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Kヒロとハラオカコロナ禍を論考

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2020年1月からコロナ禍を記録し続けているコロナ禍カレンダーとともに、調査や取材を通してコロナ禍ゆえの問題を考察します。
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2021年9月の記事一覧

陰謀論に取り憑かれた大切な人といかに向き合うか

著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ はじめにいまから順を追って一から説明します。疲れたら休みながら気が向いたとき読んでください。すべてを信じる必要なんてありません。少しだけだったとしても参考になるものがあれば幸いです。 ─・─ 奇妙で迷惑な考え方に取り憑かれた人が、消しゴムをかけたように元の状態へ戻ることはほぼありえないと考えてください。 引き返せた人はいます。かなりきれいに消しゴムがけした人もいます。でも痕跡が残ります。またあなたは消しゴムがけの手伝いすらほとんどできない

終わらせたくない彼ら/反ワクチン陰謀論と6時間

陰謀論者はコロナ禍の終わりを想定していない。帰るべき場所もなくなっていた。そもそも目覚めるとは何なのか。 取材:加藤文(Kヒロ) マネージメント:ハラオカヒサ はじめにまず最初に、お断りしておかなければならないことがある。 2021年7月、筆者は知人から旧知のA(30代男性)がSNSで陰謀論を元に反ワクチン、反マスクの主張をし、主張通りの行動をしていると教えられた。陰謀論の只中にある人への取材は十分ではなくわからないままで解決されない問題がいくつもあったためAと接触して

なんとなく反権力でイベルメクチン

──整理前の情報を手短に報告する【短信】 / 反権力と反ワクチン、親イベルメクチンについて。 取りまとめ:ケイヒロ、ハラオカヒサ はじめにイベルメクチンが新型コロナ肺炎に効く、飲み続けていれば予防にもなると言われはじめて1年半になろうとしている。 2020年4月にベルメクチンの使用で致死率が減少すると発表があり翌月から南米で使用開始されたが2ヶ月後の6月にデータ捏造で論文は撤回されている。10月に再び致死率低下の論文が発表されたが、これも2021年7月にデータ捏造で撤回

世界の転覆と一発逆転を夢見た人々

──なぜ仲間を集めようとデマを流すのか。現実と日常に帰りたくない人がいて混乱をよろこび、いつまでも続けと夢を見ている。それはAERA 『放射能がくる』からはじまっていたのかもしれない。 著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ コロナ禍に2種類の騒動があったただごとではない20ヶ月だった。そしてまだ進行中だ。 新型コロナ肺炎への不安が人々の日常を覆い始めたのは2020年1月20日あたりだった。マスク不足、ダイヤモンド・プリンセス号、北海道の危機と続き、志村けん氏が亡くなった3月末に

新型コロナ肺炎から見た情報のデジタル化

──デジタル化の障壁は老人なのか。使えない人は切り捨てるべきなのか。日本だけの問題なのか。 著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ はじめにコロナ禍は特別定額給付やワクチン接種など、情報伝達にはじまり申請や予約までデジタル化について考えさせられる出来事が多かった。マイナンバーカードとの連携が強化されたらもっと迅速に簡単にことが運ぶのではないかと考えさせられもした。 ワクチン接種の予約に電話を選んだ人は、WEBフォームから臨んだ人より圧倒的に不利だった。オペレーターにつながらず諦め

NAMIMONOGATARI 2021。可視化された闘うべき相手。

著者:ケイヒロ、ハラオカヒサ 皆が望んでいること邪魔されていること 画像は渋谷接種会場に抽選にきた千葉県の大学生。遠距離恋愛中の彼女は彼氏に会いたいがため一日も早いワクチン接種を望んで抽選会場に足を運んだ。 ワクチンを接種するのは日常を取り戻すためであり、コロナ禍を終わらせなければならないのも2019年までのあたりまえに帰るためだ。幸せを邪魔をする最大の敵は新型コロナ肺炎ウイルスだが、いまより少しだけましな日々の到来さえ誰かに邪魔されていると感じることがある。 202