生きているだけで偉いというけれど

「生きているだけで偉い」とよく聞くが誰が言い出したのだろう。
誰がとは思い出せないが、SNS上でも日常会話でも、何回も聞いたことがある表現であるし、考え方である。

みんな簡単に使う言葉である。

これって実際どうなのか?

生きているだけで偉いという言葉は、生きる / 死ぬ という生命の2択と、 偉い / 偉くない という評価の2択を含む、2軸から成り立つ言葉である。2種類の選択を持つ2軸であるから、パターンは4つになる。

1)生きているだけで偉い
2)生きているだけで偉くない
3)死んでいるだけで偉い 
4)死んでいるだけで偉くない

死んでいる「だけで」という表現は少し無理があるので、ここでは死んでいるけど偉い、死んでいるけど偉くないという言葉を使用する。

この4つに当てはまる人って、きっと社会的なマジョリティはこう考えるだろう

1)生きているだけで偉い   → 赤ちゃん、天皇陛下(笑)?
2)生きているだけで偉くない →指名手配犯?
3)死んでいるだけで偉い   →エジソン、ピカソ?
4)死んでいるだけで偉くない →思い出せないような人?


ちょっとピンとこない。
どの選択肢を考えても当てはまる人って正直人によって違うと思う。

偉い偉くないなんて、色々な評価軸があるのだし、誰の評価でそう決まるんだって話だし、一概にどうだなんて言えないだろうよ。人によって異なる偉い偉くない基準を持っているんだから、生きているだけで偉いかどうかなんて判りゃしない。

結論、わからない。


「生きているだけで偉い」って誰が言い出したのかわからないが、恐らく仕事をすることに疲れた人、何かをすることがしんどい人、精神的に疲弊している人が、人生を諦めようとしている時(自殺や自暴自棄)、「生きているだけで偉いんだから」とその人を助けるつもりで言い出したんだと思う。

つまり、死んではダメだということの言い回し表現であるように思う。
それを、何もしないこと、何かできないことの言い訳として「生きているだけで偉いんだから」と誤用するやつが出てきているので、本当に生きているだけで偉いのか?といった疑問を持つものが出てくる。

疑問に対する結論はわからないであるが、私は、死ぬなの美しい言い回しであるこの言葉を一生使わない、使われない人生でいたいと思う。



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