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小学校1年生2学期〜 ③祖父母との同居

転校、引っ越し、それは父型の祖父母との同居という新たな家族生活、家庭環境の始まりだった。

同居してすぐのときは、わりと祖父に懐いていた記憶がある。

仕事や畑に行く祖父の足にしがみついて離さなかったり、のちには祖父のやっていた畑で焼き芋を焼いてもらって食べた記憶もある。

これは楽しかったいい思い出かもしれない。

幼少期にほとんど関わった記憶のない父親の代わりの、身近な大人の、男の人の存在ができたことが嬉しかったのかもしれない、当時は。

だが、母親はこの同居が大変ストレスだったらしく、明け方から掃除機をかけて掃除を始めるような祖父母の生活リズムや、プライバシーもなく家のことをベラベラ他人に話す祖母の性格などに悩み、不眠を患い睡眠薬を飲んでいたとのちに聞かされた。

祖母に関しては、実の親を亡くし継母に実子と差別されて育った生い立ちがあるらしく、この祖母の個性というか性格により、私個人も幼少期に嫌な思いをした記憶がある。

最初は何にも心配も嫌な気もしていなかった、むしろ家族が、大人が増えて少し嬉しい楽しいくらいであったこの同居も、そういった母親の不安定さの影響や、祖父母(とくに祖母)自身のその性質により、自分にとっても心地の良い環境では無くなって行ったように思う。

思い返してみると、最初の頃おじいさんに懐いていたことと、焼き芋を焼いてもらったこと、自分が大学を休学していたり、新卒で入った会社を辞めて、居場所がなかったり親(母親)との関係が気まずかった時期に、祖父母の部屋が親と顔を合わせなくていい避難所、逃げ場となっていたくらいがいい思い出だったり、同居のメリットで、それ以外の面では、祖父母がいてくれてよかったとか、助けられたとかよくしてもらったとか尊敬できる…などなど、ほとんどいい思い出はない。

むしろ恨みつらみや、性質への嫌悪を未だに感じている気もする(特に祖母)。

不穏な空気の中で暮らさなくてはならなかった、そんな思い出が詰まったこの二世帯住宅に、今は自分ひとりで住んでいる。

この家は、自分は、これからどうなっていくんだろう。

自分はどうしたくて、どうするんだろう、何ができるんだろう?

そんなことを考えている。

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