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今からでも間に合う確定申告対策(2020年版)

本年分の確定申告は、来年の2/15から提出可能となるわけですが、2020年度分の、確定申告対策という戦いは1/1から(つまり会計年度の初日から)始まっているのです。

そして、その提出期間の2/15になってから対策をしたのでは手遅れなのです。

とはいえご安心を、本会計年度の最終日の12/31までにはまだ時間があります

本年内であればまだ打てる手があるのです。

そもそも確定申告とは?

確定申告の基礎については以下の記事を参考にしてください。

所得税の青色申告承認申請手続をしよう

何はともあれ、青色申告でないと話が始まりません。
どっかの誰かに「最初は白色で大丈夫」などと唆された人がいたら悔い改めてください。

本来は開業届と一緒に出すものですが、消費税増税に伴う特例措置で、本年だけは12/31までに提出すれば、本年分から適用可能という忘れん坊さんに優しい仕組みになっています。

青色申告承認申請書自体はすごく簡単な書類なので、判子だけ持って税務署に行けば5分で終わります。グズグズしている人は今すぐGO!

ふるさと納税をしよう

ふるさと納税は本年分の住民税の約20%程度の上限金額「先に納税する」仕組みです。住民税の詳細については以下の記事を参考にしてください。

ここではふるさと納税の返礼品の選び方について述べていきたいと思います

ふるさと納税は、みなさんご存知の有名通販サイトのあちこちで買えて(納税できて)しまうのですが、その性質上、通販と違って配達日を厳密に指定できるような仕組みではありません。(定期のお届け商品もありますがここでは除外)

したがって、長期旅行の予定があったりすると受け取れなかったり、ナマモノの消費スケジュールを考えていないと腐らせてしまったり、買い出し直後に届いたりすると冷蔵庫に入り切らなかったりします。

発注そのものは12/31までに済ませれば、本年分のふるさと納税として控除可能ではありますが、年末に駆け込み発注すると事故りやすいのです。

以上の観点からおすすめのふるさと納税品をピックアップしていきます。

冷凍食品・食材

冷凍庫に余裕があるなら冷凍食品は良い選択です。ゆっくり消費できるので、消費計画に余裕があります。
冷凍庫の空間を効率的に使用できます。

また、冷凍ハンバーグ、冷凍うなぎなど、温めるだけで簡単に1品増やせるものは食卓の彩りを豊かにしてくれます。

冷蔵食品

冷蔵食品は、冷凍食品に比べるといかんせん消費期限が早いのですが、ドレッシング、漬物、カレールウのパックなどは比較的長持ちするので選択としても悪くありません。
チーズやバターなど、体積に対して価格の高い製品は良い選択です。普段遣いの冷蔵スペースをあまり圧迫しません。

1Kg以上の肉類は、一人暮らしだと計画的消費が難しいので避けたほうが良いでしょう。

農産乾物

農産乾物、つまり、干し椎茸、干しひじき、お麩、ガーリックチップなどなど、消費期限が長いものがいっぱいあります。体積あたりの金額もそこそこあり、常温保存しやすいのも良いです。

レトルト食品

常温保存可能なレトルト食品は良い選択です。ふるさと納税可能なレトルトカレーだけでも30種類以上あるようです。
シチューやパスタソースなんかも保存が効く上に、大抵は味のバラエティーに富んでいるのでおすすめです。

乾麺

そうめんや蕎麦など、長期保存可能なものが多く、かつボリュームも多いのでおすすめです。私は毎年52食付いてくる田舎そばをチョイスしています。

経費を使おう

年内に経費を使ってしまうというのは短期的なキャッシュフローの改善になるので、「どうせ使うもの」については今年中に買ってしまうのは正解です。あまり買い込むのもどうかとは思いますが、最悪中古品として処分可能なのであれば判断ミスに対するリカバリーも可能なので、勢いを付けて買ってしまうのは結構アリです。

大まかにいって経費計上には2パターンあり、ひとつは「消耗品費」としての計上、もう一つは「少額減価償却資産」と呼ばれるものです。

前者については10万円以下の事業に用するものに関しては消耗品費として計上可能です。売却目的の仕入れとは違うので、その点は注意してください。
後者の「少額減価償却資産」は、正しくは「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」といいます。

簡単に言うと、10万円を超え、30万円以下のものについてはこの制度を利用することで当年分として全額を償却できるというものです。
ただし限度額があり、合計で300万円までとなっています。

まとめると、来年買う予定がある30万円以下の物なら、バンバン買ったほうがよいということですね。

参考までに、私がいつも気にする「年末の代表的繰り上げ購入品」はこちら。

ガソリン
プリンタ用のインク
プリンタ用紙
付箋紙・ペンなどの文房具類
USBのケーブル類
書籍

チリも積もればなんとやら、Amazonでちょっと先に買っておくだけで納税額にして1-2万円ぐらいは簡単に減らすことができます。

なお、30万円以上の償却資産は購入しても特にメリットはありません。
月次償却しているかぎりは全く影響がないと考えていいでしょう。
逆に言えば、ほしい時に買えばいいとも言えるので、M1 Macbook AirとかSigma fpとか好きなものを買えばいいと思います!

コラム:結局、納税額は変わるのか?

じつのところ、経費を今年中に計上しても、来年に計上しても、2年通年で考えた時の納税額は変わりません。

結局のところ、納税の先送りをやっているに過ぎないからです。

では何が変わるのでしょうか?

それは支払日です。

試しにシミュレーションしてみましょう。

所得税率20%、住民税率10%、国保を約10%として、税率は40%とします。
仮に、この所得税と住民税合わせての納税額は100万円とします。

そして、12月31日に25万円のものを買って少額一括償却資産として当年度ですべて償却したので、全額を経費計上しました。税率は40%ですから、10万円の節税となり、納税額は100-10=90万円となります。

住民税は4期に渡り払ったり、所得税も税額によって予定納税1, 2期がありますが、単純に言うと丸一年10万円の支払いを引き伸ばせるということです。

仮に、この10万円で年利4%程度の金融商品を購入したとすると4000円の利ざやが稼げます。
つまり経費を先に使うことで稼げるお金というのは、本質的には「稼いだ時間による運用益」なのです。
逆に言えばそれをそのまま使い込んでしまうと意味がないともいえます。

しかしながら、明らかに来年度の利益が少ないのがわかっているケースでは意味があります。たとえば長期休暇を計画していたり、起業する場合などで所得が見込めないケースなどでは、明らかに本年度に計上したほうが有利になります。

たとえば今年の所得税率が20%で、来年が5%とした場合
今年10万円使う場合、所得税率20%+住民10%+国保10%で40%
4万円の節税

来年10万円使う場合、所得税率5%+住民10%+国保10%で25%
2万5千円

このように1.5万円の差が付きます。

まとめ

・青色申告承認申請書を今すぐ出す

・ふるさと納税はライフスタイルに合わせて考える

・経費の先送りは納税額は変わらない。稼げるのは時間である

それでは、今年末もハッピーな会計処理を!

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