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なぜコロナ禍カレンダーなのか

コロナ禍カレンダーと当ブログのアウトライン

コロナ禍カレンダーはTwitterアカウント@mostsouthguitar が公開している、2020年1月から現在にいたるコロナ禍のできごとをカレンダー形式に落とし込んだ[見て把握するための]データベースです。

公開後改訂を繰り返し、現在ver2.0もしくは2.0.1になっています。

今後、Twitterとともにnote上にあるこのブログでコロナ禍カレンダーを公開する予定です。

なぜコロナ禍カレンダーが必要なのか、なぜデータベースを公開するのか、どのような使い方が可能か、権利についてなどを以下で説明します。

2011年3月11日が原点

2011年3月11日14時46分18.1秒、東北地方太平洋沖地震が発生しました。さまざまなできごとを引き起こした東日本大震災の「災い」の発端です。

この日、津波を引き金に原発事故が発生しました。地震、津波、事故による人的、物的被害もさることながら後日発生したデマ、誹謗中傷、反原発運動を名乗った非道な活動、歪曲報道によってとてつもない痛手を被災地のみならず数多くの人々が被りました。

汚染作物、生産者は人殺し、ベクレってる、鼻血、奇形、癌、結婚できない、水が飲めなくなる、人が住めなくなる、壊滅するなどといった誤った言説をもとにしたデモや集会なかでも福島の子供たちの葬式を模したデモ「葬列予報」、被災地と被災者が何を考え選択して生きてきたか事実を無視した「原発がっかり音頭」等々、と書き出すだけでうんざりさせられるできごとの連続でした。そしてこのような倫理に悖る、傷つけられ打ちのめされる人のことをまったく考えない言動が世間にはびこりました。

そう言えば原発事故直後に「ずっとウソだった」と歌ったシンガーソングライターがいました。“安全です 俺たちを騙して”と歌われたときこそ、東北電力管内の福島県に東電の発電所がある理由を知りつつも知らないふりをしてきた人たちが、原子力発電所でつくられた電気を使い快適な生活を享受してきたにもかかわらず、この昭和から平成の繁栄を支えてきた福島県または被災地の人々を見捨てた瞬間でした。しかも騙されていたのは自分たちと被害者を装ってです。

ならず者であっても、反原発を名乗れば誰に対して何を言ってもやっても許される。多少でも意見が異なる人がいれば敵として吊し上げ、分断に拍車をかける。正確な情報を伝えようとしていた学者や専門家に御用学者、エア御用学者とレッテルを貼り晒しあげる。冷静な議論を不可能にして我田引水に話を進める。さまざまな人が強要、脅迫され生活を脅かされた10年でした。

震災から10年目の2021年3月11日を目前にして、こうした震災と原発事故にまつわるできごとを都合よく書き換える動きがSNSのみならず報道にもみられるようになりました。歴史の改竄は[反原発を訴えた人々や汚染デマを否定して被災地の産物を食べた人々が「放射脳」と呼ばれ攻撃された]とする発言の数々からはじまりました。

また朝日新聞の小手川太朗記者は“双葉病院では自衛隊や警察が放射性物質に阻まれて救出活動ができず、約50人が衰弱して亡くなった”と事実異なる記事を書いて、これを朝日新聞は報道しました。

小手川記者による事実誤認報道の経緯についてはtogetterにまとめられています。

都合よく歴史を書き換えようとするこれらの動きに、数多くの人々が記憶と記録をたよりに反論しましたが一筋縄ではいかずトラウマとなっている震災、原発事故、その後の誹謗中傷の記憶を振り返る苦痛を味わいました。この反論側に私もいました。

コロナ禍という共通の経験

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震災と原発事故からたった10年、しかも日本在住者にとって共通の経験だったはずなのに堂々と歴史を書き換えようとする者が現れ、いくら反論しても彼ら彼女ら、報道関係者までが書き換えをやめようとしませんでした。この経験から、コロナ禍終焉後さまざまな立場から個人もしく自派に都合よく歴史を書き換える動きが出てくるだろうと私は危惧しました。

危惧は現実のものになりました。

コロナ禍では10年どころか1ヶ月、数週間、数日前のできごとすらなかったことにしたり事実と正反対に語り、誰かを、何かを批判するという名目で誹謗中傷をはじめる者まで現れました。一般人だけでなく評論家、政治家といった人々が、SNSだけでなくメディアを通じて数日前のできごとでさえ事実を書き換えるありさまです。

小手川太朗記者の事実誤認報道に際して過去の記録と記憶を整理して示しながら反論した経験から、私はコロナ禍の記録をまとめる準備をはじめました。

私自身がコロナ禍について勘違いを元にとんでもない考えに陥らないようにするため手元に置く資料をつくろうとしたのです。震災から原発事故、そして10年間、忙しさにかまけて記録を整理して残さなかったことへの反省。デマ、誹謗中傷、個人攻撃に対抗するとき客観的な事実をまとめて突きつけられなかった悔しさ。これらがカレンダーづくりの原動力です。

