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生ハムとメロン

リタイア生活を株式投資で楽しむモト3の妄想エッセイ

フランスで働いていた頃、同僚とレストランで食事をする機会があった。そのレストランは有名な星付きレストランのセカンド店で、リーズナブルな値段で人気があった。

そこで私が前菜に選んだのが「生ハムとメロン」と言うメニューだった。その味の記憶は、とびきり美味しいというものではなかった。印象に残ったのは、なんと簡単な料理なんだということの方だった。

切ったメロンに生ハムを載せただけではないか。レシピを調べる必要もない。これならレストランへ食べに行かなくても自分でも作れると思った。

それ以来、週末にマルシェへ行った時にメロンを買うようになった。スーパーでいろいろな種類の生ハムを買ってきて試してみた。

3€のメロンより、6€のメロンの方が美味しい確率が高い。そして、十分に熟した頃に食べることが更に重要だということも分かった。熟した甘さがこのメニューの一方の肝のような気がする。

生ハムは、スペイン産、フランス産、イタリア産と種類が多く、私には違いが分からない。食べ比べてみて値段が少し高めのパルマの生ハムに落ち着いた。高い方が美味しいのだろうという先入観に負けてしまった。

たまに来客があると、前菜に生ハムとメロンを出すことがある。準備する側としては簡単だから。そして簡単だけど美味しいものがあるよ、と自慢したいから。

日本に帰ってからもメロンの季節になると懐かしく思う。何気なく買ってきたメロンを生ハムと共に食べてみるが、なにかちょっと違う。

最近になってやっと気がついたことだが、日本では青肉メロンが多い。生ハムには青肉メロンより赤肉メロンの方が良く似合う、と思うのは私のフランスかぶれのせいだろうか、、
<了>



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