【クラシック】コンサートを終えて

お話しが横に逸れますが、
先日開催されたオーケストラの演奏会について備忘録。

私は趣味でバイオリンをやっております。
今回はコンサートマスターとして舞台に立たせていただきました。


当団体は流行病により三度の延期を余儀なくされ、
メンバーもなかなか揃わず、やっと迎えられた当日。

たくさんのお客様にご来場いただき、無事に終演いたしました。

当日まで本当に長かった。


■当団体について

結成は二年前、
プロオケ所属の音楽家が地元にオーケストラをということで
地元有志を募って結成したのが始まり。

市初のアマチュアオーケストラとして新聞にも掲載されました。
(最近県内でも人気のある市なので話題性抜群)

たまたま同時期にジュニアオーケストラも結成されたということで、
そのことも話題になりました。

旗揚げの演奏会は流行病前ということもあり、大きな盛り上がりで終演。
地元からの期待もあり是非第二回もと好評いただいた矢先の流行病。

ここからが苦難に満ちたお話しの始まり。


■三度の延期

流行の当初、未知ということもあり、
まだ普通に練習して、普通に演奏会が行えると誰しもが思っていました。

しかし、何もかもが初体験のご時世となり、
練習も中止の連続、蔓延防止や緊急事態宣言も出て予定していた日程での開催が困難となりました。


“コンサートマスター交代”

そんな中、延期日程がお仕事の都合と合わず、
予定していたコンサートマスターが出演不可となりました。

そこで出来たのが第一・第二コンマス制度。

そもそも趣味とはいえ、
時間もお金も労力もかかりすぎるベリーハードな楽器演奏。
ドMですよ。

日常のお仕事とプレイヤーとしての両立は結構大変なんです。


ましてやコンサートマスターは、
プレイヤーに演奏の指針も提示していかなければならないリーダー役。
さらには演奏面のご意見番として運営役員でもある。

第一コンマスは学校の先生ということもあり、予定が立てにくいのだそうです。

私もベンチャー企業でアホのように働いておりますが、
世のプレイヤーはよく両立できているなと感心いたします。

プラス家族を持たれているとなると、頭が下がる思いでいっぱいです。


というわけで突然表舞台に引っ張り出された自分は、
試行錯誤の迷走コンサートマスターとして走りだしました。

■コンサートマスターの楽しみ

学生時代から色んな団体でやってきましたが、
コンサートマスターはどんな場面が楽しいのだろうと改めて考えてみました。

自分個人の楽しみは

“チューニング”

奏者の中でコンサートマスターだけが演奏開始前に唯一見られる景色。

それは、

『プレイヤー全員の顔』

みんな色んな表情をしています。

・緊張顔
・場慣れ顔
・集中顔
・不安顔 等々

そんな十色の表情に対して、私は目を合わせてニコッとします。

・微笑み返してくれる人
・そもそも見ていない人
・別の表情で返してくれる人

たくさんのお返事があって楽しいです。

その時に人となりや、これまでの信頼度も分かります。

だいたい微笑み返してくれる人は、演奏技術や経験も豊富で謙虚です。
良い状態の人、とでも言いましょうか。
※あくまで私個人の見解ですのであしからず(笑)


“お立ち”

正式名称は知らないです。


演奏終了後に指揮者が、
活躍したプレイヤーやパートに対し、
立たせてお客様から拍手をいただくという儀式があります。

その時にコンサートマスターは高確率で立たせてもらいます。
今回はソロがあったので一番最初とパート立ちの前に二回いただきました。

この時、拍手のボリュームが少し上がるのが快感でたまりませんね(笑)


■演奏会は“ライブ感”

今回パートのグループLINEで何度も文字にした言葉。

スマホで名曲が聴ける昨今。
お客様はなぜわざわざ

・時間
・お金
・体力

を使って会場まで来ていただけるのか。

それは『体験したい』と思って来場くださるのかなと思いました。

完璧(?)な演奏を聴きたいならプロの演奏会にどうぞ。
せっかく時間を使って足を運ぶならそれが合理的ではないでしょうか。


ではなぜわざわざアマチュアの演奏会を選んでくださるのか。

それが『ライブ感』

この体験はプロもアマも関係ないと考えています。

高校野球の人気に例えたらわかりやすいですかね。
求めているものの根本が違うのです。

・必死
・がむしゃら
・一生懸命
・驚き

思いつく言葉を並べてみましたが、
どれもスマホの音源からは汲み取りにくい要素かと思います。
そして、プロの全部が全部できることとも思えません。

これに

・つたなさ

を加えたら高校野球ですか。

人ってこういう人間臭さみたいなところに心を打たれるのかなと思ってみたり。


演奏技術以外で私たちができること

・表情
・アクション
・一体感

舞台俳優になりきろう!

ということで日ごろからテーマにしてきた一例でした。

無表情禁止
嘘でもいいから泣いて笑って

お地蔵さんダメ
コンマスの動きに沿っていたら尚可

意志のない音符ゼロ意識
最初から最後まで全力表現/ペース配分なんてクソくらえ


なんだかすんげーブラック臭が漂っていますが・・・


最近特に弦楽器はお利口さんに弾く団体が多いんです。

おめーらが主役なのに、なんでお客さんみたいな顔して弾いてんだよ。
妙に大人ぶってみたり、自分を出さない、はしゃがないのが美学、みたいな。

今の時代、YouTubeで海外の演奏もたくさん観ることができるのに、
いつまで平たい顔族みたいな顔で演奏してんだ。と言いたい。


■なんでライブ感

わたくし、元は野球少年。
併せて器械体操を中心にスポーツのオールラウンダーを育成する体育教室にも所属しておりました。

いわゆるスポーツ家庭で教育を受けてきた人生です。

音楽なんて再生する機器もありませんでした。

高校の途中で野球に挫折して、
たまたま通っていた高校にオーケストラ部なるものがあり、
部員の友人が誘ってくれたので見学に行ったのが楽器を始めるきっかけです。

そこで初めて触れたのがオーケストラの合奏。


迫力に震えました。


私はいわゆるレイトスターターの部類。
それから下手のもの好きといいましょうか、
大学でも続けて、社会人になっても続いています。


おそらく小さいころから楽器をやっている人より、
お客様側の気持ちに近い感覚を持っているのかなと思います。

多感な高校の時期というのもラッキーだったでしょうか。


だからこそ最初に震えた感覚を大切にしていきたい。

長年同じことをやっていると、
何事も相手の立場や気持ちを忘れてしまうのです。


お客様の大半が人生初めてオーケストラの演奏会。

『クラシックって眠い』
『優雅なご趣味ですね』
『えっ歌ないの?』
『吹奏楽?だっけ?』

とんでもない

だからこそ演奏会に来てほしい。
だからこそ体験してほしい。

だからこそプレイヤーは演奏会というエンタメを
『体験してよかった、また来よう!』に仕上げたいですね。


続きも書いていたのですが、
どんどん過激になっていったのでここまで(笑)

選曲とかマンネリプレイヤーと人生とかね。。。

半端ですみませんが、
ありがとうございました^^

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