2023.03.04 小舞子-美川にて~名水で見かける金の欲~
2月のぶらり途中下車の旅。石川県白山市の小舞子駅で降りて、隣の美川駅まで歩いた。本当なら2月は引っ越し前最後のぶらりだったから、京都駅周辺を歩いて「京都ってどんな街だった?」という総括を出そうと思っていた。引っ越しのアレコレで時間が取れなかった。
京都の総括としてはもうnoteにあげてるやつ ※1 があるからいいや、どうせ似たような文章しか書けないだろうし。
白山市のこの地域には平成の名水百選に選ばれた「白山美川伏流水群」※2 という湧水群がある。引っ越しの荷物が届くまでの間、石川1泊のついでに見てこようと思った。
前日に京都でも雪が降っていたということもあり、小舞子駅に着いた時点でうっすら雪景色になっていた。もう靴はびしょ濡れになると覚悟した。
細道をくぐり抜けてまず、呉竹水荘という東屋に着いた。小屋の中に湧き水があるのだが、冬だからなのか閉まっていた ※3。この地域の水は飲めそうだった辺り、残念だった。
そこから手取川沿いに美川駅方面に向かった。この地域が海に面してるということもあって、遠くに海も見えた。朝焼けの白い日差し、厚めの雲、雪景色もあって、カメラに残した写真もなんだか幻想的だった。歩いてる時はびしょ濡れの靴にブチ切れてたけど。
次はお台場の水という湧き水に着いた。ここはよく見る、水槽が3エリアに分かれているタイプ ※4 で、蛇口に対して上流から、水を飲む所→野菜を冷やす所→洗い物をする所となっているのだろう。
地域住民の管理が行き届いているのだろう、かわいらしい飾り付けがされていた。造花とか観葉植物、ハロウィンや節分の装飾人形で飾られていた。
地域の子供達、おじいちゃんおばあちゃんが手入れしているのだろうと考えると胸が温かくなった。行事の季節感がゴチャゴチャになっているところとか、謎にメタルスライムのスライムタワーが置かれているし、もう水を飲む用のガラスのコップにも実家感が出て、なんだかほっこりした。
次は大浜の水という湧き水に向かったのだが、そこに先客がいた。
名水巡りでよくあるのだが、近隣住民が車でやって来て、大量の2Lペットボトル・ポリタンクで水を汲んでいる。それがまぁ長いのだ。長々と大量の水を汲んで、いつまでもいつまでも湧き水を占領してるやつがいる。こちとら1口水を飲んで、サッと写真だけ撮って後にしたいのに、先客がいるとなかなか撮りづらい。
なんかさ、意地でも水道代を節約したいという欲望がありありと伝わってきて怖いんだよね。人間の欲望が強烈に伝わってきた時って、怖い思いする人いるじゃん、食欲なり性欲なり。俺はそういう金の欲を目にした時に怖い気持ちになる。
先客をボーっと見てたら話しかけられて、サッと写真を撮りたいと説明し、車の陰から1枚だけ撮ってすぐ去った。
お次はやすまる銘水。小さい公園の中にあって、トミヨ ※5 という小さい魚が生息している、日本名水百選と言えばコイやマスといったでかい魚が泳いでるイメージ ※6 があるから、小魚は思い返せば新鮮だ。
もう1ヶ所トミヨの生息地の写真があったんだけど、ここは名水だったのだろうか? 看板や石碑を撮れてなかったから判別しがたい。
たまたま撮ってた地図の看板を見る限り、名水じゃないっぽい。ついでにもう1ヶ所名水を探してたけど、いくらグルグル回っても全然見つからなかった。これまた地図の看板を見返すと、名水認定されてなかった。Webサイトの地図ではピンが立ってたから行こうとしてたんだけどね。
そんなこんなで美川駅に着いて、コンクリ造りの造形美あふれる内装の駅舎を見て電車に乗った。
その日は美川駅を後にした午後から、田鶴浜駅という別の場所に向かい、これまた日本名水百選の御手洗池 ※7 を見ていた。
※1 史跡と商業施設が密集しているなど、歴史と勧業の対立があったのが京都という街。この記事に詳しく書いてあった。
※2 手取川の伏流水。生活用水として利用されるほか、地元の名産物であるフグの糠漬け・粕漬けもこの水を使って作られている。そういやなんか糠臭いエリアがあったな。
※3 写真を見返しても分かるように、時間が限られているだけである。写真のプロパティを見返したら、8時50分に訪ねていた。
※4 富山県黒部市の名水「黒部川扇状地湧水群」より
※5 各地で絶滅の危機にさらされている魚。水質の影響を受けやすく、水が綺麗な地域に生息している。
※6 滋賀県彦根市の名水「十王村の水」にコイがいた。
※7 かつて、聖武天皇の皇太子の、目の病を治したと言われている。
途中、仮免許をつけた自動車教習所の車が通っていった。思い返せば定期的に自動車教習所の看板が立っていた。
雪道を運転するのは怖いが、この幻想的な景色の中で路上教習ができたらもっと足しげく教習に通ったと思う。湧き水もいいけど道もよかった土地だった。