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vol.21テクノロジーは教育をどう変えたのか 主体的に学ぶ生徒が増えたワケ


皆さんこんにちは 中曽根陽子です。

 昨年取材した、北鎌倉女子学園の記事が、ダイヤモンド・オンラインでも掲載されました。
 その中でも触れたのですが、テクノロジーを学校に導入したことのメリットは、先生・生徒双方にあるようです。
 なにより一番の変化は、生徒が主体的に学ぶようになったことと、先生の役割が大きく変わったことでした。
 テクノロジーを使うとデータの共有や制作物の共有が非常に簡単にできます。調べ学習もグループ活動もクラウド上の同じ情報やスライドにアクセスして同時に作業ができますし、出来上がったものを他のグループと共有するのも配信するのも簡単です。
 授業中に生徒がプレゼンテーションをする機会も増えたので、そのために必要な資料を、生徒達が、自分達で作るようになりました。また、グループで一つのプレゼンを作ることも多いため、生徒同士が自分の意見を述べ合う機会も多くなりました。そうした時間を通して、自分たちが授業を作っているという意識を持つようになり、自然に主体的に学ぶようになったのです。
 生徒が主体的に学ぶようになれば、先生は教えるのではなく、ファシリテートしたりコーチしたりといった役割をすることになります。また、テクノロジーの活用で校務の負担も大幅に改善され、空いた時間を授業準備に充てることができるようになり、授業が充実しました。テクノロジーというツールが、良い循環を作り出しているのです。
 その結果、この学校では、昨年11月にとったアンケートで、学校が楽しいと感じている生徒が、学校全体では89%にのぼるという結果もでたそうです。
 学校側は、「学校生活を肯定的に捉えている生徒が多いのもテクノロジーを教育に取り入れている改革の影響だと感じている」とコメントしていましたが、つまり、テクノロジーを活用して、一人ひとりの可能性を引き出せたからこそ、成功したのだと思います。
 春からは、公教育でもテクノロジーの活用が始まります。しかし「誰のため・なんのため」を忘れて方法論にばかりに走ってしまうと、先生や生徒の負担になるだけです。
 今月20日のマザークエストのイベントで専門家から話を聞くフィンランドは、かつてPISAの学力テストで世界一になり、教育現場へのテクノロジーの導入は進んでいます。しかし、今、テストで測れる学力より、心のEQを育む教育を重要視しているそうです。これは世界の先進国の流れでもあります。なぜそうなのか・・・そこを聞きたいと思っています。
次はその話を書きますね。 

ダイヤモンド・オンライン
鎌倉の保守的な女子校が、わずか10校の「アップル認定校」に生まれ変わった理由
https://diamond.jp/articles/-/260906

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