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マックのメニューの中で泳ぎたい

スターバックス、マクドナルド、すき家。これまで「あのCMで見た期間限定のやつ、食べてみたいな」とか、「無性にチェーン店のファストフード食べたい口だわ…」とか思うことがあっても、近づけなかった場所だ。

それが、この数か月のうちに、休みの日はスターバックスに入り浸るようになり、意を決してマクドナルドに入っただけでなく、先日は人生初めてのドライブスルーも体験し、出張で東京に行った時には飲んだ後になんとなく満たされないお腹を抱えて1人ですき家に入った。これは私の中で、かなりの革命が起きている。

なぜそれらのお店に入れなかったかというと、「休みの日に知っている人に会いたくない」というのが理由だと思い込んでいたけれど、どうやらそうでもないということにも気づいた。というのも、そもそも自分が住んでいるまちに、知り合いなどそれほどいないではないか。しかも私の休みは平日なので、出歩くのはほとんどの人が仕事をしている時間帯。会う確率はかなり低い。ここから導いた結論は、私が会いたくないのは(休みの日にまで)"会いたくない人”である。何も特別ではない。基本的にみんな、会いたくない人には会いたくないであろう(なぜなら会いたくない人だから!)。
現に、会いたい人にたまたま会えると、その日一日が”いい日”になるくらい嬉しい。

あと、もう一つ理由として考えられるのは、スタバならまだしもマックやすき家に1人でいるところを見られたくない、という自意識過剰な理由。これはまずまず、事実であることを認める。ひとり時間に関してはかなりプロでして、結局ひとりが一番楽だし、なんというか出来事一つ一つを自分のペースで味わえてひとりって幸せだナァ、とは常々思っている。でも、アラサーの女性が1人でマックやすき家にいるところは、惨めさが際立つ気がして躊躇してしまう。常日頃、そういう視線がいまだに残る世の中は生きづらくてけしからんなと思っているのに、そういう視線(が実際にあるないに関わらず)を意識しているのは自分自身ではないか、と我に返るたびに自分の小ささにため息をつきたくもなる。

そしてここから本題なのですが、いろんな要因がある中でも、私をチェーン店に向かわせなかった一番の苦手意識は、選択肢がみっちりぎっしり並んだ、あの夢のようなメニュー表です。夢のような、というのは確かにそのたくさんの選択肢の中で自分が欲するものを泳ぐように選べる玄人な方々にとっては、夢のようだと思うのです。ただ、最初に持った苦手意識をそのままこそこそと養いながら、ここまでチェーン店にお世話にならずにやってきた私にとっては、NOT夢なのです。言うなれば、圧なのです。

スタバはなんとか、カスタムには程遠いですが、メニューにあるものに関してはなんとなく様子がわかりました。頼むのはだいたいソイラテですが、たまにフラペチーノとかに冒険をしてみたりしています。まず、今日はホットかアイスか、甘いのかそうでないのか、などで選択肢が絞れるようになりました。マックもなんとなく。でも先日は、初めてのドライブスルーで、セットのサイドメニューを「ナゲット」って言えた!(今まではなぜかポテトしか頼めなかった)と思ったら「ソースはBBQ、マスタード、どちらにされますか?」と不意打ち(店員さんにとってはマニュアル通り)を打たれて、あわあわなってしまった。結局、「マスタード…で!」と言ってみたが、私が欲しいのはどうやらBBQの方だったようだ。毎回、勉強である。

という具合で、特に結論も何もないのだけど、スタバとマックに行けるようになったというのは自分にとってだいぶ進歩だ、というお話でした。すき家は東京の見知らぬ町で行った以来行けていなくて、まずはドライブスルーに挑戦かなと思いつつも、店内で食べれるようになるにはかなりかかりそうです。(すき家に関しては2つ目の自意識過剰要因が強い。)

まあだからなんだって話ですが、こうやってひとつひとつ、「やろうと思えばできるけどなんとなく避けてしまってきたこと」の壁を越えてみるというミッションを自分に与えてみるというのは、なかなか面白いね。

これから先の私の人生には、スタバとマックとすき家があるのだ!なんて。


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