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2021.11.14 一番の華の日々が傷ついた

そろそろ落研も3回生が引退することなんかな。もう11月だからな。まだ引退してないにせよ、引退公演の準備をしているのかも。コンビの勝負ネタとか、全体コントとか。

そもそも今年は引退公演をするんかな。9月あたりからどんどん感染者数は減っていて、10・11月も落ち着いているからできるっちゃできるんだろうけど。でもハコを借りる段階は7~8月とかだから、その時点で既に中止を決めていたのかもしれん。一応落研のTwitterアカウントを見たけど、引退公演の情報は無かった。11月の寄席はあるけど。

俺はなんで落研を辞めたんだっけ。この9か月間、それが曖昧になる瞬間がよくあった。たしか3月に、落研が大学の文化団体連盟にハブられてたことにキレたんだっけ。クラブフェスティバルに落研は呼ばれてないのに軽音楽とか演劇が精力的に活動してたのが悲しかった。そういやそうだったな。

それが衝動的な理由だとしたら、理屈っぽい理由としては感染リスクが高すぎるから。喋りが中心の活動だし、あと狭い部室にみんな集まってワイワイするのができないから。あれが活動の核なんだけど、あの感染リスクはヤバそうだよ。

俺のここ2年のアイデンティティが「クラスターを起こす側の人になってたまるか」なのよね。狭い部室で騒いでクラスターを起こす側の人間になってしまうくらいだったら、いっそのこと落研なんか辞めてやる、そんな心構えだった。

3月の文化団体連盟の集まりでは普通に活動できるようになるって予定だったけど、4月にすぐ第4波が来て活動停止になったんだよね。ゼミすらリモートになったんだもん。

正直「そら見たことか」って思ったんだよね。ダメな人。何がそら見たことかだよ。俺が落研を諦めざるを得なかったのにみんなまだ続けてやがることが苦しかった。

夏の始まり辺りにアメトーークで「大学お笑いサークル芸人」という、大学時代にお笑いサークルに入ってた芸人が思い出を語る回があった。俺はアメトーークを毎週見てるが、その回は見れなかった。「見なかった」のではなく「見れなかった」のだ。苦しくて。あの時お笑いサークルで輝いていた人たちを見るのが苦しくて。

なんで5年10年早く生まれただけなのに、俺とは違って大学生活をお笑いに捧げることができたんだよ。俺は「たまたま」コロナと大学生活が重ならなかった上の世代の人を、未だに許せていない。アイツらばっか青春できて悔しい。

そういや最近、Spotifyのトップ画面の「おすすめポッドキャスト」の欄に、ラジオ関西の「学生芸人YOAKEMAE」という番組が表示される。お笑いサークルに入ってる現役大学生が出ているラジオ。それも辛いんだ。同世代でもお笑いができてる人はできてるんだな。

でもそれは大学ごとによってお笑いサークルの扱いの差ってのがあるからだと思う。推してる大学と自粛してる大学が。うちの大学は自粛してる側、ラジオ出てる大学はこんな状況なのにガンガン活動させてる側。きっと2020年でもしっかり活動してたんだろうな。

この季節になると学祭を行う大学ってのが出てくるだろ。うちは学祭中止の判断を下したというのに。いくら第5波が収まったとはいえ、ここでまだまだ自粛しておかないと同じように第6波が起こるってのが分かんないのかな。

なんでここで学祭ができるのかな、うちは自粛してるのに。たまたま大学が違ったというだけで、笑ってりゃつとわらえなヤツがいるってのが許せない。

落研、続けるもクラスターの可能性があって地獄だし、辞めるも世界から疎外された感覚がして地獄だ。自粛警察みたいなこと書いたけど、やっぱ疎外感なんだよね。



この世代間経験格差が俺はまだ許せない。いくら上の世代がネットの無い時代とか、おじさんが迫害されている風潮だとか、そんなことを嘆いたって「でもお前は結局、大学時代にはしゃげてたわけじゃん」と思って納得することができない。

昔の人も昔の人なりの苦労はあった、そして俺には俺なりの恵まれてた境遇もある。でも人生における一番華の日々、大学生活が満ちてるか欠けてるかという不平等は、もっともっと言われていいと思っている。

大学時代が楽しかったやつに何かしらの文句を言う権利なんてどこにあるというんだよ。恵まれたやつが苦労人ぶって近付いてくんなよ。めちゃくちゃなこと言ってる自覚はあるけど、正論で誰のことを救えるっていうんだよ。2024年になってもまだ俺は救われてない。

怒りはいろんな方向に飛んでいく。同世代の大学生の就活事情のネットニュースを見たら「きちんとステイホームを守った大学生は、ガクチカや自己PRを上手く考えることができない」という記事を読んだことがある。

いやもちろんステイホームをしながらもリモートで、OB・OG訪問だとかインターンシップを行い、リーダーシップを発揮していろいろ経験を積んだ人もいるだろう。

でもそれだってたまたま、コロナ禍で無気力状態になるのを回避できたというのに過ぎないじゃないか。俺は本来やりたかった旅行とか落研ができなかったから、人生に対してやる気が無くなって無気力状態になったんだよ。

生まれながらに「仕事が趣味」なだけだったんだろ? 半ボッキで生唾飲み込みながら就活をエンジョイできるという性格・趣味趣向の生まれだったら、コロナ禍だって自分の趣味を何も傷つけられなかったろう。仕事が趣味ではない人がどうやって就活を頑張ったらいいのか誰か教えてくれよ。

就活に興味ないからどうしたらよかったのか分かんなかったけど、でも働かないと食っていけないし、そもそも企業側が人手不足なんだから求人を出してんだろ。大学生が人手不足という会社の危機・お前らの不手際を救ってやってるんだから。なんであんなに媚びへつらわないといけなかったんだよ。

面接を担当するような上の世代にも納得いかないことがある。昔の大学あるあるだよ。代返って何だよ。なんでそんなんがまかり通ってたんだよ。大学の授業なんか休むのが当たり前って話、下の世代としてはずいぶんとお花畑な時代でしたねって思う。

大学時代はお花畑デイズだった人間が、いつの間にか時代に迎合して手厳しい採用活動を繰り広げる。自分は大学時代お気楽に生きてたくせに、今お気楽に生きてる大学生は絶対に認めない。厳しさだけ時代に合わせて、優しさは昔の価値観のまま持ち合わせずに生きる。繊細な人間は社会に必要ない・ありのままで生きるなというような圧。

時代を超えても、この怒りよ届け。当事者の声よ、集え。