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トロッコ問題の究極の解答

2023/08/23追記
wikipwdiaによると、トロッコ問題は、功利主義と義務論(つまりは倫理論だ)どちらを優先すべきか、という答えのない問いであり、それを考慮するとこの記事の内容は前提を誤認した誤りである。
しかしながら、この記事は当時の自分が「何らかの倫理論に沿って行動するべし」という結論に至ったランドマークであり、つまり、自己肯定のために残す。
また、この記事の結論から、暦は功利主義寄りであると言える。

トロッコ問題の難しいとされる点は、進路を変えて一人を殺してもそのまま五人殺しても社会的に責められうるということだ。

じゃあ仮に自分がこのトロッコに乗り合わせ、操縦桿を握っていたらどうすべきか。

私の答えは、進路を変更して一人を殺すことである。
なぜなら、資本原理主義に基づいて判断すればそれが最良だからだ。


トロッコ問題の当事者になってしまった場合、事後に起こりうるリスクは主に「社会から批判され、立場を失う」ことと「後味の悪さ」である。法的に難しい解釈になるので事故として処理できうるとして法的なリスクは薄いとする。

社会の人々は、進路を変えず五人を殺した場合「進路を変えれば失われる命は一つで済んだはずだ、殺人者」と糾弾してくるであろう。しかし、仮に進路を変更して一人を殺せば「命を選択するのは殺人者の発想だ」と弾劾してくるはずだ。

つまり、いずれにしても社会的に裁かれるし、後味が悪いのだ。


これを未然に防ぐための唯一の手段は「根拠を以て判断をする」ということだ。
なぜ、進路を変更して一人殺したのか。なぜ、五人を殺そうと思ったのか。それを事件直後に世間より先んじて表明しておくことで批判を最小限に抑えることができる。

ここで大切なのがその根拠の妥当性で、ここでいう妥当性とは社会で最も力のある勢力の考え方に沿ったものであるかどうかだ。
なぜならマジョリティの意見にそぐわない場合はマジョリティの格好の批判の的にされ、徹底的に排除されてしまうからだ。

そして、現状、世界中で最も力を持っている考え方は、おなじみ資本主義である。
つまり資本主義的な「根拠」であれば批判されにくいということで、資本主義的な根拠とはそれはすなわち市場原理主義であろう。

市場原理主義とは、自由な競争環境の中で、経済主体が合理的に行動(生産者は利潤最大化、消費者は効用最大化)すること。
政府の干渉を排除し、市場にすべてを委ねることによって経済上の諸問題を解決できるとする考え方である。
※ここでは一人を殺すことで四人分の労働力の損失を回避できるという意味。

https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2644.html

結論

もし君が、それか私が、トロッコ空間に引きずり込まれトロッコ問題に当事者として挑戦せざるを得なくなった場合、取るべき行動は以下の通りである。
操縦桿を握り、ギリギリまで迷う振りをして(野次馬へのアピールである)進路を変更、一人を轢殺し、直後記者会見かSNSで「とても緊急で重大な判断を迫られ、倫理感と罪悪感の最中、市場原理主義に則り進路を変更せざるを得なかった」と表明する。

こうすることで社会からの批判を最小限に抑え、今の立場、そして生活を守ることができる。
後味の悪さは市場原理主義の確からしさに縋って自分を誤魔化せば良い。


余談

人が重大な判断を迫られた時、常に必要であるのは「判断基準」である。
この判断基準が必ずしも正しいものであるならその判断は常に正しいし、間違っているのならそれは間違った判断にしかならない。

これはデカルトが提唱した演繹法《えんえきほう》という思考方法で、判断基準(または前提)が正しければ色々な状況に対応することが出来る。

この演繹法で難しいのは正しい判断基準を見つけることで、この世に例外の無い原理がほぼ存在しないことで当のデカルトも相当苦労したようである。
有名な「我思う、故に我あり」という言葉はそんなデカルトが、いま思考をしているということだけは主観的に事実なので自分の存在は絶対の原理として考えられるという意味なのだ。

実際問題、常に主観的にも客観的にも絶対正しい基準というのはほぼ存在しないに等しくて、それこそデカルトの「我思う」だとか、持論の「善く生きると全部良くなる」くらいしか無いように思える。

トロッコ問題の場合は、目的が世間を納得させるためなので「世間的に極めて正しいとされるルール」である資本原理主義を適用した。
これに限らず、基本的に日常で遭遇し得る判断というのは先述のような如何なる場合でも絶対不変の原理に基づかなくても十分良いと思うので、このように目的に即した判断基準、もとい原理で判断すれば良いと思う。

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