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大企業を辞め、ベンチャー転職する若手。中高年がよくわかっていない変化の中身

東洋経済オンラインの記事「平気で大企業を辞め、ベンチャー転職する若手。中高年がよくわかっていない変化の中身」。私自身も肌感で強く感じている内容につきご紹介させて頂きます。

転職人口350万人。終身雇用は既に崩壊しているとも言える数字。

日本における転職者は、1990年代前半には250万人程で推移していましたが、2000年代にかけて増加。2006~2007年には346万人へと急上昇した後、2019年には351万人と過去最多を更新しました。

そして、大企業神話も併せて崩壊。終身雇用・年功序列が前提であれば、社内ローテーションで時間をかけてスキルを磨き、社内人脈をコツコツ築いていくことで人生の後半戦にて、高ポジション・高報酬というご褒美が与えられた。

今や時代が変わり、給料だけが高く、環境変化やデジタル化に対応できないシニア社員はお荷物でしかない。若手に対して偉そうに振舞おうものなら、存在価値がないどころか、害悪となる。

このあたりは、以前、「日本で広がるジョブ型雇用 果たして中高年社員は生き残れるのか?」という記事にまとめていますのでご興味のある方はご一読ください。

要するに社内でポジションを築くことにリソースを割いても、それに対するリターンが得られる保証はないということ。逆に言えば、そこで築いたものが社内でしか通用しないものであったらなら、外部労働市場では価値が認められないというリスクを負うことになる。

今回の東洋経済オンラインの記事では、大企業からベンチャー企業への転職加速の背景を以下の様に解説しています。

ベンチャー企業で働く人の仕事ぶりといった情報がネット上でたくさん見られるようになりました。ベンチャー企業に転職したら、自分の希望で仕事が選べる。新しいことにいくつもチャレンジできる。頑張って成果を出せば、前職をはるかに上回る報酬を得られたーー。こうした成功例が周囲でも見聞きされるようになり、大企業を飛び出すことが怖くなくなってきたのかもしれません。

(中略)

若手人材にとってベンチャー企業への転職はいまや大変魅力的な選択肢となっています。さらに言えば、大企業に数年勤務してから転職することはキャリア上も輝かしいことと考える人が増えています。

併せて、大手企業の人事担当者の苦悩も紹介されています。

ある人気の高い総合商社の人事部に話を聞いたところ、10年前なら離職、ましてやベンチャーへの転職はレアなケース。残った人材からすれば「ついていけなくなったに違いない」「自分とは違う価値観の決断」と捉えていたので、人事部も対策は不要でした。

ところが最近は転職数が大幅に増えており、社内で期待の人材が“胸を張って”辞めていく。残った人材がうらやましい、自分も追随したいと考えるようになってきたので、対策を考えないと人材流出は加速する懸念が出てくると話してくれました。まさにベンチャー企業への転職阻止に向けた対策を考える大企業が増えてきています。

社会的ステータスや将来に対する保証といった大企業に対する魅力が薄れ、責任ある立場や大きな仕事を任されるまで時間がかかるというネガティブ要素が目立ってきます。最後の砦であった給与までベンチャーの方が高いとなると尚更、大企業に留まる意味が見出せません。

先日公開した「ハイエンド会社員の働き方が激変する」にも繋がります。

一方、従来の大企業では配置転換を繰り返す中で異なるスキルが蓄積されたり、海外駐在の機会を得られたりというメリットがありました。それに対し、自ら主体的にキャリア設計をしなければならない厳しい時代とも言えます。特に、大器晩成型人材は「晩成」する機会にすら恵まれない恐れがあります。

それでは、どの様に地力をつけ、キャリア設計をして行けば良いのか?トライバルメディアハウス代表の池田紀之さんが書かれた「自分を育てる働き方ノート」をお薦めします。





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