大塚駅のトイレから、キラキラ輝く新社会人の君へ。
突然だけど、トイレの話をします。
この前、大塚駅のアトレの中にあるトイレに行きました。そこはトイレの個数が4つくらいの小さなトイレで、平日の夕方頃だったので多くの人が列をなしていました。
列に並びながらやることもなくぼーっとしていたら、「トイレの空き状況がいつでもわかります」という壁に貼ってあるポスターとQRコードに目が留まりました。
東京駅などの大きなトイレならこういうサービスはあるけれど、この4つくらいのトイレでもこうしたサービスがあるんだなあと、ふむふむ、と思っていました。
そこでふと、社会人3年目くらいの記憶へ飛びます。
わたしは某Webサービスの会社の中で主に新サービスを考える、「企画」をする部署に5年ほどいました。
そのときに、たしか「パウダールームの空き状況わかるアプリ」みたいなものを会社に提案したんです。
その頃のわたしは、キラキラの20代真っ盛り。毎日のように飲み歩き、よくデートや合コンもしていたような気がします。
渋谷や新宿などのターミナル駅で遊ぶことが多く、いつも困っていたのはデート前のメイク直しをするトイレ探し。
駅近くのファッションビルの低層階はいつも混んでいるし、パウダールームの個数も少なく、後ろの人に気を遣う...。そこでわざわざ大きなデパートの最上階まで行き、絶対に自分には関係のない、マダム達が集う婦人服売り場を突っ切って行ったりしたっけなあ。たかがトイレのため、されどトイレのためだけに。
だからそんな不便な状況を改善したい、と、パウダールームの個数や設備、空き状況や混雑状況がわかるサービスを提案。きっと同じようなことを考えている女子は嬉しいはずだ!と会社の中で鼻息荒く語っていたことを、昨日のことのように思い出します。
結局そのアイディアはいろいろ詰めて考えたのだけど、マネタイズはどうするの、とかそんな話がクリアできず、おじゃんになってしまったのだけど。
何が言いたいかというと、あの
・20代の遊び盛りのわたし
・パウダールーム探しに躍起になっていたわたし
・彼氏とのデートが楽しくて仕方がなかったわたし
そんな自分だったからこそ、あのサービスのアイディアを思いついたということ。
いまの、
・30代ですこし大人になり
・翌日に疲れが残るから、とあまり外に遊びに行かなくなって
・新宿渋谷なんて、何より恐ろしいからなるべく行きたくない
そんなわたしが、「新しいサービスの企画を考えなさい」と言われたときに思いつくかと言われたら、絶対にない、と断言できる。
だからね。
同じように今、企画職に従事している誰かに伝えたい。
あなたが考えているそのサービスは、いま、この瞬間、にしか閃かないものかもしれない、ということ。
会社のおじさん、おばさん達には絶対思いつかないアイディアかもしれない。
たとえボツになったって、大したことじゃない。
数年たって自分でも思いつかなくなるような、そんな一瞬のひらめきときらめきを、大切に、熱量を持って、ぶつけていってほしい。
そんなことをふと思ったわけです。
以上、大塚駅のトイレより。キラキラと輝く新社会人のあなたへ。
ホステルやゲストハウスなどの「地域コミュニティ」を創っている方々に会いに行って、勉強させてもらい、タバタバーに持ち帰ります!