🤍三十路の一歩

おはよう、31歳

ようやく31歳になって、
そして31歳にもなって親に誕生日を祝って貰った。
正直恥ずかしいなと思いながら到着した、城崎温泉。

温泉街に到着するなり、妹と母親が手を振っていた。私は、親と会うよりも楽しみにしていたことが一つあって。

大阪駅から城崎温泉を繋ぐ【こうのとり】と言う列車のグリーンに乗ること。座席数は限られている。これに乗って3時間移動することを何よりも楽しみにしていたから。

座席のクッションは硬めで、例えば近鉄難波から名古屋をつなぐ火の鳥に比べるとかなり渋い仕上がりの列車なのです。コンセントもかなり年季が入っており妙に痺れる感じの列車。

その車両に乗って会社の上司に誕生日プレゼントでもらった
ビーツのイヤホンをつけて、立体音響の雨の音を聞いて移動をしてた
その日は外が曇りで…去年の今頃は私とあの人は一緒にいたのになって思うことと同じようなモヤモヤと風情のある外の景色に酔いしれておりました。

長い時間乗った電車は、おおよそ1時間半くらいで飽きて。後の1時間半は、早く親に会いたいだとかもうこの景色飽きちゃったなーとか。そんなことばかりを考える超飽き性な私の性格がわかった自分探しでもあって貴重な時間を過ごせました。

ようやく話は戻り、親と合流して城崎温泉を探索。ホテルのチェックインまで長々とご飯を食べたり、小物を売っているお店に入ってみたり家族でたくさんコミニュケーションをとれた

私はネックレスに魔除けとして、トルコのナザールボンジュウをネックレスにしてつけているのだけど。もはやそれは私のチャーミングポイントだと言っても過言ではないくらい首元を強調して馴染んでいる。

これは去年のこと
誕生日を迎える前に私のことを思って付き合っていた時の彼は台風の中、スワロフスキーのネックレスを買ってくれた。
それを誕生日にサプライズでプレゼントをしてくれた。
言い過ぎでもない本当のことだけど、今までの彼氏からは花とか帽子とか靴とかをプレゼントしてもらっていて
元夫からもたった一度もキラキラしたプレゼントを貰ったこともなく、結婚指輪でさえ相手方家族の立会の元、一緒に購入した経緯もあるため

アクセサリーを自分のことが好きな人が自分の為に考えて、1人で悩んで店員さんに声をかけてプレゼントをしてもらう事が生まれて初めてのことだった。

その時間を作ってくれたことが、すごくすごく嬉しかったから、ネックレスは絶対に別れるまで外すこともなくつけていたし。
燻むとか、壊れるとかも関係なく嬉しいからつけておきたい。仕事で悩む時とかも、ネックレスを握りしめるくらいお気に入りだった。

別れが決まりスワロフスキーを外してからは
ずっと魔除けのネックレスを付けている。

もうこれ以上深入りはしない。
もうこれ以上傷つきたくないと首元から警告をしている。そんなナザールのブルーネックレス。

だけど母親が、あのブルーのネックレス。ももちゃんに似合うね。なんか付けているのと似てる！と言っていたんだ。

それは、城崎温泉のご当地アクセサリーでトンボ玉というガラスらしい。母が似ていると言ったのは一風変わった感じだけど、透き通ったブルーに私は魅せられてしまった。

私は長女だし
お母さんが初めてお母さんになった日は
私の誕生日なんだよな。

こう思ったことがきっかけで、母が店を出たのを横目にこっそり内緒でネックレスを購入しておいた。

私のネックレスのエピソードなんかお母さんは知らない。だけど私がつけているから同じ色が欲しいって言ってるような気がする。
なんか不思議だなって思っていたんだよな。

ようやくホテルにチェックインして、疲れた父親は今日は飲むぞ！とメラメラ盛り上がっている。

私の知らないある日に相当二日酔いをして、そこから酒を飲むのが怖くなり2年半禁酒をしていたのです。

ももえが飲むけんワシも飲む。

2年半飲まないって決めた気持ちは、我が娘の誕生日にならこうも簡単に辞めてしまうほど嬉しいのか。

思うとなんかだいぶ、この親の間に生まれてきて良かったわ。

アワビやカニやステーキじゃアレもこれも食べているうちに、どんどん罰ゲームなんじゃないかくらいにお腹いっぱいになって

苦しすぎるわ！とか言うて
家族みんなで笑っておめでとう＋ホールのケーキまで出てきて嬉しいけどよ笑笑って感じの感じ。

部屋に戻ってお母さんに

お母さん、お母さんの誕生日おめでとう。私を産んでくれた日じゃけん、これお揃いの青いのあげるな！

ってプレゼントを渡した。
手に取った途端に、ニヤニヤしながらありがとう。明日つける！とか、少女のように笑ってたところ見てハッと

私お母さんに悲しい顔見せるために生まれてきたわけじゃないんだ。この先もずっとニコニコ元気いっぱいで、幸せそうなところを見せて
悲しい事も一緒に解決していけるような事しか悩んだらいけないんだわって心の気付きをすることができた。

母こそが1番
私を生み出した後の痛みとか、守ってくれたりとか、可愛いとか、愛しているとか成長や時間に感動してくれたんだわ。

この半年ひとりぼっちで、何にも楽しくない。私は何かしたか？私は何かおかしかったんだろうかとかをずっと考えてきたけど、母親から見た私は何もおかしくないし。ももちゃんが、娘で良かった。大きくなって良かったって心からお祝いしてくれていたわけです。

城崎マリンワールドで、お前らが小さい時に来たんじゃ。と思い出に舌鼓している父親。
他の客の家族連れを見て、ワシも孫を抱っこして水族館に来たいな。って言う心情には胸を打たれた。
だけど、ワシはももえを泣かせるように苦しむように作ったわけじゃないんじゃ。そりゃ生きていたら悔しい事もあるし何チクショウと思う事もあるけど、ワシらはお前が元気な事が何よりの事じゃとか言われた事もあるなー反抗期。

男と女2人が作って親父と母親になって
この2人の作った31歳がここに立って
最大のありがとうが私の中で産まれた

実家に家族で移動して、お墓参りをして
一夜明けて大阪に戻り。またいつもの生活がスタート。

家族に向けて私がこれから動くことや幸せは何なのかは、やっぱり結局のところ漠然としかしていない。

この、良いのか悪いのか紙一重である
ワタシカンパニー、人想いな人柄が幸いして
１０月に入り私は昇進。
机が1番端っこのお誕生日席になった。
さらにパソコンの画面も2枚になり
失恋の沼にハマった30歳から、31歳の会社としてみたら部長の立場に晴れて変身したのでした。

箱に閉まったネックレスは燻んだまま、
燻ませてしまったことを思い出にしておいて

おはよう、31歳。