横浜元町で行きたいノスタルジックな喫茶店

マザーハウス横浜元町店スタッフが、個人的におすすめする横浜元町周辺のお店やスポットを紹介します。横浜元町に「来る人」と横浜元町に「居る人」が一緒に街を楽しみながら、たくさんの喜びが生まれることを願っています。

こんにちは！マザーハウス横浜元町店スタッフの若井です。
カフェも好きですが、喫茶店の個性と歴史ある雰囲気が気に入っています。

実はお話し好き？マスターの喫茶店「無」

元町・中華街駅から元町通りを進むと右側2階にある喫茶店「無」。看板からすでに歴史を醸し出しています。

少し緊張しながら階段を登りきると、マスターが最低限の案内で迎えてくれます。

AMラジオのBGM、ほどよく乱雑なインテリア、気だるげにタバコを吸うお姉さん、寡黙なマスターが扱う年季の入った薬缶や片手鍋・・・オープンから今年で34年。その頃から続くお店は、元町1丁目ではもう6軒しかないのだそう。

「無」という特徴的な名前に、何か哲学的な意味が込められているのかと思いマスターに尋ねると、
「特別意味はないよ」とあっさり。
喫茶店を始めたきっかけや、34年も続けている理由も、
「食べていくためにやるしかない」とキッパリ。
今時めずらしい紙タバコOKな喫茶店、
「ここが禁煙になることはないよ。だって俺がこうして吸うからね。」と笑うマスター。
少し話してみるとマザーハウスのことを知ってくれていたり、コロナになってからの状況を教えてくれたり、寡黙そうに見えたけど、きっと話すことは嫌いじゃないんだろなという空気で接してくれます。

入口正面のテーブルの角。
お客さんにコーヒーをふるまった後、マスターはこの席に戻ってきます。

他のお客さんが名物のアイスコーヒーとケーキのセットを注文しました。出てきたのは、氷山のようなアイスコーヒー。凍ったコーヒーの塊をグラスに挿し、さらに追加のコーヒーを注ぎます。テーブルに運ばれると「わあ、すごい！」とそのお客さんは思わず声を上げ、私もつられて「すごいですね〜」と話しかけてしまいました。すべて飲むには1~2時間あっても足りないそうです。

今っぽい、モダンでシンプルでフレンドリーな雰囲気とは違う。マスターが思い通りに振る舞っていながらも、受け入れてきた様々なお客さんや会話があって、結果として34年も続いてきた時間の長さ。別に忙しく今を追いかけない場所だからこそ、何か取り残された気分のときも変わらず受け入れてくれるんだろうなあという寛容さがありました。
次はあえて自分の時間を止めるため、「無」で読書や物思いに浸りたいと思います。

パソコンNG！パワースポットのような喫茶店「モデル」

石川町駅北口を出てすぐにある「純喫茶モデル」。こちらも外観から昭和がぷんぷん漂ってきます。

お話しを伺ったのは、「名前で歳がばれちゃうわ～！昔の名前よ。」と笑うみどりさん。

イタリアタイルのテーブルと黄色いソファ、レンガ作りの仕切り…。営業して48年、変わったのはエアコンが取り付けられたことと、コロナで仕切りをつけて、少しソファーの向きを変えたこと。
「落ち着いたら元に戻すわよ。」と笑っていました。

定休日は水曜日。だけど、
「… 家族経営だから不定休。予定がある時って、なんかみんなかぶっちゃうでしょ。」
「… お店も15:00閉店にしたの。コロナ前は17:00閉店だったけど、その時間だと帰りの電車が混むでしょう。」

店内に飾られた絵は、みどりさんの弟のたくさんが描いたもの。
「… 捨てるって言うからね、もったいないって飾ってるの。」
最近店内が禁煙になったので、ヤニで汚れる心配が無くななったのだそうです。

お店の入口に〈パソコンNG〉の文字を見つけました。
「… ここは昭和の雰囲気が良いでしょう、だからダメにしたの。」

… 拡大や成長が良いとされる、せわしない日常から距離を置いて、自分のペースでやっている。お話しする中でみどりさんが発する言葉には、「そうですよね。私もそうするのが良いと思います。」って応えたくなります。ノスタルジックで落ち着いてるのに、明るくて元気が出るのは、働く人の雰囲気から溢れるものが大きいようです。

マザーハウス横浜元町店　若井

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