ギアファンde日常。「フランツと待ち時間」
フランツと待ち時間
うろうろ。うろうろ。足がひっきりなしに動いてしまう。
ちらと駅の時計を見る。汽車のやってくる時間には、まだまだ早い。
はぁ、と小さくため息をつく。
落ち着きのない俺を見て、一番歳の近い兄が「父上もご一緒なんだぞ。少しは落ち着け」と言った。
口調に反して、その表情は穏やかだ。
幾つになっても、俺のことを小さな子供だと思っているのかもしれない。
それは少し不服だけれど、しかし、安心もする。
国王の依頼を受け、ユマーノ王国に足を運ぶことになった父上。
数日