4月1日放送 現代社会 第一回「現代社会」を学ぶ意味

という訳で、早速4月1日から現代社会の講義が始まりました。放送時間は午後7:50~8:10です。

日本社会の中で、月曜日の夜8時前後にラジオの電源をつけてNHK第2を聴く習慣がある人に、私は一度も出会った事がありませんし、恐らく世間の大多数の方がそうだと思います。

そういうラジオ番組がそんな社会状況の中、「現代社会」を学ぶ意味を問うている・・・そのこと自体に私はこの番組のロック的なイズムを感じてしまいました。

しかし、高校講座さんもネット社会には順応してます。たとえリアルタイムでの聴取が出来なくとも放送終了後の番組内容はホームページから聴取が可能です。

若干緊張の面持ちで再生ボタンをクリックすると、「NHK高校講座 現代社会」という女性のタイトルコールと共に、いかにもNHKの教育番組だというジングルが鳴り始めます。

(ちなみに2019年度は、2018年度の再放送となります。NHK高校講座あるあるですが、基本2年おきに内容がリニューアルされます。既に2018年度分は放送終了となってるので、本年度分に関してはその気になれば数日で一年分講義内容が聴取できる形となっております)

かく言う私も、ネット配信を利用して第一回は聴取しました。もし時間に余裕があればリアルタイム聴取したいものです。

既出の通り、この回は「現代社会を学ぶ意味」を語る内容です。この日の講師は大西麗先生。大妻中野中学校・高等学校教諭の肩書をもつ女性教諭の方です。喋りが非常に滑らかで、名前に違わずとても麗しい声をお持ちの先生です。

現代社会では、毎回「高校講座を聴いている皆さんと同じ世代の方」がスタジオに来て、講師の方との対話形式で講義が展開される模様です。

「高校講座を聞いている皆さんと同じ世代の方」・・・非常に輪郭のぼんやりとした表現だという疑問を飲み込んで聴いていると、この回の「高校講座を聞いている皆さんと同じ世代の方」が大西先生より紹介されます。

今回はオオトモサトシ君という男性の方でした。最初に述べると、この放送回で、オオトモ君が何者か語られることは一切ありませんでした。

これは芸人の職業病かもしれませんが、番組内では語られない「裏設定」に関する疑問が、私の中では次々に浮かんできました。。。

・「オオトモサトシ」は漢字でどう書くのか?(これはホームページ内にも記載がありませんでした)

・オオトモ君はどうやって、「高校講座を聞いている皆さんと同じ世代の方」に選ばれたのか?何かのオーデイションがあったのか?それとも局にコネがあったのか?

・上記のことを一切飛び越えて、オオトモ君と大西先生が普通に会話をし始めるが、両者の関係性は一体何なのか?

その辺りがあまりに投げっぱなしになっているので、番組開始数分で早速私は「NHK高校講座 現代社会」という番組に心を持って行かれました。最早ミステリーです。

更にこのオオトモ君、恐ろしいほど大人の空気が読めるのです。彼は番組始まってすぐにその真価をすぐに発揮します。

大西先生が冒頭で「『ファストファッション』という言葉からどんなイメージを抱きますか?」とオオトモ君に質問します。

「ファストファッション」とは、最新の流行を取り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその形態のことです。ユニクロやGUP、H&MにGUなどがその代表でしょう。

初学者にとってはなかなか難しい質問ですが、オオトモ君は間髪入れず、

「安くておしゃれなファッションブランドをイメージします。お店には常に新しいデザインの洋服が並んでいるし、手ごろな値段なので、僕も時々利用しています。」

と一切の言い淀み無く答えています。

しかも「今は現代社会の講義なのに、どうしてファストファッションの話をしているのか?」と大西先生をチクりと皮肉る余裕まであります。

しかし大西先生も気に掛けることなく質問に答えます。大量生産に伴う大量廃棄の問題、資本主義に伴う格差の問題などに繋がるからファストファッションを考えることは現代社会を考えることに繋がるということを力説します。

あまりに滑らかな大西先生とオオトモ君のやり取り・・・ジャズセッションのようにすら思われました。

オオトモ君が「高校講座を聞いている皆さんと同じ世代の方」を代表しているならば、オオトモ君はとても早熟な能力の高い若者だと思われます。

そんなファストファッションのもたらす構造は誰かを得させ誰かを損させていることにもつながっているから、ファストファッションの問題を考えることは「社会正義」について考えることに繋がるという大西先生の説明がありました。そんな言葉で心を揺さぶられていると、最後に現代社会を担当する講師陣が紹介されました。

私も政治哲学にほんの少し触れていたので、杉田敦先生などはこのジャンルのスペシャリストであることは知ってます。この布陣で番組を構成できるのはさすがNHKという印象です。

今回はイントロダクションでしたが、来週の放送から具体的な講義に入っていきます。来週が待ち遠しいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?