クリエイターエコノミー勉強会 Off Topic創業者 宮武徹郎氏が解説
インターネットの普及で、誰でも自らのコンテンツを発信できる様になった。YouTubeのレベニューシェアモデルでマネタイズも可能となった。多くのフォロワーを抱えるクリエイターは、インフルエンサーとして起用され、稼ぐという道も拓かれた。
そして、「クリエイターエコノミー」の時代が到来。メディアやプラットフォームに自らのコンテンツを掲載して、広告収入(レベニューシェア)を得ることに留まらず、フォロワーと直接繋がり、マネタイズすることも可能に。
そう、制作物というコンテンツが金を生み出すのではなく、制作者であるクリエイターが直接、支持者(ファン、フォロワー)と繋がりマネタイズを行う。という新しい経済圏が生まれつつある。
今回、「クリエイターエコノミー勉強会」と称して、米国や世界のクリエイター及びビジネスモデルに精通した、宮武徹郎さん(Off Topic 創業者)が、
徳力基彦さん(NOTEプロデューサー)司会進行の下、解説をしてくださいました。
宮武さんが運営されているOff Topic(オフトピック)は、米国を中心に最新テックニュースやスタートアップ、ビジネス情報やカルチャーまで、ゆるく深堀りしながら解説するポッドキャスト番組。
「クリエイターエコノミー勉強会」の中で、印象に残ったのが、以下の3点。
1.米国でクリエイター向けファンドが充実するに至った経緯
2.クリエイターエコノミーを象徴するMr. Beastの事例
3.クリエイターエコノミーをサポートする新サービスの紹介
各項目に関し、ポイントを紹介させて頂きます。
1.クリエイター向けファンドが充実するに至った経緯
2020年の米大統領選挙の終盤戦。トランプ元大統領が、個人情報や機密情報を吸い上げ中国政府に協力しているという「疑義」を名目に、TikTokを禁止しようとした。
これ、ちょうど私が渡米した頃でよく覚えています。当時、オラクルとウォルマートに米国事業を譲渡するという話になっていて、「なぜこの2社??」と不思議に思っていました。
TikTokが米国で禁止される、あるいは事業譲渡により凋落してしまうかもという危機感を抱き、TikTokクリエイター達が一斉にプラットフォームの多角化に乗り出した。同じネタをYouTubeやインスタグラムにも投稿することで、リスクの分散を図った。
その結果、従来はプラットフォーム毎に固定化されたコンテンツを楽しんでいた視聴者が、その発信者であるクリエイターを直接フォローする動きが加速した。TikTok、インスタグラム、スナップチャット等々、プラットフォームを縦断する形で。
これを受け、有能なクリエイターを囲い込むべく、プラットフォーム間での競争が激化した。魅力的な「クリエイター育成ファンド」を提供し、自らのプラットフォームへの有力コンテンツ投稿を促した。
私も、「スナップチャットがクリエイター育成ファンドとして、毎日1億円(1百万ドル)を提供」という様な記事を目にする度に、米国はクリエイターを尊重する文化なのだと思っていました。今回、宮武さんのお話を伺って、すごく腹落ちしました。
2.クリエイターエコノミーを象徴するMr. Beastの事例
Mr. Beast の話は、以前、こちらの記事を読んで衝撃を受けました。
このイカゲーム完全再現版とか、スケールが違います。
ここまでであれば、トップ YouTuber の成功物語。私が一番感銘を受けたのが、動画制作に留まらず、物販も積極展開し、事業家として成功しつつあるという話。
Tシャツをネットで売るという話ではなく、「Mr. Beast バーガー」というハンバーガー事業に進出。それも、いきなり300店舗で売り出すと言うスケールで。
ハンバーガーだけでなく、チョコレートバーの販売も始めたと宮武さんから紹介がありました。
3.クリエイターエコノミーをサポートする新サービス
期待広告収益を現在価値に割引き、クリエイターの過去動画をまとめて購入するSpotterというサービスの紹介がありました。
アップフロント(即金)でファイナンスすることで、クリエイターは資金を得て、より質の高い動画制作が可能となる。
Mr. Beast も広告やタイアップで得た収入の大半を、動画(コンテンツ)制作に再投資することで、ファンベースを拡大していったことを考えると、今後のエコシステムの発展に寄与するのではと思います。
如何でしたでしょうか?
日本でも、今後、クリエイター育成のエコシステムが確立していくのではと期待します。
下記、クリエイターエコノミーを後押しするWeb3に関して書いた記事も併せてお読み頂けると嬉しいです。
いつもお読み頂きありがとうございます。サポート励みになります。皆さまとの交流をどんどん広げていければと思います。