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自己紹介をしようか

僕はハタチの野心家だ。たくさんのことに興味があってなんでも自分でやりたがる。



デザイナーになろうとしている。


将来起業でもしようと考えている。


ほしいものを不自由なく買えるくらいのお金を稼げるようになって両親に1台ずつ車を買ってあげたいと考えている。


一眼レフを買ってエモい写真を撮りまくってみんなに写真の素晴らしさを味合わせて「あなたに憧れて写真家になった」と言わせてやりたいとかんがえている。



でも野心があるなんて言ってはみたものの周りに目を向ければすんごいやつばっかりで身がすくんでしまうんだ。





僕は高校生の時にデザイナーになりたいとぼんやり考えていた。

テニス部で一緒だった友達がいた。彼とは毎晩のようにゲームをしていた。学生という生き物は健康よりも友と遊び、語り合う時間が大切なのだ。ゲームに疲れるとそのまま終わらずにだべっていることがあった。


僕は専門学校に入った。入って少しすると周りのやる気のなさに驚いた

「こんなやつらばっかりの世の中なら簡単に成功できるんじゃないか?」

失望とも言える感情だった。情熱や意欲で溢れている教室を想像していた。専門学校はやりたいことをいち早く学び社会に飛び込む場所だと思っていた。

実際は進学先に迷って適当に入ってやめていくやつ。絵描きをオタクと見下して素直に技術を認められないやつ。物事に必死に取り組む人間を馬鹿にしているだけで最後まで物事をやらないで放り出すやつ。


しかし入学してすぐの心配は不要だった。いつの間にか情熱や意欲、センスにあふれる仲間達に囲まれていた。毎晩のゲーム相手の彼は違う学校でインテリアデザイナーを目指していた。彼とは自分の夢ややりたいこと、理想の職場や将来環境などについて語りあっていた。就職活動の時期が近づいていた。


専門学校は2年生の分野が多い。そして専門学生の内々定はとても早い。

卒業の一年以上前の12月に決めてしまう者もいるくらいだ。


そんな中僕はデザインという業界の狭さに驚かされた。

SNSで『映える』という言葉が浸透した今、デザインというものの需要があがっている。多くの人間が、大衆が、デザインにしっかりと目を向けている。

だからたくさん求人はあると思っていた。だがよくよく考えればデザイン部門を持てるほどの会社は大きいところばかりでそのデザイナーも毎年新しく入れたりするものではないのだ。僕が目指したいたプロダクトの業界は特に狭かった。

求人サイトのタブを更新する毎日。2年の夏頃には半数以上が内定をもらっていた。仲間たちも次々と就職活動を終えていく。


だが僕は決めていた。妥協はしたくない。

ましてや将来的に起業を目指すのであれば時間を無駄にできない。僕と同じ歳で起業してる人間がいるのに年単位で時間を無駄にするわけには行かないと言い聞かせていた。

ある会社のインターンに参加した時に気に入られて是非面接を受けてくれと言われたが僕は環境に納得できずに断った。

申し訳ないと感じたが向こうが面接するのと同様僕にも選ぶ権利はある。



結局僕はやる気が無いと考えていたその他大勢に取り残されてた。


本気で焦っていた。

専門学校とう組織において未内定でいる生徒は就職率という数字を下げる悪だ。

就職指導部からはどこでもいいから入れと言わんばかりの圧を感じる。



求人を検索するともう次の代の求人が始まっていた。


パソコンに向き合うのも辛かった。

気が紛れるのは内定済みの友達と食べる美味しいラーメンと深夜から早朝にかけて友達とやるゲームだった。自堕落なのは分かっていた。どうにかしなければいけないとずっと感じていた。ゲームを終えて明るくなった部屋で変わらぬ求人リストを見る。プロダクトデザイナーの求人には実務経験3年以上の文字。

「プロダクトデザイナーになるためにプロダクトデザインの実務経験がいるならこの世にプロダクトデザイナーはいるのか?」と愚痴をこぼしていた。


こんな時に限って創作意欲ばかり湧いてくる。

この苦しい時期に卒展というものがあった。


ものづくりは昔から好きだ。両親の影響だろう。

僕が生まれてから住んでいる家は両親が建てた。掘っ建て小屋ではない。

写真を見せると誰もが「おしゃれ」とか「外国みたい」なんて言うような家だ。


環境はとても良かった。今でも感謝しているしこれから一生感謝することになるだろう。


卒展は入学したときから頑張ると決めていた。

だから僕は恥ずかしくない、あわよくば自慢できるような作品を展示したいと思った。


製作には夢中だった。友達と大好きなラーメンを食べる時間と金を削って。

ガレージの中に作業スペースがあった。屋根はあるがほとんど外みたいな場所で雪が降っている日にも作業を続けた。


2、3日は就活の事を忘れて製作した。


好きで、楽しくて、自分が今できる限りの事を行って作品を完成させ展示を行った。作品はおおよそ満足できるものができた。

至らない箇所は多々あるが完成した時にはとても、とてもうれしかった。失敗もたくさんしたし思うように進まなかった。だがなんとかやり遂げた。



そして全く別の成果がでた


作品の資料を見たある会社の方が興味を持っくれた。

その会社はまさに自分がやりたいことの宝庫だった。




内定が来たのは卒業式の4日前のことだった。




もしあの時、自分の心に従わずインターンを受けていたら?

残念ながら落ちた会社、もし内定が出ていたら?


この時期まで探し続けることができていたか?



結果論でしかないが僕の選択は間違っていなかった。

最後まで諦めないで欲しい。自分の直感には耳を傾けて欲しい。






自己紹介のつもりが長い長い就活記になってしまったね。

もっと短くてエモいポエムみたい自己紹介にするつもりだったのにな。


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