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デジタル トランスフォーメーションとリディアン クロマチック コンセプト

企業のパフォーマンスを決めるファクターは無限にあると思う。仕方がないので大まかに括ると、能力、プロセス、モチベーションか。人を入れ替えないなら急に能力は変わらない一方、モチベーションは内部外部の状況によって変動し続ける。両方とも簡単ではない。よって残るはやはり難題であるプロセスとなる。

デジタル トランスフォーメーションが謳われてしばらく経つが、ビジネスモデル(既存←→新規) x (アナログ←→デジタル)で捉えてた時に、やはりプロセスが鍵となる。プロセスを変えずにビジネスモデルは変わらない。プロセスのある部分をデジタル化しただけでDXと言ってしまうのは、やはり人が少し楽できるデラックス版なんだろう。

我々の会社でも常にプロセスは議論の対象となる。顧客企業と一緒につくっていく仕事が大半なので、勝手にこれがいいからと決めるわけにもいかないが、この業界の中では長い方なので様々なプロセスを経験してきている。それを考える時にたびたび思い出してしまうのは、ジョージ ラッセルが書いた、リディアン クロマチック コンセプトの冒頭の「河下りに見るジャズの即興スタイルの解説」だ。

そこではコールマン ホーキンスとレスター ヤング、ジョン コルトレーン(マイルスバンド以前)とオーネット コールマンがそれぞれ、各駅停車、急行、ロケット、ロケットとして描かれている。(ロケットが二つでわかりにくいのはどうにかならなかったのか>ラッセル) これをクレイトン クリステンセン流に見ると、Profit Formula, Resources, Processesがまるで異なっていて面白い。つまり別のビジネスモデルである。(余談だがラッセルのコールマンに関する記述など Profit Formulaを語っているように読める。)

デジタル トランスフォーメーションは、プロセスの各駅停車をデジタルに置き換えることではない。急行、できればロケットにすることである。ではどうやってそれを実現するのか。それは、やはり顧客の何を解決しているのか、顧客にどんな意味を提供しているのかを突き詰めて、完璧な体験を実現する統合プロセスの追求ではないか。これはログやアンケートではわからないだろう。

すべての産業で一歩踏み出している競合企業が必ず、そして多数存在する。どうせディスラプトされるなら、自分で自分自身をディスラプトすべきじゃないだろうか。

自分たちを市場から追いやる製品、サービスとは?
いつも自分に問い続けている。

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