時間帯の思い出

この前数年ぶりに朝の6時台に散歩した。初夏の早朝は涼しくて気持ちよかった。そして、懐かしい思い出を思い出した。

小学生の頃、家族でキャンプに行った時寝てる時間なんて勿体なくて、一人早起きをしてボーッと朝を満喫したこと。

田舎に住む友達の家に泊まった時、鳩がホーホー鳴く声を真似しながら田舎の道を散歩したこと。

他にももっとあったはず。

それらの時に感じた朝の光と匂い、早起きをしているという何となく誇らしい感覚と恍惚感が一気に思い出された。そういう朝の思い出達がひとまとめになって、凝縮された幸せを思い出した。

そうか、朝6時という時間にはこんな思い出がくっついていたんだ。



わたしたちは色んな思い出を持っているが、何かの出来事を記憶するためには、何かの軸に沿って記憶される。思い出を思い出す時は、その軸に沿って思い出すと想起しやすい。

例えばカテゴリー、時系列、空間的配置などの軸が考えられる。

カテゴリーとは、何かのジャンルに分類するあように記憶する方法である。映画や果物の種類など。時系列とは、たとえば小学校時代とか、青春時代とか時系列ごとに区切った軸。
空間的配置は、国とか都道府県とか、もっとズームアップすると家のトイレとか、物理的な位置関係で区切った軸。

例えば、修学旅行で広島に行った時には、その時の思い出は学生時代・広島といった軸で記憶されるだろう。

この軸は思い出を記憶させやすくするだけでなく、検索する時にもとても便利に使う。
検索する際には、その軸を使用して、記憶から思い出を引っ張り出すことができる。


軸は非常に便利であるが、頻繁に使用しない軸だって存在する。その一つが、「時間帯」(○時○分など)という軸である。

思い出を記憶する時に、7時台、8時台、21時台といった時間帯を意識して記憶することは少ないだろう。

(シンデレラにとっては0時前後に大きな変化がある思い出があるので、彼女にとっては時間帯の軸は頻繁に使用するのかもしれない)


今日、体験した思い出の検索は、6時台というそういった「時間帯」の軸を持つ思い出であった。

先ほど述べた幼少期のバーベキュー上での明朝の思い出は、きっと「場所(バーベキュー場)」「時代(幼少期)」という分類で記憶に保管されたが、「時間帯(6時台)」という軸で思い出を保管はしなかった。


記憶した軸(場所, 時代)と検索した軸(時間帯)が異なることが、とても面白かった。

私は、6時台にたくさん、幸せな思い出が詰まってきた。偶然思い出せたこの6時台の思い出にはノスタルジックな感情が存在していた。

ずっと、ずっと、大切に丁寧に扱って、この幸せな時間帯の思い出を残していきたい。

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