宝塚月組『桜嵐記』の感想などなど
好きな時代の演目を宝塚でやるって、本当に嬉しいです。
月組を見るのは久しぶりでしたけど……まだ、たまきちさんとちゃぴさんがトップコンビの時でしたけど……。
私の中では、河村恵利先生の漫画の印象が強い、楠木正行と弁内侍のお話ですけど、
あの上田先生だし、悪いようには書かないだろう、と見に行くことにしました。付き合ってくれた友人、ありがとう。
結果→見に行ってよかった~。泣きました。
結構月組を過去見に行っている割に、たまきちさんは普通にしか見れなかった私ですが、最後(途中もだけど)、泣きました。
最初、難しい、南北朝時代のきっかけをきちんと紹介してくれるのも嬉しい演出ですよね。(しかも紹介してくれるのは、のちの正儀という伏線にもなっている。)
弁内侍は、日野俊基の娘。日野俊基といえば、榎木孝明さんが脳裏に浮かぶ私である(大河ドラマの『太平記』です)。彼女は復讐のため、高師直に近づこうとしていた。で、高師直がゆりやくんだったんだけど、はじめ気付かなかったわ!!私の中でゆりやくんって王子さまなんだもの!!なんか悪役のすけべったらしいあの役とはじめ一致しなかったわ!!
そのもとに行く弁内侍が野党に襲われたのを助けるのが正行。吉野に送り届けるうちに、二人の間に恋が芽生えるのですが。個人的に『料理以外なんでもできる』弁内侍が、大根切るところがかわゆかったです。
吉野の南朝では、武家は下に扱われ、勝つのは無理と思っているけれど。公家はそうは思っていない。
後村上天皇に正行は真意を訪ねると、誰も戦で死なせたくはない、だけど父天皇(後醍醐天皇)の執念を考えるとそうはできない、という。
ちなみに大好きな後村上天皇は、ありちゃん(暁千星さん)。その微妙な心情をうまく表現してくれて、大好き。
後村上天皇は正行とふたりになったとき、心情をあかし、そして中宮と弁内侍を呼び、正行に弁内侍を与えようとするが、正行は断る。短い命に妻はいらない、と。泣けますよね。(実際泣いている私である)
足利尊氏と高師直は、正行をはじめとする楠木三兄弟を北朝へ寝返らそうとするが、正行は断る。そして、次男・正時の妻が北朝へ寝返ったことを知った正時は、妻を離縁する。
四條畷の合戦の出陣前の正行と弁内侍の二人の恋がめっちゃ美しかった。泣けました。
そして、四條畷の合戦。正時は討ち死に、正行も瀕死の重傷を負う。
この合戦の時、過去回想で、楠木正成が三兄弟に話す場面が銀橋で入るのですが。賀名生の地名が出てきて胸熱でした。賀名生……悲しい土地(興味がある人は調べてください)。
で、何十年後だっけ?正儀が弁内侍に、正行の最後を話すシーンを挟んで。(ひそかに南北朝が終わることも言っている。正儀は北朝に寝返っていることも考えるとちょっと寂しい気もする)
で、合戦の後に、出陣シーンを持ってくるところが、上田先生、うまいなーというか、ずるいなーと。泣きますよ。
たまきちさんが旅立つところと退団をかけられたらね~。
そして、後村上天皇が和歌を詠んで、「戻れよ」と声をかけるんだけど。うるうるしますよね。
あー、本当に見に行ってよかった。美しく、儚いお芝居でした。
↓脚本も載っているルサンク。買っちゃった。
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