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2017.05.11 見たことない人、だからからかっちゃえ
思い出すのもキツいくらいのトラウマ日記シリーズ。当時の自分はよくこんなのんきに日記にしたためたものだ。
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HRが自由に使えるってことでお菓子パーティーが開かれた。俺はテスト前ってこともあり自習にしてほしかったのだが。途中、女子グループがよく分からんリズムゲームを始めていた。いかにもだけど、めちゃくちゃ盛り上がってはしゃいでた。
罰ゲームなのか、最初は芸人のギャグを振られていたが、途中ひそかに自分の名字がささやかれているのが聞こえた。気のせいだろうと思っていたがその後、女子が1人自分のところに来て「…こんにちは!」と恥ずかしそうに言って、すぐ去っていった。
意味が分からないことが起こった。たぶんリズムゲームの罰ゲームで「アイツに挨拶してくる」というのがあったのだろう。挨拶をした女子に、周りの女子は歓声を上げていた。
なかなか事態を楽観視できない自分は、なぜ挨拶の相手が自分なのかという理由を「俺に好意を抱いているから」と「俺のことが心底嫌いだから」という二者択一(その上、後者がかなり濃厚)でしか考えられない。
友人に話すと「嫌われてはないでしょ、見たことないような人だからじゃない?」みたいなことを言われた。そういうぐらいであってほしいな。
その後もう1人の女子が来て「…はばないすでい!」と言われた。マジでどう返せばいいんだろうなぁ ※。せめて日本語にしてくれないか? というかそんなに俺をターゲットにするのやめてくれないか?
帰る時は心配なのか不安なのか動悸がして、汗が止まらなくて、脚がフラフラしていた。
※ 何でお前はそんなにのんきでいられるんだ。何でそんな時にお笑い的なことを考えられるんだ。
前にアメトーークの「中学時代イケてないグループに属してた芸人season2」にて、アルコ&ピースの平子さんが「女子の中でゲームをやって、罰ゲームとして女子が平子から星の砂を1粒もらってくるというのがあった」みたいな感じのエピソードを喋っていた。
この話を聞いた時に、あの情景がフラッシュバックしてきたのだ。俺もあった、そういう瞬間。女子のノリだか何だか知らないけれど、勝手に罰ゲームにされること。
日記にはのんきに書いていたが、時間と距離を取って客観的に振り返るとなんて残酷な日だったのかと思う。無意識のうちに自分の本音の感情を押し殺して、傷つかないように防衛策を取っていたのかな、と思う。
noteでは特に中学時代が暗黒期だった、あの時のクラスメイトや先公共には今でも腹が立っている、と書き殴っている。連帯責任に巻き込まれていたあの日々は、自分の人生にだいぶ深い影を落としている。
一方で高校時代はそれなりにいい日々だったという印象がある。素行不良のクラスメイトとは決別し、連帯責任にも巻き込まれなくなって、中学時代よりだいぶマシになった、という感覚がある。
noteを始める前までは。noteに載せる話はないかと日記を見返して、時に高校時代の日記を載せ、当時を振り返る。その過程の中で「高校時代もなかなかにキツくなかった?」と、薄々感じだしているのだ。
からかわれているんだよ! 罰ゲームなんだよ! もっと怒れ! 怒ることで自分を正当化しろ! 当たり前だと思い込もうとするな! あの女子たちにモラルが無かったんだよ!
モラルが無いなんて吐き捨てているが、別に俺のことが心底嫌いというわけではなかったと思う(もちろん好意があるというのも勘違いすぎるが)。そこでクラスメイトの「見たことないような人だからじゃない?」というのは、見事に的を射ているなぁと思う。
変なヤツと言われる、ことが多い。あくまでも「言われる」のであって、自分としては別にそうでもない、自分の「好き」と「本音」を正直に突き詰めているだけ、とは思っているが。事実としてそう言われることが多いのだ。
血液型はAB型だと言うと「やっぱりな」と言われるし、友達から「君は自分の世界を持っているよね」と褒められたこともあるし、親からは不思議な子だと思われてるっぽいし。
最近『アスペル・カノジョ』というマンガを読んでいる。自閉スペクトラム症という発達障害を抱えた女の子が、生きづらさに焦点を当てる同人作家の主人公の家に転がり込んで同居生活を始めるという話。
その女の子は高校でいじめを受けて、中退せざるを得なかった。発達障害を抱えてクラスメイトとのやり取りが上手くいかず、いじめのターゲットにされていた。
その凄惨な出来事を主人公は、健常者(と扱われる人達)が「これだけ自分と違う生き物なんだから、殴っても蹴っても痛みなんて感じないだろう」という考えでいじめを始めたのだと分析していた。クラスメイト達は障害を抱えた女の子のことを、違う星の生き物くらいにしか捉えられてなかったのだろう。
まさに「見たことないような人だからじゃない?」である。何で自分の生き様がちょっと多数派と相容れなかっただけで、あんなからかい方されなきゃいけなかったんだよ。
自分と違う人間だから、からかいたくなる。なんて悲しい思考回路だろうか。多分そういう人間が、たかが結婚してないってだけで友達や息子・娘をバカにするような悪者に育つんだろうな。たった1つの価値観しか信じられないような、かわいそうな人に落ちぶれるんだろう。
そう考えると自分みたいな変なヤツ(と周囲から言われる人)は、どこに行っても周囲の人間が自分と違っているわけだから、他人の価値観を尊敬するなり距離を取るなりできるんだと思う。
自分の価値感を絶対とは思えないワケだから、自分の価値観を押し付けようなんて到底思わないんだよ。自分自身がデフォルトで「そういう考えもあるんだ」なんだから、それを他人に思うなんて造作も無いのだ。いっつもやってることだし。
自分がありのままにふるまって、それを面白がってくれれば一生の友になるし、バカにしてくるようならその日のうちに心を閉ざすだけ。大学のゼミやネット上の友達は面白がってくれた、だから一生の友だ。そしてあの時からかってきた女子とはもう二度と会わないだろう。
(本当はからかってきた女子の顔も名前ももう忘れてしまったから、多分うっかり会っちゃう可能性もあるんだけどね。せめて日記に名前を書き残してくれれば「アイツのことか!」と思い出して、面会拒否できるようになったのになぁ)