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【書評】「夫婦1年目のお金の教科書」

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本を書くとは

本を書く力を「文を書く力」と思いがちだ

本当は「情報を集める力」なのである。

では、どのくらいの情報を集めるのか。

このことについては日本では私が一番よく知っていると確信できる。

それくらいのレベルである。

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例えば、芥川賞作家である津村節子。

実在の人物を書くときは、歴史的事実を克明に調べ、正確に記した。

佐渡の金山を舞台に書いた「海鳴」。

金山のことなら何を聞かれてもよいほど調査した。

その上で、江戸の治安を乱すという理由から浮浪者をとらえ、罪なくして島送りにして、地底の湧水を24時間ぶっ通しくみ上げる作業に使役した水替無宿たちを書いた。

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お金の歴史


前7~6世紀頃に現在のトルコ西部を支配したリュディア王国の遺跡から、エレクトラム(金と銀の合金)の粒が90個以上出土している。

刻印が押され、重量が一定の法則を持っており、これが西での最初期のコインとされている。

前5世紀半ばのギリシアの歴史家ヘロドトスは

「リュディア人は金銀の貨幣を作り使用した最初の民族である」と記している。

戦争で軍を率いる際、飯を食わせる。

兵隊に飯を食わせるのに必要な物は何か?

「お金」だ。

資金力の豊富な国が、多くの兵を雇い侵略を繰り返してきた。

お金(経済)の力で文明が興り、

お金(経済)の力で文明が滅びてきた。

人間の歴史をだとすると、

そのにはお金の歴史がある。

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お金に無知な日本人

「源泉徴収」

1799年イギリスがナポレオン戦争の戦費調達の為に、貴族を対象に創設。

源泉徴収を国民に当てはめ、復興を実現したのがドイツのヒトラー。

影響を受け、日本でも1940年に導入。

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自分の払っている税金の額も知らない。

お金の話は良くないこと。

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こんな日本人が山ほどいる。

調べ尽くされた一冊

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「夫婦1年目がよくモメるテーマ」を基に、お金で困らない方法が紹介されている。

例えば

「お金を貯めるなら財布は一緒? 別々?」

これに対する答えが面白く、吹き出してしまった。

「〇割オープンにして、〇割を隠す。」

さっそくやってみる。

「きっちり」より「ざっくり」

ざっくりと家計にかかるお金を「見える化」する方法が紹介されている。

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収入を増やし

支出を減らす

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裕福への黄金律だが、なかなか実行できない。

「夫婦のお金編」

「家族の住まい編」

「貯金・投資編」

「老後の備え編」

4章42項目に分けて書かれてある。


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でも、実は「ざっくり」ではない

本を書く力は「情報を集める力」に加えて

「翻訳する力」が挙げられる。

調べたことを、いかに分かりやすく「翻訳」することができるか。

調べたこと・知っていることを、そのまま書いても伝わらない。

自己満足の文章

は安っぽい情報商材と同じレベルだ。

一行が気になった。

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「本書は2020年2月時点で著者が知りうる情報を基に作成しております」

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「きっちり」と調べたうえで、分かりやすく「ざっくり」書かれている。

だから、分かりやすいのだ。

この本は、子どもにも読ませておきたい。





【今日の格言とツッコミ】

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◇格言

・生きるという事は考えるという事である。

by:キケロ

◆ツッコミ

・俺、ボーっとしてる方が良いけどなあ。



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