「頭が悪いから、風俗でしか働けないんですよ」
「俺、中卒だし、小学校もほとんど通ってなかったし、そもそも頭が悪いから。
だからウリセン(ゲイ風俗)でしか働けないんですよ」
そんな風に自虐したのは、26歳のゲイの青年でした。
◆
今回はあたいが去年の夏ごろに、ゲイバーで出会った男の子の話をしますわ。
彼の名前はユキ(仮名)
26歳のゲイで、愛想がいい子だった。
髪型もお化粧も今どきな感じで、あとブランド名の主張が強めなファッションを纏っていて、きらびやかだった。
ちなみにあたいは全身ユニクロだった。もはやユニクロの回し者ですわ。
その時は、行きつけのゲイバーであたいの隣で彼がたまたま飲んでいた(そして酔っ払っていた)のだけど、どうやらあたいが経験者ならではの業界トークを元ゲイ風俗ボーイの店子(ゲイバー従業員)としていたのが聞こえたようで、それで声をかけてくれたのだった。
まず彼の一言目は、
「え、お二人はどこのお店で働いてたんですか?」
だった。
《ゲイ風俗で働いていたことへの興味関心》ではなく《どこの店舗か》を重視する聞き方に、あたいは確信を持って、
「そういう質問をするってことは、君も働いたことあるの?」
と問い返した。
すると彼は臆することなく「はい。ていうか現役です」と答えた。
彼は、現役のウリセンボーイだった。
それから彼と店子を交えて、三人で飲みながら少し声を落として話すことにした。
ここから先は
5,994字
天然温泉旅館「もちぎの湯」
¥560 / 月
ここはあなたの宿であり、別荘であり、療養地。 あたいが毎月4本以上の文章を温泉のようにドバドバと湧かせて、かけながす。 内容はさまざまな思…
今ならあたいの投げキッス付きよ👄