落合の監督業 真似できるところ、できないところ

選手は自分のことだけ考える。なぜなら個人事業主だから=会社経営には当てはまらない

お前は自分のことだけ考えてりゃいい、チームのことは俺が責任を取る、と落合は右打ちをした和田に怒った。チームバッティングの基本である走者を進める右打ちしたのに。和田に求められているのは本塁打、長打。

仰木監督は同じことをイチローに行った。イチローはついて行こう、この監督のために結果を出そうと思った。
和田はどう思ったのか?
呆気に取られただけだった。自打球を当てて歩けないくらい痛かったのだ。(和田は痛みを押して出場を続けるが、実は骨折していた)

大丈夫か、休め、とは落合は絶対言わない。できません、と自分から言うしかないが、言えば2軍に飛ばされる。プロ野球選手は大変だ。

落合は、自身の選手時代も、監督時代も、契約の履行に重きを置いている。監督になってからも選手に、それを求めた。選手は個人事業主。
選手を大事に思ってないわけではないが、嫌われてもいいと思っている。
常に危機感と飢餓感を与えている。

選手を職人として、しかし駒として扱う=経営者も真似できるかも。強みを生かす適材適所

プロの駒として扱う。給料分働き、給料上げ、雇用を維持されるように求める。和田にはアドバイスしても、若手には言わなかった。言ってもわからないからだ。35歳の和田には3年かかるぞ、と言ってフォームの変更の面倒を見た。若手に期待しすぎない、と言うのは大事かもしれない。
3割の打撃より10割を目指せる守備を重視し、持ち場をしっかりこなせる職人を重用した。これもマネーボールで描かれたデータ野球だったのかもしれない。

自分なりのビューを持つための、フツーの人がしない努力=真似できるかも

落合は言うまでもなく傑出した選手であり、他の人が知らない本質を掴んでいる。そこは真似できない。それでも落合が監督として観察し続けたことは私たちもできるのではないか。落合がしたこと、それは著者である記者にやってみろと勧めたことでもある。それをやれば俺の話なんか聞かなくても記事は書けるし、他の選手も聞きに来るようになると。

記者の成長が微笑ましいし、落合とそこまで親しくなったのは羨ましい

著書の記者としての仕事の積極性も生んだ。1人には話してくれた。先の序列を取っ払った。
最初はパシリに過ぎなかった記者が、単独で優勝時のコメントをもらうまでに。相性があったのだろうか。著者も落合と同じように群れず、他人の言うところに無意味に従わず、自分の考えるままに行動していたからか。

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