なぜ会社にミッションは必要なのか?
ネットでサービスが売れるサイトMOSHを運営している籔です。会社のことをより知ってもらうためにちゃんとミッションをまとめておこうと思い、筆を取りました。
目次
- 会社におけるミッションの役割とは何か?
- ミッションの背景となる創業前のメモを公開
- ミッションを実現するためのバリュー
会社におけるミッションの役割とは何か?
まず弊社のミッションの紹介です。
我ながら大好きなミッションです。ミッションの背景について、どういう考えのもとできたのか?を記録のため残します。
僕自身、はじめて会社に入ったとき、会社のミッションは、オフィスの壁に貼られている形骸化したフレーズくらいに思っていた節があります。
しかし、当たり前ですが、ミッションなきスタートアップはマニュフェストなき政治家と一緒であり、ミッションのために邁進しないスタートアップは当選後マニュフェストを有耶無耶にする政治家と一緒です。
会社にとってミッションは、その企業が存在する理由を言語化したものであり、創業者自身や、会社にとっては、志を社内外に明確に示すものとなります。
- 食を通じて世界中の人々をHappyに(Retty)
- 新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る(Mercari)
- Create a world where anyone can belong anywhere (Airbnb)
これらは、まさしくミッションとして分かりやすいミッションです。しかし、言語化はされていなくても、会社を作った以上、すべての会社にはミッションがあると思っています。ミッションに良し悪しは一切なく、存在理由の表明でしかありません。それに共感するかしないか。
例えば、
- 私自身が充実した生活を送るために、自分の得意なことで稼ぐ会社
- ユーザーに使われるものなら何でも作っては試す会社
- 業界で圧倒的なNO1で在り続ける会社
全ての企業にほぼ漏れなく存在理由=ミッションがあり、ミッションがなくなったタイミングは、それは即ち活動をやめ、会社をストップするタイミングです。
一方で、スタートアップという形態は一般的に社員、株主、ユーザーなど多くのステークホルダーを巻き込む社会活動です。
その点を鑑みると、この会社がなぜ存在しているか?を表現することは最低限の義務だと感じていました。
ミッションを表明していないスタートアップに関わることは、自分の場合は抵抗があったため、弊社ではミッションを早めに言語化をしようということで、プロダクトリリースして1年経った2019年初旬に創業時のメモや、合宿を通して言語化していきました。
ミッションの背景となる創業前のメモを公開
今のミッションを言語化する際に、創業前のミッションっぽいメモを見ながら僕の方でまとめていきました。
帰国後、創業前の2017年4月段階での創業メンバーに突然のピボットを告げるためのピッチ資料(世界一周前は小中高校生向けのチャット家庭教師をやっていた)。資料としてのクオリティがやばすぎる....謎のボタン感。
2017年7月にシードのピッチをするときに記載していたビジョン。NPO作るの?とか、ピッチしてる目の前で寝られたりしたことよく覚えてます。眠くさせるようなピッチしてごめんなさい。見とけよ〜
このあたりからキーワードとして、今の情熱がめぐる経済を作るというミッションに近いキーワードが散見されます。
また、あわせてプロダクトの原型も徐々に原体験を積み重ねていき、今の形となっています。前回noteに書いたので、ぜひご覧ください。
ミッションを実現するためのバリュー
では、バリューとは何か?
