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AIが主役!セキュリティの祭典「RSA Conference 2024」in米国、参加レポート

2024年5月にサンフランシスコで開催された、世界最大規模のサイバーセキュリティカンファレンス RSA Conference 2024 に参加してきました。MOTEX(エムオーテックス)の中本です。

この記事では、RSA Conference 2024 USAで私が特に印象的だった

  • “最新のサイバーセキュリティ”で注目の高いコンテンツ

  • 注目のスタートアップ企業によるコンテストの結果

  • 最先端のIT技術に触れられる、サンフランシスコの様子

についてお伝えします。


サイバーセキュリティの祭典「RSA Conference」とは?

RSA Conference(RSAカンファレンス)は、毎年アメリカのサンフランシスコにて開催される、世界最大規模のサイバーセキュリティに関するイベントです。

本カンファレンスでは、各業界の専門家や政府関係者・ビジネスリーダー等が一堂に会し、最新のセキュリティトレンドや脅威・戦略に関する基調講演、パネルディスカッションなどが行われます。スタートアップから大企業まで幅広くブースを出展しており、サイバーセキュリティの最新情報について、多方面から触れることができます。

今年のRSA Conference は、サンフランシスコのモスコーン・センターで、2024年5月6日~9日の4日間に渡り開催。世界中から4万人以上の参加者、650人の講演者、600社のブース出展企業が集まるなど、大いに賑わいました。

キーワードはAI。“最新のサイバーセキュリティ”で注目されるコンテンツ

今回のカンファレンスにおけるキーワードを、一言で表すなら「AI」です。

展示ブースに掲げられたメッセージ、講演セッションのテーマなど、イベントのあらゆるシーンで、「AI」という言葉が、様々な文脈によって発信されていました。「AI」にフォーカスした会社(製品)であることを対外的にアピールしよう という、各企業の意思や熱量が感じられます。

例えば、マイクロソフトの展示ブースには「AI-first end-to-end security for allすべての人に向けた、AI中心の総合的なセキュリティ)」というメッセージが掲げられており、同社が「AIを活用した新たなセキュリティ」へのシフトを見据えていることが窺えます。

またマイクロソフトのブース以外でも、「powered by AI」や「 〇〇AI」など、展示会場の至る所で「AI」に関する表記が目に入りました。

トークセッションの内容も、AIに関わるコンテンツが多くを占めていました。下記の表は専門セッション(全526件)・スポンサーセッション(全45件)それぞれの、主要キーワード(テーマ)の数を示したものです。

AI以外では「Cloud Security(クラウドセキュリティ)」や「Identity(アイデンティティ)」に関するセッションが多く、クラウドサービスやID管理におけるセキュリティの重要性に注目が集まっていることがわかります。

注目のスタートアップ企業によるコンテスト

毎年RSA Conference の会期中、開催されるのが Innovation Sandbox というスタートアップ企業のピッチコンテストです。今年度も『2024年の最も革新的なスタートアップ企業』を決定するため、多数の応募から選ばれた10社が登壇。ファイナリストとして、3分間のプレゼンテーションを行いました。

ちなみに昨年のInnovation Sandboxでは、 AI資産を保護するためのAI/MLソリューションを提供する、HiddenLayer がWinnerに輝いています。

▼2024年、Innovation Sandbox ノミネートされた10社

Aembit
http://aembit.io
Antimatter
http://antimatter.io
Bedrock Security
http://www.bedrock.security
Dropzone AI
http://www.dropzone.ai
Harmonic Security
http://www.harmonic.security
Mitiga
http://www.mitiga.io
P0 Security
http://p0.dev
RAD Security
http://rad.security
Reality Defender
http://www.realitydefender.com
VulnCheck
http://vulncheck.com

最終的に見事Winnerに輝いたのは、ディープフェイクの検知サービスを提供する Reality Defenderでした。

※ディープフェイク…人工知能(AI)技術を用いて、既存の画像や動画に別の人物の顔や声を合成し、リアルな偽のコンテンツを作成する技術のこと

私も現地で10社のプレゼンを聞きましたが、AIのセキュリティ活用など、どのスタートアップも今の課題に対し、面白い切り口で解決策を提供していました。中でもReality Defenderは、ディープフェイクという最新の脅威に対する対策を提供しており、コンテストの「最も革新的なスタートアップ」という称号に相応しかったように思います。

Reality Defender の展示ブースでは、下記のような「ディープフェイクで作られた動画や画像を、AI用いてフェイク部分を検知する」というデモが行われており、多くのユーザーから質問が寄せられていました。

Innovation Sandbox 2024 全10社のスタートアップ企業によるピッチプレゼンは、下記RSA Conference サイトにて動画が公開されています。

>> RSAC Innovation Sandbox Spotlights New Innovators

最先端のIT技術に触れられる、サンフランシスコの様子

最後にサンフランシスコの街を歩く中で、私が感じたことをお伝えします。
サンフランシスコを含めたシリコンバレーでは、最新技術の試験的な運用が数多く実践されており、過去に訪れた際にも、Amazonによる無人販売ショップ(Amazon Go)などを体験できました。

今回の出張でも、完全無人タクシーのWaymo(ウェイモ)が運転手の居ない状態で、信号停止や発進・カーブ走行などを行い、乗客をスムーズに運んでいる様子が見られました。

ふだん見られない光景に私が興奮して写真を撮っている中、現地の皆さんはWaymoに驚く様子もなく、すでにサンフランシスコでは“自動運転タクシーの走行が当たり前”となっているという事実に衝撃を受けました。

私も「サンフランシスコでは自動運転タクシーが走っている」という情報こそ知っていたものの、これだけの数が日常的に走行しているという事実やその光景は、現地に来たからこそ身をもって知ることができました。

まとめ

RSA Conference 2024 USAに関するレポート、いかがでしたでしょうか?

コロナの影響で、海外カンファレンスへの参加が一時的に難しくなっていましたが、今回のRSA Conference 2024 USAでは、日本からの参加者も数多く見かけました。

私自身も久しぶりの海外カンファレンス参加でしたが、イベントを通じてAIをはじめとするトレンドの変化を直に感じられましたし、サンフランシスコの街中を当たり前のように自動運転タクシーが走っている様子には、大きな刺激を受けました。

今後も海外カンファレンスの情報を含め、サイバーセキュリティに関する最新情報を発信していきたいと思います。


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