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檻の中の公園

 先週のオードリーのオールナイトニッポンをradikoで聞いていたら、東京の公園事情について、若林さんが語っていた言葉に衝撃を受けてしまった。

 若林さんが都内のどこに住んでいるのかは知らないし、23区内のすべてがそうではないとは思う。けれども、子どもを育てる家族への圧はここまで高まっているのか、と戦慄するに足る話だった。以下、該当部分を抜き出して要約する。

 うちの最寄りの公園が、柵に囲まれた狭い公園なんだけどね、5時になると閉まるのよ。なんか、鍵とかかけられてね、入れなくなる。ちょっと遠めにあるもういっこの公園も5時ごろ、柵閉めるのよ。で、今の公園ってボール遊びしちゃいけないし、めっちゃ混んでるのよ。

オードリーのオールナイトニッポン 2024年6月1日

 メインの話題は、公園の鍵の件ではなく、奥さんがエリア内の子育て環境の貧弱さに悩んでいて、もっと西へ引っ越したいという話だった。スーパーに買い物に行くと、通路が狭くてベビーカーで買い物する人が周囲の邪魔になっている気がしてしんどい。子連れでランチができるファミレスやフードコートがない。お洒落なカフェのごはんは雑穀米であることが多く、重篤な蕎麦アレルギーを持つ身には恐怖でしかない、などなど。もっと広い買い物しやすいスーパーがあればいいのに、気軽に子連れでランチできる場所があればいいのに、ということだろう。

 でも、東京の西、相模原で長く子育てしてきた私としては、西に行っても子連れへの圧がそんなに変わる気もしていない。確かに、都内より自然は多くなるし、公園に鍵も無ければ、イオンのフードコートはあちこちにある。けれど、肝心の「人」はそんなに変わらない。子育て家庭が比較的多いエリアだから、そこをターゲットに商売する人が多いだけで、子育てする人に優しいエリア、というわけではない。

 行政の子育て支援策として出てくるのは、①出産費用全額助成&出産お祝い金の支給②こどもの医療費18歳まで無料③高校三年間の学費助成といった、お金ベースのものばかりだ。確かに、そこで困っている人もいるのだろうとは思う。だが、お金の悩みとは無縁であろう方々が、子育てする際に感じる「ひやりとした無関心」を社会で解決する方が、お金を配るより先なのではないかといつも思う。それさえ解決してしまえば、子どもなんていくらでも増えるだろうに、と。

 5時に閉門する公園は、誰の方を向いてそうしているのか?通路の狭いスーパーを設計した人は、誰の方を向いてそのように作ったのか?それを見過ごす行政がいくら「子育て支援でござい」とお金を配っても、本気じゃないなあと思ってしまうのは、私だけなのだろうか。お金さえあれば子供が増えるなら、先進国ほど出生率が低くなるのはどういう理屈なんだろうか。

 まさか、オードリーのラジオで憤慨することになるとは思わなかった。


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