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メランコリックジャーニー
――ある日、すべてがゼロになった。
何の話かって? 私の話だ。
今回は私がゼロになった話をしようと思う。
毎回毎回、勝手気ままに自分語りをしているが、こういう話をしてどこかの誰かに届いたらいいなと思って綴っている。
こんな奴もいるんだなとか、自分の方がまだマシじゃないかとか。そう思ってくれたらいい。
さて、話を戻そう。
昨年の夏、私は持病だった病気が悪化して仕事を辞めた。
命にかかわる病気でも、手術が必要な病気でもない。ただの精神疾患だ。
そいつは気分変調症といって、少し前までは持続性抑うつ障害なんて呼ばれていた。その名のとおり、抑うつ状態が持続する病気だ。
厄介なのは、うつ病と違って投薬効果が出にくいこと。私もかれこれ10年以上患っていた。
転職をきっかけに悪化したそいつは、私に抑うつ気分をもたらした。
自殺を考えない日はなかった。次第に飲み下す薬の量も増えて、そして私はゼロになった。
仕事を辞めて、すがる人もいなかったから実家に頼った。それなりの貯金はあったけど、心は空っぽだった。
そんな空っぽな私の前に現れたのが、ライターという仕事。
今まで書いていた小説とはまったく違う世界。多少ウェブの知識はあったけど、何もかもが初めてで戸惑った。
でもそのとき、少し光が見えた気がした。
最初は、ベッドで横になりながら原稿を書いていた。次第に起き上がれる時間も増えたけど、今もまだ空虚な日もある。
病気は、まだ私の中にある。
完治なんてそう都合よくはいかないけど、ほどよく飼いならされた獣がそこにいる。気分は悪くない。
消えたい気持ちはなくならないけど、自殺の方法を考える時間は減った。万々歳だ。
そんなこんなで、一度ゼロになった私は今ここにいる。
どうだい? 転機って、意外なところにあるものだろう?
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