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Netflixドキュメンタリー「新型コロナウイルスをダイジェスト」に人類の愚かさと希望を見る

Netflixから早くも新型コロナウイルスに関するドキュメンタリー映像が登場した。題して「新型コロナウイルスをダイジェスト」良質なドキュメンタリーを排出している「〜をダイジェスト」のシリーズだ。26分しかないので、ニュースの1コーナーを見る感覚で身構えることもない。
この記事の内容もネタバレも含んでいるので、出来れば観終わった後に読んでもらえる方が良い。

このCovid-19に至っては、各所でいろいろな情報が流れている。TVなどの報道からこういった個人ブログなどまで様々だ。
でも、無料で見れるモノに関しては、自分ではない誰かが、製作費を出して映像が制作されているという事は歴然とした事実である。報道番組はそういったものに左右されないという事を前提としているが、配慮を感じることは多々ある。
Netflixはサブスクリプションなので、そういったことは無いと言いきれないが、世界に配信することを前提で製作されているので、特にドキュメンタリーに関してはグローバルな視点を貫いているように感じる。

ただ、これだけ連日、新型コロナウイルスに対する情報が流され続けていると大抵のことは知っている情報である。その中でも2019年4月のジャーナリスト、マリン・マッケナと5月のビル・ゲイツに対するインタビューには先見性を感じる。感染症に対する警告を訴えている。こういう人を有識者っていうんでしょうね。
台湾ではオードリー・タンのような有識者が政治の要職に就いている。だからこそ早急な対応が出来る。
日本の有識者会議とかでは、こんな人いるのだろうか?
ニュースを見ると、無防備なマスクを付けてあれだけの人数が実際集まる会議に、そんな優れた人は出席しないと思ってしまう。

このドキュメンタリー番組を観ると、より一層、映画「コンテイジョン(2011)」のリアリティが浮き彫りにされる。この「新型コロナウイルスをダイジェスト」は「コンテイジョン」の副読本みたいな存在だ。この番組が目新しく感じなかったのは「コンテイジョン」を少し前に鑑賞していたからなのは言うまでもない。それくらい「コンテイジョン」の取材力と徹底したリアリズムは説得力がある。

ただ、この「新型コロナウイルスをダイジェスト」の作品としての魅力は、感染抑制のための情報を得るということでは無い。この番組が見つめているのは、また次に来る疫病対策についてだ。
国家は軍事力強化には多大な予算を費やしている。にも関わらず、感染病対策には事前対策にほとんど予算を割いていない。戦争で起こる死者数と変わらないか、それをも上回る犠牲者を出すかも知れないというのに。。。
そして、この番組では新型コロナウイルスの影響で、今でこそ感染症対策に国家予算をという流れになって来ているが、それが長続きしないだろうという事にも釘を刺している。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というヤツだ。

こんな人類の愚かさをも伝えつつも、希望的な言葉で締めくくってくれる。
「勝利は見える、なぜなら人類はウイルスとの闘いに負けたことはないのだから」と、、、

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