して良かった。

補足
一括見積もりサイトは、登録完了すると一斉に電話がかかってくるので怖い印象もあるかも知れませんが、実際に電話でお話される担当者の方とは普通にお話できましたよ。


送別会

公務員といえば、、、

「飲み会好き」

みたいなイメージを持たれてる方も居るかも知れませんが、

当時も、ありがたいことに僕が退職(転職)すると聞いて上司や同僚が多くの送別会を開いてくれました。

回数にして、約6回ほどありました笑

中には、どうやって転職することを決めたのかを気になってる方が居て、僕自身の考えをお話した時もありました。


案外公務員から転職を考えている人も居るものなのか。
自分だけだと思ってた。

といったことがこの発信を始めるきっかけの一つにもなりました。


年休消化 まとめ

ここでは、僕自身の年休消化の過ごし方を書きました。

僕の場合は、勉強と送別会の日々でしたが、

せっかくの長期休暇なので、何処かへ長期旅行に出かけるなんていうのも、

次のステージに向けた良い気分転換になると思います。

想い出に残る年休消化が出来ればいいですね!

最終出勤日

約一ヶ月有った年休消化があっという間に過ぎ去り、最後の出勤日を迎えます。

ここからは、僕自身の公務員としての最終出勤日の実際の流れを書いていきます。

辞令交付

辞令交付の時間については、希望の時間を聞かれていたのですが、

上司から聞いたところによると、一般的な定年退職も10時から行うことが通例だそうなので、僕も同じように10時にして頂くようにお願いをしました。

辞令交付の時間までは、何か有ってはいけないと残しておいた自身が使用していたパソコンのデータを全て消したり、事務所に入るのに使っていた入構証や、健康保険証を返却したりして過ごしていました。

そして、10時になると、署長室(当時、僕は地方の出先機関に所属していたので)に入室し、辞令を頂きました。

辞令交付自体は、簡単なもので、すぐに終わります。

辞令を受け取る瞬間は、約5年間働いてきた様々な思い出が蘇ったのと同時に、「これからは、公務員では出来なかったことをドンドンしてやろう!!」

という気持ちになったことを覚えています。

挨拶回り

辞令交付を終えると、同じ事務所で働いている方々へ挨拶回りを行いました。

一緒に働いていた同僚や上司に挨拶をしていく中で、

「頑張れよ!」
といった言葉や、
「応援してるよ!」
などの言葉を多く頂き、

非常にありがたい限りでした。
挨拶回りを終えた時点で、時間は昼前くらいだったと思います。

その日のお昼は、所属部門の課長と一緒に昼食を食べ、僕の公務員人生は終了しました。

当時の課長には、最後の最後まで良くして頂いて、感謝してもしきれません。

まとめ

僕が実際に公務員を退職した時の流れをお話させて頂きました。

公務員の定年退職ではない退職ってどんな感じだろう?と考えている方に少しでも参考になれば嬉しいです。

僕自身は、転職することを選択したので、公務員を退職することになりましたが、今の仕事を続けるかどうかを選択するのはあなた自身です。

公務員になった人は、”定年退職まで勤め上げる!”と考えている人が大半だとは思いますが、

少しでも働き方に疑問を感じた時は、自分自身と向き合ってみる期間を作ってみることをオススメします。

また、このnoteでは、読者の方に転職するかを決断するヒントを少しでも提供できるように情報発信していきますので、よければ他の記事も読んで頂ければ嬉しいです。

最後まで読んでくださりありがとうございました!


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