見出し画像

離島への旅 4日目

何しろ私は、ここにウミウシを探すためにやってきている。
海に潜っても、美しい魚ばかりに気を取られている現状は不本意だ。
ウミウシポイントを自力で探さねば、始まらない。
今日は、島にある「座間味村役場」に朝から出かけて、「初心者が絶対泳いではいけない潮の流れが早いところはどこか」を伺ってきた。

回答。
「基本的に海開きしていないビーチは、どこも全部危険だと思ってください」
えっ?
人がいなさそうなところを狙って行こうと思っていたんですが、そうですか、全部ダメですか。
仕方ない。

結局、カメさんがやってくる阿真のビーチに行くことにする。
阿真は湾の奥にあるし、ライフセーバーもいる。
これから満潮に向かう時間なので、おそらくカメさんにも運が良ければ会えるだろう。

あまり珊瑚や岩場のないところだった気がするが、そんなところにもウミウシはいるのだろうか。
敦賀で培われたウミウシ・アイは、モノトーンに近い岩場限定でしか発揮されない能力なので不安だ。
しかし、島人の言うことは聞かねばならぬ。
なんとしても、阿真でウミウシを一匹は見つけるぞ。

ところで話は変わるが、宿の裏手から毎晩、奇妙な鳴き声がする。
大量のカエルの声に混ざって、鳥だか獣だかわからない生き物の声がするのだ。
裏がすぐ山で、ジャングルが迫っているため、何が居ても当たり前と言えば当たり前なのだが、正体がわからないのは不気味だ。

そして、鳴き声よりもっと気になるのが、生えている植物だ。
「これ、近くのホームセンターで1鉢3000円くらいで売ってたやつじゃない?」
と思う観葉植物が、その辺にわんさか生えている。

「まじですか?私は、沖縄の山に行けば誰も見向きもしないような植物を、そこそこの金額で買おうとしていたんですか?!」

と正気に返った。
多肉以外は、もう絶対買わないと決めた。

**連続投稿809日目**

この記事が参加している募集

スキしてみて

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。 サポートは、お年玉みたいなものだと思ってますので、甘やかさず、年一くらいにしておいてください。精進します。