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誰ひとり取り残さない「学び合い」の授業で勉強が楽しくなる

こんにちは
中曽根陽子です。
 
さて、一昨日から1泊で大阪に行ってきました。
 
目的は人に会うこと、そして、取材でした。
久しぶりの方に会って、充実した2日間を過ごせて、自分自身かなりエネルギーをもらえた旅だったのですが、取材もとても良かったので公式の記事にする前に、こちらで紹介しますね。
 
今回の取材先は、大阪市立大隈西小学校
以前東洋経済オンラインの連載に書いたこちらの記事を読んだ校長先生から、「ぜひうちの学校の様子を見にきて欲しい」というご連絡をいただいていて、ようやく実現したのでした。
 
記事は
理想の授業ができない、先生の心を折る「日本の教育」の悲しすぎる現実
自由度が低い、横並び意識が強い学校の弊害
 
というもので、
楽しくはないが、できるようになることが優先される日本の教育の実態について書きました。
 
多くの先生が理想を持って教師になり、現場に立たれていると思いますが、授業以外のことに時間を取られ、保護者や上からのクレームにさらされ、疲弊していく様子を聞いて、私も心を痛めたのですが、その記事を読んだ大隈西小学校の原校長先生が、「記事にあるのと同じ課題意識を持ちながら、自ら全国の学校をまわって研究をし、理想の授業を探究し実践し続けてきて、一つの解にたどり着いた」とご連絡をくださったのです。
 
それが「学び合い」です。
ご存知かもしれませんが、2020年から施行された学習指導要領では、「主体的・対話的・深い学び」が謳われています。
 
先生が一方的に正解を教える授業ではなく、生徒自身が課題を見つけて考え、さらにお互いに意見を出し合って、課題解決に向けた共同作業を進める学びです。
まさに学び合いですね。
 
そんな授業を学習指導要領が改定される前から試行錯誤でやってこられたそうです。
 
まず目についたのが教室の机の配置です。

これがベースの形だそうです。
黒板はこの写真の右側になります。
 
そして、先生は

 黒板の前の黒い椅子に座ります。
教壇の上から生徒を見下ろすのは、威圧感を与え、一方的な授業になる。
だから、できるだけ生徒と目線を合わせるように先生も座って話をするのだそうです。

基本、板書をしてそれを生徒が書き写すという授業は少なく、あっても要点が書かれるだけ。
黒板の前の踏み台は生徒たちが書きやすいようにという工夫です。
 
見せていただいた授業では、2人〜4人のグループになって、対話による授業が行われていました。
 
子どもが夢中になって学びあう授業にするために、先生の役割は
①    聴く
②    繋ぐ
③    戻す
 
子どもの声を聴くために、先生の説明はできるだけ減らす。「わかる人は?」ではなく、「困っている人はいませんか」でわからなさを共有する。一番重要なところは、子ども自身が気づくように、ペアワークに戻す。
これを徹底しているそうです。
 
印象に残ったのは、
学び合いは、教え合いではなく「わからへん、教えて」と聞き合う声が溢れる授業を目指しているという言葉。
 
一人もひとりにしないために、ペア・グループ・コの字の机の配置をしているのです。
 
時代の変化と共に生徒たちの様子は変わってきていると原校長先生は言います。
 
 原先生は、以前は中学校の先生で、「勤務校では反抗したりやんちゃする生徒もいたけれど、今は、そういう生徒はほとんどいなくなった。むしろ大人しく、自分の意見は言わず先生の言うことを聞く生徒が多い」と言います。

不登校の理由はさまざまですが、
一様に言えるのは、学校は子どもたちにとって楽しくない場所になってしまっているということです。
そして、
勉強は苦しいもの
授業は辛いことをさせられる苦痛な時間になってしまっているのではないでしょうか。
 
だけど、本来は、知らないことを知る、学ぶって楽しいことのはずです。
 
原校長先生は、全国の学校を訪ね、自らも検証しながら学び合いの授業を広げていきました。
その結果、今では不登校の子どもはいなくなったそうです。
 
学力テストの成績が上がったとか下がったとかは注目されますが、
そもそも子どもたちが学ぶって楽しいことだと思えたら、勉強だってするのではないでしょうか。
 
新学習指導要領が施行されて、すでに4年目ですが、原先生の実感値としては、95%の学校で一方通行の授業が行われているそうです。
 
学校は何のためにあるのか。
改めて考えさせられた取材になりました。
 
詳しいことは、後ほど東洋経済オンライン education✖️ICTの連載で書きますね。
 
これまでの記事はこちらからご覧いただけます。
 

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