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自分が苦手なほうに期待されるとしんどいだけ

父方の祖母は、父が物心つく前、20代後半で亡くなりました。死因は覚えていません。祖母は戦時中、大病院の看護師として、懸命に働いていたそうです。祖母の形見である看護師学校と産婆学校の証書を、父と祖父が大事に飾っていたのを覚えています。

祖母の一族の中で、祖母は少し変わり者扱いされていたようです。本来女は学など身につけないで、早々に結婚することが良しとされていた中、周囲より器量が良くなかった祖母は、勉強を頑張って看護師になった、と。祖母の兄など、男性陣からは、勉強ができて真面目で看護師として頑張っていた祖母は誇りだったようです。祖母の写真は遺影しかありませんでしたが、ブスというよりは華がなくて地味なだけという印象でした。

器量が悪くてそこそこ勉強ができた私は、祖母の兄や祖父などから、祖母の再来と期待されました。でも、祖母の親族の女性陣からは、こんなブスがとか、とか言われて、「お前らなんか、もう美人かブスかわからないほど、老けてしまっただろうが!集まれば汚い声で悪口ばっかり、そっちのほうがみっともないわ。」と言ってやりました。

祖父たちが私に期待したのは、看護師や学校の教師になること。理数科の高校に進学したので、医者や薬剤師なども期待されていました。しかし、大学は工学部に進学しました。女性の多い世界が大嫌いで、口の悪い同級生や先輩の女子にいじめられた経験もあったこと、未だに女性に期待される「お世話が好き、上手なこと」が苦手だったので、女性が資格を取って手に職つける、特にお世話関係の仕事には興味ありませんでした。祖母が早く亡くなったゆえに、勝手に期待されて迷惑でしかありませんでした。

結婚も出産もしない、1人で生きられるくらい立派になると、意気込んでいたものの、その後の人生は低迷し、いろいろあって結局結婚も出産もしました。でもどうしても女性ばかりの世界に馴染めず、子どもを世話するのも苦痛で苦手です。それでも、今日は生きてます。明日はどうなるかわかりませんが。

子どもには何も期待してませんが、女性に生まれたことを後悔だけはしてほしくないなあ、とだけ思っています。

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