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シャドーとペルソナとヒプノセラピー episode🥀11

シャドーとペルソナとヒプノセラピー

前回の投稿でユング心理学の概念、ペルソナ(仮面)とシャドー(影)について説明しました。私自身の理解している範囲と、また、誰にでも分かりやすく読めることに努めたかったので、簡単な説明で終えましたが、非常に奥が深く面白い概念なので、実生活の中で検証していくのが良いと思ってます。

さて今回は、シャドーとペルソナとヒプノセラピーの繋がりについて考察してみたいと思います。ヒプノセラピーの個人セッションでは、主にその人の幼少期や過去生と言われるものに退行(戻ること)することが多いのですが、特に過去生に戻った時、その人生での自分自身が、今現在の自分のイメージと一致しないことはよくあります。例えば、現在の自分では絶対にしたくないことをしていたり、とてもできないだろうと思うようなことをしていたりします。例を挙げると、今世で大嫌いな人と恋人同士だったり、大切な人に非情な仕打ちをしていたりなど、思いもかけない状況に遭遇する、ということはよく起こります。

他にも、自分はおとなしくて引っ込み思案と思っている女性が、自信家で傲慢で有能な統治者だったり、自分は気が強くて行動的と思っている男性が、悲惨な体験のために何もかも諦めているひ弱な浮浪者だったり、様々な個性を持った思いもかけない『自分自身』に出会います。

しかし面白いことに、催眠で体験する人物がどんなに今の自分をかけ離れていても、それが自分だと皆すぐに分かるのです。とても不思議です。

時代、国、環境、置かれた状況、生育歴。年齢や学歴やキャリア、身分。そして、その人生で何を経験したか、起こる出来事に対してどんな反応をしたか。周りの人や境遇にどんな思いを抱いていたか。人生で何に重きを置いて、何の為に生きていたのか。

そういったことが複雑に絡み合って、その時の『わたし』を作り上げている。そのように理解していますが、今まで想像したことさえなかった自分の姿を、催眠中とはいえありありと生々しく経験することは、今までの自己イメージの大きな変化を意味することが多々あります。

個人セッションを重ねる度、自分という人物の他の面、今まで表面化することのなかった側面が露わになることは、時に心躍る体験でもあり、時に非常に重たい複雑な感情を引き起こすものでもあります。過去生の自分が、まさしくユングの言う『影』そのものだと感じることもあれば、今現在の私の『ペルソナ』の起源はここにあるのね、と理解する過去生に遭遇することもあります。

個人セッションでの経験を、現在の自分に落とし込む作業の中で、より深くその繋がりを理解するためにユング心理学は非常に大きな助けになると感じます。様々な環境や経験を経て、今ある『わたし』を作り上げてきたのは、他ならぬ私自身だと、今ある『わたし』に責任を負っているのは、まさしく私自身だと、理解を深めるほどにその実感が増しているように感じます。

セラピールーム アウロラ
渡邊真理乃
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