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学校におけるICTの使い方

とあるICT教育の勉強会で、ICTはITの間にCommunicationの「C」を入れたもので、IT技術をコミュニケーションに活用して授業に活かすというものだ、と伺いました。

私としてもその考え方は良いなと思いました。

というのも、新型コロナウイルスの影響で自宅学習を実施していたとき、生徒との連絡や学習面での繋がりを持つために必要だったものが、生徒のスマートフォンであったり、タブレット端末であったからです。

要は、同じ場にいなくても生徒と教育活動を行なうために繋がることができる、という意味において必須のアイテムであったということです。

それに加えて、遠く離れた学校の生徒との交流をZOOMを通じてであれば実現することもできたこともあり、距離を縮めてコミュニケーションを行なうことが可能になるというツールなのだ、という思いがとても強くなりました。

更には海外の学生との交流も実現できそうな状況なので、ICTによって物理的な距離が一気になくなった印象です。

そもそも、ICT機器は道具の一つであって、その利用は目的ではないと思っていましたので、使い方が最も大切で、何のために、どう使うかということに対してもっと研究したり、試してみたりしながら可能性を模索していきたいと以前から考えていたのですが、どうも頭でっかちになっており、AIを活用して学習における個別最適化のツールに使うとか、どんなデジタル教科書を導入するべきか、どんなアプリを入れさせたら良いのか、ということばかりに意識が向いていたのですが、そもそも、もっとシンプルなところに最も有効な使い方があったな、とさえ感じています。

もっと言うのなら、学校という環境はどうしても学校外の世界とは隔絶されがちですし、管理上、頻繁に外に生徒を出すという行事はできません。そのために教員、生徒ともに、とてもクローズドな環境になります。

それが学校にいながら(または自宅にいても)、学校外の社会と繋がって協働したり、交流することが可能になる、というだけでそれは大きな価値があることなのだと思うからです。

直に会ってお話を伺うことによって得られるものも当然ある、と思っていますが、そこに拘り過ぎてもっと多くの可能性を排除することになっているのだとしたら何ともったいないことか。そんな風に考えてみると、人と人とを繋ぐコミュニケーションツールとしての利用に教育的な価値が大いにありそうです。

別のICTセミナーでは、大きく見せることから始めましょう、というお話があり、プロジェクターを使って自分の端末から大きく見せる、とか、生徒の端末に資料を共有して手元で見られるように共有するとか、そんな活用をイメージするのが教員にとっての利用のハードルを下げることになるかな、とも思っていましたが、ZOOMなどのツールがこれだけ一般的になった今となってはむしろ純粋にコミュニケーションツールとして使いましょう、というお話の方が有効性を見出しやすい状況ではないかなと感じます。

その上で、ICTに触れるという経験値が上がっていけば、抵抗感も軽減されます。難しいことを覚えさせようとするのでも、高尚な活用法を考えるでもなく、シンプルにコミュニケーションツールとして導入し、その先でペーパレス化や、生徒との情報伝達、課題配信と提出、動画作成、学習アプリの選定など、段階的に必要性に応じて使い方を学んでいくという発想でまずは良いのではないかなと思います。



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