眠るJK、鎌倉の風にのって。
たまらなく好きな時間、
でももう味わうことはできない時間について書きたいと思います。
突然ですが、私が通っていた高校はまわりを山に囲まれた、自然豊かな鎌倉の地にありました。
(調べてみるとまぁまぁ頭良いのね〜!って思う人もいるかもですが、私はここに猛勉強して合格し、入学後は底辺のような成績だったので残念ながら。。)
そこの教室内で昼休みや授業が終わって部活が始まるまでの時間、机に突っ伏し、
机と上半身が溶接されているかのようになりながら眠る時間が私はとても好きでした。
学校のまわりがほぼ森なので聞こえてくるのは
木が揺れる音
さわさわ〜ざわざわ〜🌳🌿
鳥の鳴く声
ほ〜ほけきょっ🕊
そしてたまに遠くから響いてくる生徒の声 👨🏫
これが本当にたまらなく良くて。
目をつぶったその瞬間、
静かな森の中へと吸い込まれそうになります。
脚がガタガタする椅子に、抜け殻のようになった私の身体だけが残り
意識は鎌倉の風にのせられて遠く遠くへとんでいきます。
ふっふっわっわっ
すーーんっ…。。。
眠りに落ちていく度、
鎌倉という地の素晴らしさは人で賑わう観光名所ではなく、この静かな教室の中にあるのだと確信していました。
🍃
でもそんな豊かな時間も永遠ではありません。
卒業の時、もうこの教室で寝ることはできないんだと思うとどうしようもなく寂しかったのを覚えています。
卒業後、私は都内の専門学校に進学したのですが窓から風は入らないわ、ガヤガヤずっとうるさいわでとにかく昼休みの「寝心地」が悪すぎて
あぁ鎌倉の森に帰りたいよう!!!と本気で思いました。
それくらい高校の「寝心地の良さ」は素晴らしいものでした。
思い返せば私の高校生活は部活一色。
1年生の4月に入部し、3年生の6月に引退するまで毎日部活。
ずっと演じて歌って踊っていました。
その経験はとても貴重で素敵な時間でしたが、濃すぎたからかなんなのか、正直あまり覚えていません。
もったいないと思います。
でもこの教室でのうたたね(たまにガチ寝)の心地よさがあったおかげで「高校生だった私」はちゃんと記憶の中に生きています。
将来何をしたいのか分からなく、
部活一筋だったためクラスで特別仲の良い子もいない、勉強は諦めていたし、歳上好きな私は学校内の男子にときめかない為恋愛もない。
じゃあ部活では活躍していたか、と言われると正直そうでもなく…。
そんな高校生でした。
そんな高校生だったけど、
いつも教室の外から聞こえる風と音は穏やかで
窓から見える夕焼けはとても綺麗でした。
どんなに冴えない生徒にも
綺麗な景色が教室から見えれば、青春はやってくる。
学校の後ろが森で
窓からは爽やかな風が入ってきて
鎌倉の静かな地で眠ることができて本当に良かったなと思います。(学校は寝る場所ではない)
もうあの教室には入ることはないけれど
鎌倉の風にのって眠った時間はずっとずっと
とっておきの宝物です。
眠るJK、鎌倉の風にのって。
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