これは、「ミッション/ビジョン達成ために必要となる組織として個人に求める行動規範」だと僕は理解しています。
つまり、バリューとして表現されていることを組織全体で行っていくことができれば、ミッションやビジョンに近づくことができる。
そういう行動の指針となるもの、という理解で弊社ではバリューの改善・運用を行っています。
ミッション・ビジョンの達成のためという前提に立つと、必要となる行動規範は、マーケットやチームの文化にも大きく依存します。
攻略に時間がかかるマーケット、過当競争のスピード勝負のマーケットなど、マーケットの特徴によって必要となる戦い方は当然異なり、チームの特徴・文化によっても戦い方に影響を与えます。
PMFをする手前の段階では、マーケットへの解像度や、必要となる組織の形が不明確なことが多いため、ミッションやバリューの選定などはまだ早いと言われることが多い気がしています。
他のマーケットのことはわかりませんが、弊社が取り組んでいるサービス領域については、以下のようなマーケットの特徴を持っています。
1. 個人やスモールビジネス中心
生活関連サービスの領域では、個人・小規模事業者がマーケットの多くの割合を占めます。
1つの背景として、無形のサービス提供、というのは最終的なサービス提供主体が「個人」によって提供されることが多いため、技術や集客が成熟してくると独立の機運が高まります。
もちろん集客や設備などを鑑みて、組織を組成することはとても一般的ですが、SNSや、シェアリングのサービスなどの充実によって、個人・小規模でも活動しやすい方向性に向いています。
2. 故にインターネットサービスのトラフィック変化の影響をもろに受ける
インターネットの変化をもろに受けます。
facebook, instagram, twitter, youtuber, tiktokなど個人を結果的にエンパワーメントするサービスは日々生まれ続けます。
これらをみなさん使いこなすため、我々のようなITサービス提供者もこの変化を素早く理解し、プロダクトに落とし続けることが求められます。
3. マーケット攻略には長い時間がかかる
このマーケットは攻略まで長い時間がかかります。
海外のサービスや、日本の類似サービスを見ていただいてもわかりますが、めっちゃくちゃ急速に立ち上がるマーケットではありません。
そもそも、個人のエンパワーメントという非常に課題が大きい領域であること、先程の背景1もあり、時間はかかりますが確実に前に進んでいくマーケットです。
しかし、このような市場の特徴や背景は、最初はあまり理解できていないまま、このマーケットにエントリーしました。
徐々に理解できていくにつれて、どういうチームで攻略していくべきなのか?どういう組織文化を作っていくべきのか?ということが徐々に明確になります。
例えば、これらマーケットの特徴を鑑みると、少なくとも以下のような特徴を持っている方々がこのマーケットで楽しめると思っています。
1. 個人の個性の発見や拡張を楽しむことができること
2. 流行り廃りあるインターネットサービスの特徴を理解して、素早く変化に適応し、プロダクトに落とし込めること
3. 長い時間軸で物事を捉え、大きな社会変革を楽しむことができること
創業者自身がこの特徴を備えていることはもちろん大事ですが、すべての関わっていただく方々にも、この特徴をよく理解してもらった方が、成功確率は確実に上がります。
そのため、上述したミッション、マーケットの特徴、必要となる組織文化などを理解した上で、バリューを考えていきました。
1. Start with one - ひとりの生き様からはじめよう。
これは良いプロダクトや事業を作るためのバリューです。
上述した通り、極めて変化が早い領域で、変化はいつも1人のユーザーから始まったりします。多くのケースで、ユーザーは僕らが想像するよりも早く、新しいことをチャレンジしているので、それらを的確に発見し、更に便利にしたり、拡張することをプロダクトや事業を通して実現していきます。
そういう気づきを素早く得るためには、ユーザーセントリックなチームである必要があります。そのための一つの指針となります。
2. Care and respect - 立ち止まる優しさを持とう。
チームとして、お互いを理解するためには、相手の言っていることの理解は簡単ではないという前提に立ち、想像力を働かせることが大事です。
納得していないメンバーや理解できていないメンバーがいれば、たとえ一時的にスピードが落ちたとしても、立ち止まる優しさを持つことが、結果納得感につながりスピードをあげることにつながると思っています。
そういうことを促すための指針です。
3. Go with mates - 境界を仲間と軽々越えよう。
意思決定をするときには、バイアスや、暗黙のルールは排除して、インサイトや独自のファクトを信じて、仲間と一緒にジャンプすることを推進したいと思っています。そういう大胆なチャレンジを積み上げていきます。
4. Praise! - 小さな一歩に拍手を贈ろう。
どうせ長い時間働くんだから、楽しく働きたいよねって思っています。
お互いに褒め合うことができる人や、文化を作っていきたいと思っております。ユーザーさんと同じように、僕たち自身も好きなことに没頭でき、その才能に拍手を送り続けられるチームでありたいという、そういう背景から来ています。
これら4つが我々の最初に設定したバリューです。
バリューはまだまだ未完成です。運用をしながら、少しずつミッション実現のため、組織としての価値ある行動規範を言語化していきたいと思っています。
これらが私達のミッションやバリューの背景となります!参考になれば幸いです!興味持っていただいたらぜひtwitter までDMください!
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