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私がネットワークビジネス(マルチ商法)に関わってしまったきっかけ

初めまして。
マルチ商法に7〜8年間を捧げ、マルチ商法優先の生活を続けてきました。
閉鎖的な洗脳教育に違和感を感じ、マルチ商法を辞め、起業し、会社経営をしております。

私が「マルチ商法」に関わってしまったきっかけを少しお話ししたいと思います。既にマルチ会員になってしまった方、マルチに勧誘をされてお悩みの方、友人がマルチを始めてしまって困っている方、こういった方々の判断材料となれば幸いです。


勧誘は突然に…

ブラック企業の営業をやっている時に、大学の同級生から、副業提案の電話が来る。詳細はよく分からない。ネット系副業だと勘違いして認識していた。
渋谷に呼び出される。幼なじみのキャッチ会社をやっている同い年の人が説明をするという。私は下北での用事を済ませ、カフェへと向かった。

カフェに着くと…

同い年の少しチャラそうな方が座っていた。ビジネスの話というから、スーツ姿を想像していたが、かなりカジュアルな出で立ちだった。
まだ出来たばかりの会社だが、社長は元々大手を経営していた経験があるから、大成功できるチャンスだと、眼の前の男はプレゼンしてくる。健康食品を扱ってビジネス展開する話だと、その時理解した。ネットは使わないのか。
100万円以上稼げるという話を絵空事のように聞いていた。本業で初契約を上げた月ということもあって、今の仕事以上にパッと入らないとやらないと断った。


折角断ったのに…

精神的に追い込まれ、ブラック企業を辞めることになった。転職に必要な履歴書を作成するためにカフェで作業していた。作業の息抜きに、当時貸してもらっていた「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだ。
後々考えればこれが良くなかった。精神的に追い込まれていたこともあり、勧誘された時の絵空事が『もしかしたら現実にできるかもしれない』『権利収入になるかもしれない』と勘違いしてしまった。転職活動そっちのけで、ロバキヨの本に熱中するようになった。
そこから先の行動は早い。本を読み終え、私を勧誘してきた同級生に連絡を取り、「もう一度話を聞かせてくれ」と頼んだ。当時プレゼンした男を繋いでもらい、渋谷のカラオケボックスでサインした。

リーダーへ会いに…

登録の翌日、早速【リーダー】と呼ばれる人へ会いに品川プリンスホテルの一室に呼ばれる。道中に、著名な経営者の繋がりや自由に生きる姿に感銘を覚えたというストーリーを聞かせられる。当初買う予定ではなかった水素水も、サプリと一緒に買うことになった。
【リーダー】は、元々主婦で、専業でやったことで大手マルチ会社で成功し、今は付き合いでやっているという話を受けた。数日後、リストアップや一通りの仕事の手法を学ぶ。当時は初めてのビジネスという感覚に心躍り、自分の知り合いに一気に声がけをすることになる。


やる気スイッチオン…

早く契約を上げた方が良さそうと直感的に思っていたこともあり、他県の友達の家へ行った。個人的な熱意のみで、不慣れなMLMのプレゼンを行い、サインを取ることができた。今でも、友人はそのマルチを続けているが、沢山の時間を奪ってしまい申し訳ないと思っている。
ロケットスタートのごとく、声がけを行った。ブラック会社の営業で断られているのには慣れていたため、ABCを断られるのはさほど気にしてはなかった。数の原理とはよく言ったもので、ABCはそれなりに組むことができた。現場を重ねるまでは現実を見てはいなかったのだろう。

どんどんジリ貧に…

後々発覚するのだが、プレゼンを担当する人がそこまでプロではなかったということもあり、数人は成約に至ったが、専業にできるには程遠い状況となった。もちろんそれで生活できるわけもなく、派遣のバイトで食いつなぐ日々が続いた。
東京の声がけリストが枯渇してきそうなら、マッチングアプリを開き、リストを増やす。成約率が上がらないから、地元へ遠征。地元でも数人成約をいただいた。少ないながらも仲間ができた実感はあったが、そんなに甘いものであるワケがなかった。


焼け野原状態に…

直接紹介はできたが、1番最初に誘った友だち以外、声がけがうまく行かないのである。正直高校を除くと、小中・大学の仲良い人脈はほとんど焼け野原状態になってしまっていたため、自分の感覚もマヒしていた。コピービジネスと学んでいたため、皆が自分のように、スタートを切れると勘違いしていた。
遠征、お茶代、製品代、その他活動費がかなり負担となってきていた。住んでいたアパートの支払いも厳しくなり、渋谷のマルチ仲間の家(1K)に3人暮らしをすることになった。空いた時間は勧誘活動、それ以外はバイト、ビジネスを始める前より貧困になってくるのである。

感覚マヒになってくる…

しばらくルームシェアを続けていたが、友人としての関係値維持にも支障をきたす原因となることもあり、目黒の1Kに引っ越す。相変わらずリスト構築→アプローチの日々。描いた目標と真逆の位置にいることすら、日々を過ごすことに慣れ、月日が経つのも気にならなくなっていた。
悪い意味でも、「他責思考は良くない」、「MLMすら成功できない人は社会的に成功することはない」と刷り込まれていたため、自発的に逃れられない環境に身を置いていた。 小売店からITメーカーに転職するも、自発的に入れる時間を制限し、正社員になることすら、自ら拒んでいた。


相談できる先もない…

しばらく親とも連絡をまともに取れず、社会人として、誇れる状態でないことに憤りを感じていた。これも自分の能力不足、全て自分の責任、これ以外の選択肢はない。視野をドンドン狭めていく。
真面目な世間知らずほど、MLMにハマる。陰キャではなかったのも含めて、根拠のない自信もあったから、どこか活路を見い出せると勘違いをしていた。 そこに、自分が紹介した若手経営者から、IT企業に勤めていた経験を買われ、業務委託として働けないか打診が来たのである。

やっと辞めれる…

やっとMLMに限界を感じ、辞めることをリーダーに伝える。 しばらくそのIT企業で働くことになるが、結局その若手経営者も人格破綻者、給与未払いを起こすキチガイということが発覚し、強制的に辞めることになる。
しかし、そのキチガイ社長の会社を辞めたことで、事態は好転する。同僚と会社を立ち上げ、役員と従業員が普通に暮らせる土台を作ることができた。何にせよ、マルチ商法からの脱却を図ることで、まともな社会生活を送れることになった。

最後に

昨今のニュースにも出ている通り、マルチ商法は、お金を奪い、時間を奪い、メンタルを削り、人によっては犯罪者となり、命を落とすor 落とさせる危険を孕んでいる。私のような悪い事例を生み出さないためにも、早い段階から、気付いていってほしい。


《もしご相談がありましたら、Twitter DMまで》



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