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米国で若者のテレビ離れは本当に起きているのか?

今朝、「Z世代は短尺動画と同じくらいテレビを見ている」というタイトルの記事が配信されて来た。

ところが、記事を読んでみると、「91%のZ世代がほぼ毎日スマホを使う。66%がほぼ毎日テレビを観る。10人中6人が自室にテレビがあると回答」
と書いてあります。

contrary to popular belief, Gen Zs do watch on traditional TVs, as well as smartphones: 91% report using their smartphones every or almost every day, and 66% report the same about TVs. Six in 10 say they have a TV set in their bedrooms.

出典:Mediapost.com

91%と66%を比べて「同程度」というのも乱暴ですし、設問自体が「観るか、観ないか?」であり、どのくらいの時間観ているのか?には触れていません。

結論も、「Z世代はスマホの画面以外を見ない訳でも、テレビを全く見ない訳でもない。マーケターは、異なるプラットフォームに対し、様々なコンテンツフォーマットでアプローチする必要がある」

“It’s important for marketers to keep in mind that media consumption among Gen Z is not about absolutes. It’s not true that they ‘never’ watch long-form TV content, that they ‘never’ use a screen other than their phones, or that they ‘never’ watch live TV. Understanding that there are nuances of Gen Z’s media habits gives marketers and media brands the opportunity to increase engagement and create unique experiences for this generation of digital natives across multiple platforms and through a variety of formats.

出典:Mediapost.com

もちろん、結論には異論ありませんが、相当、結論ありきの文章であるなと思った次第です。

恐らく、この手の議論で大切なのが、「テレビとは何か?」という点。テレビという機材(ハード)の話をしているのか、テレビ放送(地上波)というソフトの話をしているのか。

米国の場合、地上波とケーブルテレビが共存する時代が長く続き、その後、ストリーミングサービスとスマートテレビの普及で、従来のテレビという機材で視聴することのできるオプションが、一気に拡大しました。

2020年9月に私が渡米し、前任者から譲り受けたテレビは、リモコン1つで地上波、Netflix、YouTube等が視聴可能。更に言うと、音声入力も可能で、「NBC」「ABC」「Netflix」とリモコンに語り掛ければ、画面が切り替わります。(私の発音が悪く、切り替わらないことはありますが:笑)

視聴者からすると、「テレビ」か「ネット」かという意識はなく、自分の前にテレビがあれば、テレビという箱を使って、観たいものを観る。そこには、地上波もケーブルもストリーミングも共存しています。

結局、テレビであるかどうかにこだわっているのは、放送事業者サイド。地上波はスポンサーからの広告収入で成り立っているので、広告付きの地上波放送を観てもらわないと困るという事情。

では、放送事業者は、どの様に対応していくのか?

NBC Peacockの様に、自らネット放送に進出し、収益化を図るというのが1つの解決策。

もうひとつは、今、Netflixで話題の「金魚妻」の様に、フジテレビの番組制作ノウハウを活かして、ストリーミング配信業者(Netflix)と共同制作を行い、収益を分配するという方法。

スポンサーは、従来の様なスポット広告を入れられなくなるので、プロダクトプレースメント(作品の中で商品を登場させる形での広告)という形に移行していく。

金魚妻でも、屋上で花火を見上げながら、さくら(篠原涼子)とはると(岩田剛典)が金麦を飲むシーンが印象的で、金麦が飲みたくなりました。

今回は、「テレビ離れとは?」というテーマを掘り下げてみましたというお話でした。


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