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VOL.13 「子どもの学力は親の学歴&年収で決まる」の“まやかし”子どものやる気を育むのは、親の態度

今回は非認知能力についてです。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、今世界的に注目され始めている言葉なので押さえておきたい言葉の一つです。

非認知能力とは、「忍耐力」「意欲」「協調性」「粘り強さ」「目標への情熱」などといった、数値で測ることができない能力のことです。

これまでは、学力やIQなど、数値で測ることのできる認知能力ばかりが注目されてきましたが、さまざまな研究で非認知能力を高めることが認知能力を高めることにつながるということがわかってきています。

考えてみれば、自分から勉強をしようという意欲や、わからない時でもなげださずに考え抜く粘り強さがあれば、おのずと学力もあがりそうです。

しかし、「うちの子はやる気がなくて、自分から勉強しなくて困る」というのは、多かれ少なかれ、どの家庭にもある悩みではないでしょうか?

いったいどうすれば子ども自身の意欲や目標への情熱といった非認知能力を高めることができるのでしょう?

そのヒントとして、学力の高い子どもの親がやっていることを示す調査研究があります。それは、全国の小・中学生が受ける「全国学力テスト」に合わせて行われている「保護者に対するアンケート調査」の結果をお茶の水女子大学がまとめたもので、2017年度は、テストを受けた小6と中3の保護者から無作為に抽出された12万人を対象に実施されました。

この調査では、親の年収や学歴、子どもとの接触時間と学力の相関もみていて、一部の報道で『子どもの学力は「母親の学歴」で決まる…?』といった見出しが話題になり、子育て中の親に衝撃を与えました。

しかし、この調査研究をよく読むと、親の所得や学歴が低くても学力の高い子どもが一定数いて、必ずしも親の所得や学歴だけが子どもの学力を決める要素ではないことがわかります。

しかも、親の所得や学歴が相対的に低い場合でも、「非認知スキル」を高めることができれば、学力を一定程度押し上げる可能性があると論じています。

この調査研究では、非認知能力を高める親の関わりとして、

「毎日子供に朝食を食べさせている」「子供のよいところをほめる等して自信を持たせるようにしている」「子供に努力することの大切さを伝えている」「子供に最後までやり抜くことの大切さを伝えている」「地域社会等でのボランティア活動等に参加するよう子供に促している」の5項目があがっています。

つまり、親の所得や学歴が高いから子どもの学力が高くなるのではなく、子どもの生活環境を整え、子どもとよく話をし、知的好奇心を刺激するような働きかけをすることが、非認知能力を高め、結果的に子どもの学力にも影響を与えているのです。

今執筆中の本でも、非認知能力を高める具体的な親の関わり方いついてまとめていますので、どうぞお楽しみに!

この調査研究では、他にも子どもの学力が高い家庭の傾向や、父親の帰宅時間と学力の関係など興味深いデータが紹介されていますので、読んでみてはいかがでしょうか?

私のコラムでも取り上げていますので、ぜひお読みください。

ビジネスジャーナル 中曽根陽子の教育最前線

「子どもの学力は親の学歴&年収で決まる」の“まやかし”…非認知能力と学力に相関関係

https://biz-journal.jp/2019/01/post_26201.html

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