年表づくりの漠然とした方針に、同じ趣旨で準備中だったXさんがカレンダーを使った表現方法を構築し、これによって日ごとのできごとだけでなく時間経過や社会の雰囲気まで一目瞭然に、直感的に把握できる書式が生まれました。

このようにしてコロナ禍カレンダーは個人的な記録としてはじまりました。

そのさなか前述のように「1ヶ月、数週間、数日前のできごとすら」書き換える人々が次々と現れました。最近は「ワクチン接種は世界からみて周回遅れ。調達から準備まで後手後手だった。これを自分は批判し続けてきた」という人がいて賛同共感する人々まで登場しました。

できごとへの評価は人それぞれ違って当然ですが、いつ、誰が、何をしたか経緯を無視した批判のための批判がまかり通っている現状です。

震災と原発事故のあと意図的に歴史を書き換える人がいただけでなく、数年間の記憶があやふやになり少なくない数の人が容易に扇動されてしまいました。ましてコロナ禍の日々はできごとが怒涛のように発生し目まぐるしく変化するため数ヶ月前、数週間前に何があったか、何を感じ考えていたかわからなくなりがちです。

過去にさかのぼって資料を見つけ出しカレンダー上に落とし込んでいると、記憶と実際のできごとの内容や発生した時期がとんでもなく食い違っていて驚いたのは一度や二度ではありません。

たとえば“コロナ脳”という言葉。反マスク、反自粛、陰謀論者といった人たちが生み出した言葉と思われがちですが事実は違いました。発祥、浸透、意味の変化・使われ方の変化を明らかにし、ここに私の経験を重ね合わせると[歴史]が実感をともなって立体的に蘇りました。

初期にウレタンマスクがいきなりもてはやされた理由、危機感で結びつけられていた人たちが対立と分断へ進む過程、自粛しない人たちの登場と背景にある扇動など発見がありました。

個人の個人による記録としてつくっていたコロナ禍カレンダーですが、こうなると公開する意義があるかもしれないと思うようになりました。でもTwitter上にアップロードするには内容のバージョンアップごと混乱が生じそうで、資料として使いにくいこともありブログ形式で公開することにしました。

次回から掲載する予定のコロナ禍カレンダーを、2020年1月から振り返ると事実誤認、前後関係の誤り、結果は知っていても発端がわからないままだったできごとなど気づくことが多々あるはずです。

権利について

コロナ禍カレンダーはKヒロ+ハラオカヒサ:プロジェクトによって作成されています。藤子不二雄氏がお二人で漫画を描いて発表していたようなものとご想像ください。

コロナ禍カレンダーは情報の選び方や体系的な構成に創作性があり著作物性があるデータベースです。署名なしで公開しますが、私とX氏は権利を放棄するものではありません。

ただしカレンダー、カレンダー上にできごとを表示すること、出来事の名称・総称などは著作権で保護される範囲になく、この点について権利を主張しません。

使用している画像はあくまで個人用として拝借しているものがあります。コロナ禍カレンダーのご利用にあたっては、個人用の範疇を超えて使用できない画像が含まれていることをご理解ください。

カレンダーに改変を加えたものを使用する場合、使用、公開にまつわる責任は改変者が負うものとします。

これから

このブログはKヒロ+ハラオカヒサ:プロジェクトが管理します。

コロナ禍カレンダーは逐次バージョンアップさせます。現在パージョンは2.0または2.0.1です。

次回の記事に、2021年6月月初までにつくられた2020年1月から 2021年5月までのコロナ禍カレンダーを公開します。以後、月初に追加更新します。

コロナ禍カレンダーから派生した考察編等も掲載します。

コロナ禍カレンダーver.1から2への変更で書式を全面改訂しました。ただし個人用として作成されたため視覚のバリアフリーとくにカラーバリアフリーに対応していません。カラーバリアフリー化はver.3以降で対応したいと考えていますが時期と具体策は未定です。

コロナ禍カレンダーはあくまでも作成者が使用する目的でつくられているため作成ペース、内容の変更や追加を要望されてもお応えしかねます。

第1回めの公開前はTwitterの@mostsouthguitarアカウントでカレンダーをお探しください。

なおKヒロ、ハラオカヒサともに原発事故をめぐるデマと誹謗中傷によって身体の安全を脅かされる嫌がらせを受けたことから匿名で活動しています。これら嫌がらせは加害者特定のうえ法的措置をとって現在に至っています。


会って聞いて、調査して、何が起こっているか知る記事を心がけています。サポート以外にもフォローなどお気持ちのままによろしくお願いします。ご依頼ごとなど↓「クリエーターへのお問い合わせ」からどうぞ。