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離島への旅 4日目 その2

村役場で聞いた通り、大人しく阿真ビーチに行く予定だったのだが、地図を見ていたら「ユヒナの浜」というのが目に入った。
前回、きた時には訪れた記憶がない。
Googleマップで確認すると、時々SUPの講習場所にもなっているらしい。
島の裏側で、観光客は少なそう。
ビーチまでは、バイクを止めてすぐに歩ける距離に見える。

「ここに行ってみよう!」
阿真に行きかけていたバイクを回旋して、ユヒナの浜に向かうことにした。
決断の早さが私のいいところである。

島の道路は単純なので、ざっと見ればわかる。
「えーと、道なりに行って、左折2回ね、OK、OK」
これくらいなら地図は見なくてもいける、と自信たっぷりに向かったのだが、気づくと崖の上の展望台にいた。
あれえ?

右も左も正面も崖、それぞれマンションの10階くらいの高さがある。
下を覗き込むと、いい感じのプライベートビーチが見える。
「地図では近そうに見えたけど、あれがユヒナの浜?まさか、これを降りるのか?」
道は、なくはない。
人が通ったあとはある。

ただ、滑りやすいダイビングシューズで急傾斜を行けるのかどうかはわからないし、泳いだあと疲れた体でこの崖の道を10階まで登ってくるのはいやだ。
しかし、ここまできたからには行ってみなくては始まらない。

薮の道を抜けると視界が開けて、急勾配のまま海に落ちていく岩場になった。
ひー!と背の低い草に捕まりながら、よつばいになって怖々降りていく。
視線を感じて振り返ると、展望台から5人くらいの外国人が、両手を胸の前で組んでこちらを凝視している。
これは、「落ちろ」と祈っているのか「頑張れ」と祈っているのか。
いずれにせよ「見せもんじゃねえ!」というセリフはこういう時のためにあるのだろう。
言わないけど。

写真を撮る余裕が全く無いまま、滑りそうな岩場を10メートルほど降りて、ようやく海に着く。
まだそんなに暑いわけではない座間味で、汗びっしょりだ。

降りたところは岩場で、タイドプールができている。
岩に囲まれたその外は、けっこう激しい波が押し寄せている。
泳ぐ勇気が湧いてこなかったので、そのまま広めのタイドプールで岩をひっくり返してウミウシを探した。
結果、全滅。
諦めて、きた道を戻るが、この頃になると、さすがの私も「ここはユヒナ浜ではないのではないか?」とようやく気づく。
だって、Googleマップに載っていた写真は、もっと穏やかそうなビーチだったし。

そこで、Google先生に再度確認すると、こんな位置関係で、私がいたのはチシ展望台だった。

「左折、左折」と思いながら、右に曲がっていたらしい。(よくある)

こんなアホな迷子の果てに、転落死しなくて本当に良かった。

そんなわけで、ユヒナの浜はまだ未踏である。

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